連載/hueが直伝! “売れる“料理の撮り方、見せ方。#5 「冷た~い!」をうまく伝えるには? コールドドリンクの撮影法 #AdobeStock

【連載】 hueが直伝! 売れる料理の撮り方、見せ方

五感を刺激する美味しい表現――。そんな「シズル感のあるビジュアル」を撮り続けているクリエイティブ集団がhue(ヒュー)です。同社のフォトグラファーで、新人フォトグラファー育成も担当している近藤泰夫が、その撮影スキルを伝える連載。第5回目は、夏に向けて需要が上がる「冷た~いドリンク」の撮影法を伝授します。

■冷たさを感じる写真。AdobeStockにアップするなら、まさに今。

年間で最も暑くなる7~9月。この時期にメディアや店頭で多くの方の目に触れる「冷たくて美味しそうな飲料や食品」のビジュアル。それに向けて、「冷たくシズル感たっぷりの写真」を私たちは多く撮影しています。

Adobe Stockに写真をアップする時に、こうした“旬”にも目配せした写真をアップする事は、売れる可能性をアップさせるコツといえるでしょう。
ただ、夏に売れる食材や飲料を「冷たそうで、シズル感たっぷり」に撮影するのはなかなか難しいものです。そこで今回は、「夏の美味しさ」表現として挑戦しやすい、“コールドドリンク”の撮影方法をレクチャーしましょう。

■キンキンに冷えた…を撮るなら、色温度調整がポイント。

夏に飲みたいコールドドリンクの代表といえば、コーラ。そんな暑い夏に売れそうなコーラの写真を2枚、撮ってみました。

パターンA

©Copyright2018 hyemi cho/hueinc.All Rights Reserved.

パターンB

©Copyright2018 hyemi cho/hueinc.All Rights Reserved.

多くの方は、「B」と即答されるのではないでしょうか。
Aは「キンキンに冷えた」という表現にはフィットしませんよね。それに比べて、Bは「キンキンに冷えた」コーラの雰囲気があります。コーラを飲んだ瞬間の、あのシュワッという爽やかさすら感じさせます。

この差はなにか、といえば「色温度」です。

光には色があり、その尺度が「色温度」。
同じ太陽の日差しでも、夕日は赤みがかった暖色系で、曇りの日は寒色系になります。この色温度の単位は「ケルビン(K)」。電球色や日の出、夕日の色温度は、だいたい2000~3000ケルビンで、晴天の日中の色温度はだいたい5000~6500ケルビンくらいになります。
撮影時にアプリの色温度設定の数値(K)を高く設定すれば、暖色が強くなって、見た人に暖かさを感じさせる。逆に色温度設定の数値(K)が低くすれば、見た人に冷たさや涼しさを感じさせる効果があります。だから、右のほうが「冷たそう!」と感じてもらえる、というわけです。

夏場に飲みたくなるコーラのようなコールドドリンクを撮るときは、この色温度を意識しましょう。少しハイキー(露出オーバーぎみに明るく)に撮った写真をLigthroomなどのアプリで色温度を調整します。
目安は「500ケルビン」程度。やや青みを強くする事で、暑い夏に飲みたい爽やかな冷たさが表現できます。

■「夏っぽさ」を演出する、木漏れ日のつくり方。

さて、もう一度こちらのコーラの写真を見てください。

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この写真。実は、もうひとつ冷たさを伝えるのに効果的な演出を加えています。

それが「木漏れ日」です。

夏に木陰に入ると、ふっと涼しさを感じることがありますよね。そんな瞬間に飲む、コールドドリンクはまた美味しさもひとしお。木漏れ日によって生まれた影が、そうした「暑い夏に屋外で飲む、冷たいコーラの美味しさ」を喚起する演出となっているわけです。
「けれど、こんなちょうどいい木漏れ日はないよ…」という方も多いと思います。ご安心ください、上の写真は自然光(ロケ)で撮ったものではなく、スタジオで夏の木漏れ日をライティングで再現して撮影しました。

では、木漏れ日をどう作ったのか、

https://blog.adobe.com/media_14ecb0f322bca45cb84fcaffc28816ec6e867501.gif ©Copyright2018 hyemi cho/hueinc.All Rights Reserved.

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フェイクの植物です。
もちろん、本物の枝葉使ってもOK。それをライトの前にかざすだけで、狙いどおりの木漏れ日が簡単に出来てしまいます。加えて、光が単一でなく適度に光のムラが出来る事で、ステキなスチュエ―ションとなるわけです。
撮影時のひと工夫で、臨場感のある「夏の日差し」が室内でも再現出来るので、ぜひ試してみてください。

■カメラを構える前に、一つだけ、やってほしいこと。

夏は目前。今回お伝えしたテクニックを使って、コールドドリンクの撮影に挑戦してみよう! と考えられた方に、もう一つだけアドバイスを。

撮影前にあらためて「どんな写真が世の中にあるか」をリサーチする事をオススメします。WEBでの画像検索やAdobeStockの検索で「こんな写真を撮りたい!」と考えている被写体の写真をしっかりチェックしましょう。
真似することが目的ではありません。
「分析」です。検索した中から、自分が「良い」と思った画像を5点集めてみてください。集めた写真の一つ一つをしっかり観察、なぜ良いと思ったのか、をしっかり分析して書き出して整理するのです。そこで出た言葉は、「見た人の目に留まる大事な要素(ポイント)」というわけです。

この連載の1回目でのお話しましたが、むやみにカメラを構えても「売れる写真」は撮れません。撮影する前に「テーマを設定し、どんな人の心を動かす写真にしたいかを明確する」、その事と同じくらい重要な事が、この分析なのです。
SNSも含めると、世の中にはものすごい数の写真が溢れています。もちろん、あまり良くない写真もありますが、お手本となるような写真も多いはず。「素敵!」と思う要素を集約させた写真をヒントに、理想の写真を撮れたなら、「個性をしっかり反映した売れる写真」になるはずですよ。
※くれぐれも参考写真と同じ被写体を100%同じ構図で撮るのはやめましょう。写真には著作権がありますので、100%真似をして撮影すると著作権侵害にあたる事があります。

次回連載6回目は、ドリンクをさらに美しく、美味しく見せる、水滴の表現をお伝えします。プロならではのテクニックを掲載しますので、ご期待ください。

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参考写真撮影:趙慧美(hue inc.)