フォトレタッチの極意20:桜の花を桜らしく見せる色調整

連載

Photoshop フォトレタッチの極意

桜は人々の記憶の中ではピンク色をしていると思うのですが、実際は思ったより白っぽいことが多い被写体です。そのためいざレタッチとなると、「花は淡いピンクにしたい。でも空は青っぽく濃い色に」という逆方向の調整になる上に、お互いが入り組んだ形状をしているので、違和感のある変な色ができてしまいやすいのです。

そこで桜も空も鮮やかに仕上げる方法を、フォトグラファー/レタッチャーの御園生大地さんが「Shuffle by COMMERCIAL PHOTO」に投稿した記事「色変換後の違和感を退治する! ~自然物編~」から抜粋して紹介します。

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Before

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After(※クリックで拡大)

1、画像マスクで選択範囲を作る

(1)背景レイヤーをコピーしたら、「イメージ」 → 「色調補正」 → 「色相・彩度」を選択。桜の形が膨張してしまわないギリギリの、彩度「+75」 にして「OK」をクリックする。
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(2)選択範囲として一番適切そうな「レッド」チャンネルを「⌘(ctrl)+A」で全選択、「⌘(ctrl)+C」でコピー。
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(3)レイヤーウィンドウから、新しいフォルダ(新規グループ)を作成し、レイヤーマスクを追加。そのレイヤーマスクを「option(alt)+クリック」した状態で「⌘(ctrl)+V」すると、先ほどのレッドチャンネルがコピーされる。
https://blog.adobe.com/media_e1aac8831203e65b6b51204ae52293629d51629e.gif

(4)「イメージ」 → 「色調補正」 → 「レベル補正」から、下図のような強めの「レベル補正」をかける。画像上部に残ってしまった白い部分は「ブラシツール」で「描画色」の「黒」で塗りつぶすと、桜の選択範囲が完成。
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(5)レイヤーウィンドウのフォルダをコピーし、マスクを「⌘(ctrl)+I」で反転させて「空のマスク」も同時に作っておく。「背景のコピー」レイヤーは、もう必要ないので削除。
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2、「桜」の色を調整する

(1)桜の選択範囲のフォルダの中に、調整レイヤー「色相・彩度」で下図のように、桜をピンクに変換。 このままでは濃すぎるので、「不透明度」を「28%」にする。
https://blog.adobe.com/media_b7a9c3b5393b197f27a047ca7804dd3a330d5cde.gif

(2)続いて描画モードが「カラー」の「トーンカーブ」で、桜らしい色に、多少強引に調整。不透明度なども活用して、好みの色に仕上げる。この段階では、色味さえ桜っぽければ、色は濃いままでOK。また、マスクの出来に不十分な箇所があるようなので、桜の色が濃いうちに、不透明度50%程度の白のブラシツールで修正しておく。
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(3)描画モード「通常」の「トーンカーブ」で桜を明るくする。この時、コントロールポイントを中央の127より暗い側に打って、「ほんのわずかに暗部をより明るくするカーブ」にするのがポイント。そうすることで、花びらの軽い感じが出やすくなる。
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3、「空」の色を調整する

(1)青空は、普通に彩度を上げれば良さそうだが、この画像では、鮮やかな青の発色を目指して彩度を上げると、ほんのわずかにトーンジャンプが発生。そこで「青から青への色変換」を行う。
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(2)新規「色相・彩度」調整レイヤーで、下図のように設定。さらに「レイヤー」 → 「レイヤースタイル」 → 「レイヤー効果」から、レイヤースタイルを使って、枝が青く染まるのを防いでいる。もし、それでも不要な部分が青に染まってしまった場合は、レイヤーマスクをブラシで修正する。
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Before

After

さらに詳しい解説は、Shuffle by COMMERCIAL PHOTO の「Photoshop 色調補正ゼミナール」(解説・写真:御園生大地)内の記事「色変換後の違和感を退治する! ~自然物編~」に掲載されています。今回使用した桜の素材をこちらからダウンロードいただけます。または、ぜひお手持ちの写真でお試しください!

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