@yhassyの週刊UX : 海外で話題になったUX最新情報 その5 | アドビUX道場 #UXDojo
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毎週、海外で話題になっている UX 関連の情報をピックアップ。今すぐに役立つ情報から、将来の動向を予感させる学びのある記事までダイジェストで紹介します。今週の気になるトピックはこちら4つ。
巨匠もただデザインしているだけではありません
IBM、UPS、 ABCテレビなど、数々の有名ロゴを手がけたグラフィックデザイナー、ポール・ランド。彼がどのようにロゴをプレゼンしたか紹介されています。ただデザインを見せるのではなく、どのような経緯でロゴが生まれて、どのように使われているかも解説しています。通常、20から40ページのブックレットを作るそうで、多いときだと 100 ページにもなるそうです。
普遍的なデザインも素晴らしいですが、ランド氏がプレゼンテーションのために多くの時間を費やしているのが分かります。
彼が「デザイナーは静かなるセールスマンだ」と語っているように、ただデザインを見せるのではなく、売り込むための施策も考えるべきです。デザイナーは、ツールの使い方や表現を広げるだけでなく、デザインの伝え方も磨いていったほうが良いと、改めて感じさせられます。
スマホ中毒にワケがある
理由もなくついついスマホを見てしまう今日この頃。スマホ中毒は使っている人のせいとは限らず、デザインによる場合があります。ユーザーに長く利用してもらうため。何度も訪問してもらうように様々な仕掛けが施されています。
- スロットマシン感覚で様々な情報を表示させる
- 周りから認知・注目してもらっていると感じされる演出をを加える
- 自動再生や無限スクロールでコンテンツを次々に見せるようにする
- やって欲しくない操作にはステップを増やして壁を設ける
- 通知や自動登録を通して、行動を促す
こうしたテクニックが「利用者体験を向上させるため」という名目で紹介されることがありますが、果たして本当にそうなのでしょうか。短期的な利益になるとしても、立ち止まって考えておきたい課題です。使う側の立場になって「これは意識的にやっていること?」という問いかけをしてみると、中毒性のあるデザインの仕掛けがあることに気付かされるでしょう。
18.435°のインパクト
Brand New: New Icon and Identity for Ericsson by Stockholm Design Lab
今年刷新された Ericsson の新アイデンティティ。パッと見、何が変わったのか分からないロゴですが、今の時代に合った刷新がされています。例えば、図形の角度をピクセルグリッドに合わせることで、アンチエイリアスの処理を一定化。18.435° の角度が Ericsson の新ロゴを綺麗に見せているそうです。以前のロゴのスクリーン上で少しボヤけた印象になりやすかったという課題が解決されています。Favicon のような小さな画像でさえシャープに見えます。
誰も気にしないコダワリのように聞こえてしまいますが、オンライン、オフライン様々な場所で綺麗にロゴを表示させるためには必要なことです。
デザインは正直でありたい
出典 This Chart Reveals the Centralization of Bitcoin Wealth ビットコインの富の集中を示したグラフ。表現が独創的でかえって分かりにくい例。
複雑な情報もデザインによって理解しやすくなることがありますが、嘘をつくこともできます。グラフにある『嘘』を紹介しているこの記事。バッドノウハウが盛りだくさんなので、それを見ているだけでも学びがあります。紹介されているポイントは情報設計全般にも通じるので、グラフやインフォグラフィックだけの話ではありません。
- 数値は同じ割合で増やすこと
- 情報を必要以上に減らさない
- 違いを見せるために極端な解釈をしない
- グラフィックを追加するときは余白を設ける
- 似た色を並べない
- 情報伝達の邪魔をするグラフィックデザインにしない
- 複雑なレイアウトにして比較を難しくしない