@yhassyの週刊UX : 海外で話題になったUX最新情報 その10 | アドビUX道場 #UXDojo

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@yhassyの週刊UX

毎週、海外で話題になっているUX関連の情報をピックアップ。今すぐに役立つ情報から、将来の動向を予感させる学びのある記事までダイジェストで紹介します。今週の気になるトピックはこちら4つ。

デザイナーは見た目が良いものを作るだけの仕事ではない

Here’s everything I’ve learned from designing 10,000+ UI screens as a lead product designer.

デザインに限った話ではありませんが、数をこなさないと分からないことがたくさんあります。この記事の著者であるデザイナーのJon Mooreさんが1万画面以上のUIデザインをした経験から学んだことを10の項目にまとめています。つくり方のコツというより、仕事の仕方に大きく影響しそうな考え方・姿勢に近い内容です。

1. 優先順位を決める
どんなに見た目が良くても、利用者の目的や要件を満たさないものは意味がありません。ディテールの作り込みに多くの時間を費やしたいからといって、時間の使い方を間違えるとスケジュールに影響します。

2. アニメーションの優先順位は高くない
カッコいいアニメーションを付けたくなるかもしれないが、アニメーションの実装に時間を費やすより、アプリ全体の利用者体験に集中すべきと著者は説明しています。

この記事のコメント欄でも議論されていますが、アニメーションを全否定するべきではないと思います。例えば、ユーザーに状態の変化や注目して欲しい情報を伝えるのにアニメーションは効果的です。FacebookでもLikeボタンなど小さな要素にアニメーションを加えることによって、押した感覚を表現しています。

3. 無理に再発明しようとしない
Webデザイン、アプリデザイン共にユーザーが慣れているUI、効果的だと言われているUIが数多くあります。どんなUIパターンがあるのか、最適なパターンはどれかUI-Patterns.comのようなサイトを参考にしながら作ることもできます。

例えばボタンの見せ方はどれを見ても大きく変わりません。変わらないからこそユーザーも迷わず押すことができます。個性を持たせたいからといって違う見た目にすると、ユーザーを迷わせますし、制作コストもかかってしまいます。

使い所や事例が紹介されている UI-Patterns.com

4. デザインのテンプレート化をする
ひとつひとつの画面を手作りでデザインしているといくら時間があっても足りません。最初のアイデアがうまくいかないことは多くあります。細かな調整には時間がかかります。周りからのフィードバックもあるでしょう。どうすれば効率的に画面数を増やすことができるのか考えながら、デザインファイルを整理してみましょう。

5. 一貫性が効率化に繋がる
6. 効率化が一貫性に繋がる
デザインツールのシンボルを活用すると、ひとつひとつの要素の見た目が微妙違うといった一貫性の問題が解消されます。同時に、色を変えるといった作業を瞬時に終わらせることができます。シンボルを作るのはちょっとした手間ですし、整理しながら作ることになるので時間がかかります。しかし、最初に手間を惜しまずシンボル管理をしておくと、作業効率が劇的に高まり、UIデザインには欠かせない一貫性も担保できます。

7. ビジネスとユーザー価値が何よりも大事
デザインを問題解決の手段と捉えるのであれば、誰に対して何を解決しなければならないかを考えなくてはいけません。デザイナーの視点で「見た目の問題を解決する」という考えには「ユーザーが抱える問題に対して」という部分が抜けているかもしれません。

ターゲットユーザーの課題解決や目的達成のためのデザインであるべきです。しかし、ユーザーがどんなことを考え、どのようか課題を抱えているか制作チームの間で共有されていない場合もあります。そんなときはUX評価を実施して見直す機会をもつと良いでしょう。

8. 自分は世界の中心にはいない
ビジネスという大きな視点から見ると、デザインは小さな部品でしかありません。デザイン思考のような言葉が注目されているとしても、デザイナーと同じ感覚でデザインを捉えているわけではありません。

話が理解されないときは、デザイナーの視点からデザインを語っている可能性があります。置かれている立場で重要と感じる点は変わります。自分だけがWebサイトやアプリを作っているわけではないことは忘れてはいけません。

9. 良いデザインも悪いプレゼンによって終わってしまう
良いデザインなら見ただけで分かるということはありません。人によって良い悪いの価値観は異なります。また、重要視している部分も異なります。ビジュアルで伝えられることは全体の20%くらいで、きちんとストーリーを伝えることができるプレゼン能力が必要だと筆者は述べています。

10. リリースされることが何よりも重要
細部まで拘った素晴らしいデザインをしても、実装が難しいものであれば、いつまでたってもリリースされないかもしれません。ちょっと見た目が悪くなっても、実装を意識した努力を注ぐべきでしょう。自分が考える理想とは違っていたとしても、実装までの工程を経験することで「次はこうしたほうが良いかも」という学びを得ることができるはずです。

壁紙を変えて気分転換

21 Wallpaper

素敵なデスクトップ・スマホ用壁紙がなかなか見つからないという方にオススメのサイトがこちら。7人のイラストレーターが描いた壁紙が紹介されているサイトです。他ではあまり見られない素敵な色彩と形状です。3ヶ月に1回、7人のイラストレーターが紹介されていて、次回は6月が予定されています。

部品から考えるUIデザイン

Mobbin – Latest Mobile Design Patterns

アプリデザインが見れるギャラリーサイトはたくさんありますが、Mobbinがユニークなところは、UIコンポーネントで絞り込んで探すことができるところ。ログイン画面、ナビゲーション、フィルターなど、UIコンポーネントでアプリを比較をすることができます。

日付・時間の UI といっても様々な表現があります

巨匠のドキュメンタリーがもうすぐ公開

Rams

「良いデザインの十ヶ条」やブラウン社のデザインなどで知られているディーター・ラムスのドキュメンタリー映画『ラムズ』が今年公開されます。監督は『ヘルベチカ ~世界を魅了する書体~』『Objectified』で知られる ゲーリー・ハストウイット氏。音楽をブライアン・イーノが手がけているという意味でも注目です。