おすすめ撮影スポットー渓谷編 #AdobeStock

連載

PASHADELIC による風景写真の極意

このブログでは、風景写真専門のオンラインフォトコミュニティPASHADELIC (パシャデリック)から、絶景風景の撮影スポットをご紹介いただきます。

山や渓谷では春から夏にかけ、新緑から深緑へと色合いがどんどん変化していきます。同じ緑でもそれぞれの季節ごと、全く異なった表情を見せてくれます。さらに秋には紅葉との対比、冬には雪の白さとの取り合わせが美しい渓谷もたくさんあります。

今回は美しい渓谷の景観を狙えるポイントを5カ所ピックアップしてご紹介します。

阿寺渓谷(長野県 大桑村)

阿寺(あてら)渓谷は流れる水の美しさ・独特の美しい青「阿寺ブルー」が絶賛されるスポットです。極めて澄んだ透明度の高い水と川底の岩や石の色合い、周囲の緑の様子などで独特のブルーグリーンからエメラルドグリーン、そして黄色に近い淡い緑まで多彩な色合いの写真を撮ることができます。一般には阿寺ブルーというとエメラルドグリーン系の色合いがイメージされることが多いようですが、それだけにこだわらず多彩な色合いを狙ってみるのも良さそうです。


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m_taku / Adobe Stock

渓谷の入り口から一番奥のキャンプ場駐車場までは6.3kmほどあり、流域をロケハンしつつの撮影にはそれなりの時間と体力が必要になりそうです。また夏の観光シーズンのピークには自家用車の進入ができなくなり、移動はシャトルバスを利用する形となります。

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只見川第一橋梁(福島県 三島町)

只見川の第一橋梁周辺の風景は四季を通じて非常に美しい上に、アーチ肩橋が周囲の景色にとても良くマッチする絶景ポイントになっています。鉄道写真では定番中の定番スポットの一つでもありますね。

只見川の横を走る国道252号線沿いの道の駅から歩いて楽に行ける範囲に、何カ所も撮影に適したポイントがあるところも非常にありがたいところです。


https://pashadelic.com/photo?id=258249

Atsushi Katahira / PASHADELIC

作例写真のような俯瞰での撮影だけではなく、川面に近い地点から橋梁を見上げるようなアングルでの撮影ができるポイントもあります。冬期間は雪が多い地域ですから、アクセスの際にも現地での撮影の際にも雪への備えが必須になります。

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西沢渓谷の竜神の滝(山梨県 山梨市)

西沢渓谷は花崗岩を水が削って出来上がった渓谷のため、流れる水も非常に美しく、途中にはいくつも壮観な眺めの滝があります。遊歩道を歩く中で、渓谷だけではなくそれらの滝も撮影することができるでしょう。その中でも水量も豊富で滝壺の独特の青さが美しい一枚が狙えるのが竜神の滝です。


https://pashadelic.com/photo?id=270595

Tommy Fujikawa / PASHADELIC

入り口の駐車場から竜神の滝までは徒歩で1時間ちょっと。渓谷沿いの遊歩道の一番奥に位置する不動滝まで行くと約2時間ほどの行程になります。遊歩道は冬期間(12/1~4/28)は閉鎖となりますのでご注意ください。

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五ヶ瀬川渓谷(高千穂峡)(宮崎県 高千穂町)

阿蘇カルデラを作った火山活動の際に出現した岩を、五ヶ瀬川が長い年月をかけて削って出来上がった渓谷が五ヶ瀬川渓谷、高千穂峡です。流れの両岸は独特の切り立った崖になっていてユニークな景観を生んでいます。7kmに渡る渓谷沿いには日本の滝百選にも選ばれている真名井の滝などの美しい風景が続きます。

貸しボートで五ヶ瀬川の水面に出れば、水面の側からも渓谷を撮影することが出来ます。真名井の滝にも水に触れられるポイントまで接近することができ、その他の渓谷とはひと味もふた味も異なるフレーミングが可能です。渓谷のそばには、渓谷の様子を撮影可能な遊歩道が何カ所か整備されています。


https://pashadelic.com/photo?id=329515

Takumi Kurose / PASHADELIC

ただ渓谷の両岸は険しく切り立った崖になっていて渓谷の幅は狭く、水面まで日の光が落ちる場所、時間が限られます。光の回し具合、画面内の高くなりがちなコントラストのハンドリングにひと工夫が必要となります。

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ユーシン渓谷(神奈川県 山北町)

こちらも「ユーシンブルー」の美しさで次第に知られるようになってきた絶景ポイントです。

玄倉川(くろくらがわ)沿いの遊歩道を7kmほど歩いた先にある、玄倉ダムの先にユーシンブルーの水面が待っています。ダムの調整池ながら極めて透明度の高い水で、そこから奥の水の色合いがエメラルドグリーンからターコイズのような非常に美しい青の世界となっています。周囲の渓谷や緑の様子も美しく、さまざまな作画パターンを狙いたくなるポイントになっています。


https://pashadelic.com/photo?id=325268

Yasuhiro Rikihisa / PASHADELIC

渓谷の入り口にある無料駐車場から先には一般車両が入ることはできません。このためユーシンブルーを見られるポイントまでは片道約7km、往復で時間にして6時間程度は見ないといけないトレッキングコースになります。そのためきちんとしたトレッキング、歩ける装備が必要です。また、途中のトンネルは明かりのない真っ暗な場所もありますので、懐中電灯が必須です。

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まとめ

非常に美しい写真の狙える渓谷のロケーションですが、いくつかの場所では徒歩によるある程度の距離の移動が必要になる点には注意した方が良いでしょう。今回取り上げたユーシン渓谷など、完全にトレッキングコースといった方が良いような場所もあります。撮影ではどうしても荷物は重く大きくなりがちですが、現地での移動距離と道の程度を事前にチェックして持っていく装備の調整をした方が良いでしょう。

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