25周年を迎えたAfter Effects、機能を強化 #AfterEffects
NABアップデート
今年25周年を迎えるAdobe After Effects CCは、これまで以上に迅速性と効率性が向上しています。モーショングラフィックスとビジュアルエフェクトの業界標準ツールとして生まれて四半世紀の節目に、最新イノベーションを発表できることを大変うれしく思います。今回のアップデートでグラフィックス制作プロセスが高速化および効率化され、優れた柔軟性でアニメーションを作成し、クリエーションに没頭できます。
【2018年4月アップデート(ver. 2018.1)を適用すると、2017年10月アップデート(ver. 2017.0.x)を置き換える形でインストールされます。】
https://www.youtube.com/embed/ZjAW70_kePI?list=PLD8AMy73ZVxUxU4fZA4DjhBVlYmqWUdNb
マスタープロパティを含む単一のコンポジションに対して複数のバリエーションを作成します。変更を行う際にプリコンポジションを開かなくても、テキスト、位置、カラーなどのプロパティを選択してコンテキスト内で調整できます。
マスタープロパティとエッセンシャルグラフィックスパネル
マスタープロパティ:プロジェクトをまとめる方法を変革する強力な新ワークフローを導入します。
複雑なグラフィックスの制作にかかる作業の効率化を実現します。エッセンシャルグラフィックスパネルにキーレイヤーとエフェクトのプロパティを追加することで、単一コンポジションのバリエーションをいくらでも作成できます。そのコンポジションを別のコンポジション内にネストするとマスタープロパティとなり、タイムラインでキーフレームなどに直接アクセスできるようになります。マスタープロパティは元々の値に上書きできるため、異なる値で複数のインスタンスを作成するために同じコンポジションを再利用することができます。あらゆるバージョンのコンポジションに変更をプッシュすることや、同期を維持するためにマスターから選択した変更をプルできます。
先行デモを見たAfter Effectsユーザーは、マスタープロパティの機能を絶賛しています。
After Effectsのプロダクトマネージャーであるビクトリア ニース(Victoria Nece)が、担当製品が25周年を迎えるにあたって所感を述べています。
エッセンシャルグラフィックスパネルのアップデート:エッセンシャルグラフィックスパネルでいくつかの点が改善され、マスタープロパティとモーショングラフィックスのテンプレートを作成しやすくなりました。これで、アングルコントロールだけでなく、2Dポイントやスケールのプロパティなどの新しいプロパティのタイプが追加できます。選択した複数のプロパティをタイムラインからエッセンシャルグラフィックスパネルにドラッグしたり、コンテキストメニューを使用してそれらをエフェクトコントロールパネルから追加したり、またはプロセスを速めるためにキーボードショートカットを割り当てたりすることができます。
モーショングラフィックステンプレートをプロジェクトとして開く:After Effectsによって作成されたモーショングラフィックステンプレート(.mogrtファイル)をプロジェクトとして開くことができるようになりました。テンプレートを開くと、コンポジションに変更を加えて、.mogrtファイルとして再エクスポートできます。.mogrtをプロジェクトとして開くと、After Effectsがプロジェクトファイルとアセットを抽出します。
アニメーションの強化
https://www.youtube.com/embed/MOFuNeVg1To?list=PLD8AMy73ZVxUxU4fZA4DjhBVlYmqWUdNb
より優れた制御でレイヤーをねじったり曲げたり、スムーズに変形したりできます。強化されたパペットエンジンにより、追加したピン周囲に詳細なメッシュが作成されます。
強化されたパペットエンジン:数年前にAfter Effectsが他社に先駆けて開発したパペットツールは、今でも最も人気のある機能の一つです。その一方で、Adobe Photoshop CC、Adobe Illustrator CC、Adobe Character Animator CCに柔軟な変形機能搭載が拡がっているため、ユーザーは他のアプリの進歩を羨んでおられたかもしれません。今回、パペットエンジンを強化しました。強化されたパペットエンジンは、容易なコントロールでカスタマイズ可能な変形を提供します。従来のパペットエンジンも維持しているため、既存のプロジェクトにも作業できると同時に、新バージョンの拡張機能も使用できます。
詳細は以下のとおりです。
- ダイナミックメッシュ密度は、細かいアニメーションを作成するエリアに最も必要とされている三角形のメッシュを追加します。全体的な密度レベルを調整して変形をスムーズに行います。
- Mesh Rotation Refinementによって、メッシュの変形をカスタマイズできます。小さい値では、ピンはそれほど回転せず、リボンのように変形が硬くなります。大きい値では、ピンは回転しやすくなり、変形はより柔軟に曲がりやすくなります。
- スターチピンは、スターチピンと他のピンの間の領域の硬さを調整するため、位置のプロパティはありません。パペットのピンの動きに合わせて自動的にアニメーションが作成されます。
https://www.youtube.com/embed/qAM2sp214Wg?list=PLD8AMy73ZVxUxU4fZA4DjhBVlYmqWUdNb
タイムラインでネイティブデータファイル(JSON、CSV、TSVなど)のインポートと利用が容易になります。パブリックAPIによって、サードパーティが他のデータファイル形式をサポートできます。最初にエクスプレッションを有効にしなくても、ピックウィップでデータへのリンクプロパティが容易になります。
**データ駆動型アニメーションの向上:**2017年秋に初めて導入されたデータ駆動型アニメーションを作成するこのツールは、情報の可視化と繰り返し作業の自動化をこれまで以上に容易にするために効率化されました。展示会のプロモーションの構築、スケジュール変更の伝達、モーションキャプチャーのデータ提示、または複数の言語によるグラフィックスの作成が可能です。このリリースでは、.CSVや.TSVなどのスプレッドシートファイルをインポートしたり、JSONなどの対応しているすべてのデータタイプをタイムラインで閲覧したりリンクしたりすることが可能になります。また、タイムラインのプロパティをコンポジションウィンドウにドラッグ&ドロップして、それらの値を表示するリンクされたテキストレイヤーも作成できます。少ないコーディングでデータに応答する再利用可能なグラフィックスを作成し、増大し続けるコンテンツベロシティへの需要に対応します。
プロパティリンクのピックウィップ:プロパティリンクのピックウィップによって、プロパティを迅速にリンクして、複雑なアニメーションを簡素化し、複数のプロパティを同期させることができます。最初にエクスプレッションを有効にしなくても、エクスプレッションはリンクされたプロパティに自動的に追加されます。プロパティリンクのピックウィップを使用してプロパティを容易にリンクするためにエクスプレッションに詳しくなる必要はありません。
向上した新しいVRツールで作業に没頭
改良されたVR平面から球体エフェクト:直近のリリースでは、没入型VRコンテンツを作成するための新しいツールスイートを発表しました。このサイクルで、パイプラインの主要部であるVR平面から球体エフェクトを刷新し、平面から球体に迅速かつ高品質なメディアのコンバージョンを実現しています。
Adobeイマーシブ環境:After Effectsから離れなくても、視聴者が体験するようにコンテンツを体験できます。初めてPremiere Proに導入されたAdobeイマーシブ環境によって、MacまたはWindowsでHTC ViveやOculus RiftのヘッドセットなどのヘッドマウントディスプレイでVRコンポジションをプレビューできます。
その他の開発
時間を節約できるこれらのショートカットを活用すると、クリエイティブワークフローのコントロールが向上します。
After Effectsチームは、カメラのフォーマットとカラーマネジメント、パフォーマンス向上に向けた新たなサポートなど、以下のアップデートも提供します。
パフォーマンスの強化:グレイン(追加)、グレイン(除去)、グレイン(マッチ)エフェクトがマルチスレッド化し、最大5倍速のパフォーマンスを実現します。効率性が向上したGPUメモリを使用して、より大きなフレームで作業できます。
カラーの向上:新しいGPU高速処理のビデオリミッターエフェクトを個別のレイヤーまたは調整レイヤーに適用して、ブロードキャストカラーの範囲内でコンテンツを維持できます。カスタムLUTファイルをAfter Effectsにインストールして、Creative Cloudのアプリケーション間でプロジェクトの一貫性を保ちます。
ビデオおよびオーディオ形式のサポートアップデート:キヤノンCinema EOS C200 Cinema RAW Light(.crm)、RED Image Processing Pipeline(IPP2)、ソニーVENICE X-OCN 4K 4:3アナモフィックおよび6K 3:2(.mxf)などのRawフォーマットを新たにサポートします。また、Windows対応Intel CPU上でハードウェア高速処理のH.264デコードも可能です。
その他の機能:
- 矢印キーでフォントメニューを操作して、コンポジションウィンドウでフォントをプレビューできます
- 強化されたディスクキャッシュ管理によって、After Effectsのすべてのバージョンから一度にキャッシュをクリアできます
- シェイプレイヤーのアンカーポイントを自動的に中心に置く新しいオプションと、マスクモードによってサイクル設定するための新しいショートカットで、デザインワークフローのコントロールを向上させます
- チームプロジェクトの向上には、コラボレーターのプレゼンス インジケータとaerenderのサポートも含まれます
フォーラムへの参加
新機能や機能の更新について質問がある場合は、After Effectsフォーラムに情報をお寄せください。機能のリクエストやバグの報告はこちらからお知らせください。
参考リンク:
- Adobe Creative Cloud のビデオとオーディオツールについて
- ブログ:Premiere Pro、Audition、Character Animator、およびAdobe Creative Cloudのビデオ&オーディオツールについての最新情報
- Adobe Creative Cloud ビデオツールの新機能およびNAB 2018 データシート
- 製品のフィードバックはAfter Effects UserVoiceフォーラムで共有できます。
- Facebook:Creative Cloud、Premiere Pro、After Effects、CC Video & Audio、Adobe Stock
- Twitter:Creative Cloud、Premiere Pro、After Effects、CC Video & Audio、Adobe Stock
- Adobe Premiere Pro CC を使用する 10 の理由
この記事は、2018/4/3にポストされたAfter Effects Celebrates 25 with an Upgradeを翻訳したものです。