Adobe XDがエクスペリエンスデザインの進歩に今後どう貢献していくのか #AdobeXD

webサイト、モバイルアプリ、あるいはその他のUXデザインおよびプロトタイプ制作のためのアプリケーション、Adobe XDに関する重要な発表を行いましたが、今回のリリースに私はアドビに戻って本当によかったと思えるほどワクワクしています。(訳注:Behanceの創業者でもあるスコットは、いったんアドビを離れたのち2017年末にCreative Cloud担当エグゼクティブバイスプレジデント兼CPO(最高製品責任者)として復帰。)なぜならば、これは私たちが、UXデザイナーがプロジェクトを推し進めるために欠かせない、新しいインターフェイスの採用と幅広いコラボレーションの促進を支援するプラットフォームを構築していくという決意の表れだからです。

プロダクトを市場に投入する直前に、ギリギリのスケジュールでデザイン制作が行われていた時代は過ぎました。顧客のニーズを深く理解し、機能の限界を突破する能力を発揮することによって、いまやデザイナーはプロダクト開発プロジェクトをその中心でまとめる役割を担っています。インターフェイスは、市場におけるプロダクトの成功を左右するまでに進化し、結果としてデザイナーの重要性も増しました。私たちの日々の暮らしや仕事のほぼすべてがインターフェイスとデジタルエクスペリエンスに依存している現在、当然のことではないでしょうか。車のダッシュボードや病院の医療用モニターから私たちが日常使いするツール類まで、目的を持った行動であれ暇つぶしであれ、あらゆるエクスペリエンスはすべて、情熱を持ったデザイナーによる、私たちの暮らしをシンプルで豊かなものにするための飽くなき探求から生まれたものなのです。

現在Adobe XDの開発に取り組んでいる、素晴らしいデザイナーと開発チームは、この領域が可能性に満ちていることを認識しています。私たちが提供するクロスプラットフォームなスクリーンデザイン専用ツールは、皆さんが求める機能すべてはもとより、業界最高レベルのパフォーマンスとPhotoshopなど他ツールとの相互連携性も兼ね備えた、アドビならではのものでなければなりません。試しに数百あるいは数千のアートボードを含む巨大なスクリーンデザインファイルをAdobe XDで開き、そのパフォーマンスを体感してみてください。しかしこれでもまだ十分ではなく、エクスペリエンスデザインの生産性を高め、よりパワフルにするための、段階的な作業ステップを繋ぐワークフローの探求も欠かせません。デザインとプロトタイピングを統合し、ARをはじめとする新メディアへの対応能力を画期的な方法でデザイナーに提供することで、エクスペリエンスデザインの領域全体をかつてないレベルに引き上げることが私たちの究極の願いです。これは可能性の探索というよりも、私たちに課せられた責任であると考えています。

すべての人々にXDをお使いいただけるよう、今回私たちはAdobe XDの無償プランの提供を発表しました。このスタータープランによって、学生から熟達したデザイナーまで、さらにはプロダクトのアイデアを温めているクリエイティブな人々すべてにいたるまでが、トップデザイナーやマイクロソフトをはじめとする先進的なブランド企業の多くがwebサイトやモバイルアプリの制作に活用しているこのツールに無料でアクセスできるようになります。

今後のロードマップについても期待しています。本日の発表でも述べましたが、XDが業界最高のエクスペリエンスプラットフォームであり続けるために、私たちはこれまで毎月そうしてきたように、これからも新機能の追加と改良を継続していきます。

とはいえ、1つのツールだけでデザイナーの仕事が完結し得ないことも私たちは理解しています。XDと、Creative Cloudに含まれるすべての製品あるいは他社のデザインツールを相互連携させる拡張機能およびアドオンの開発が容易に行えるようにするつもりです。また、私たちのデザインコミュニティへの継続的投資の一環として、Creative Cloud上に相互連携のエコシステムを構築し促進するためのAdobe Fund for Design基金を設立し、総額1,000万ドル(約11億円)を投資または助成金というかたちで活用していきます。Adobe XDは、その対象となる最初のアプリケーションです。

UXデザイナーのためのツールを提供している企業は、アドビだけではもちろんありません。ですが、Adobe XDの開発のために集ったチームの能力、そしてこの領域の成長を加速させるというゴールを念頭においた、スピードとパフォーマンスへのコミットメント、エコシステムの構築、研究開発とテクノロジーへの巨大な投資、それらの総合力によって、必ずや成功を収めることができると私は信じています。

この場をお借りして、XDを皆さんの期待の上をゆくものとするために日々邁進しているチームに謝意を表したいと思います。XDのプロダクトマネージャーのアンドリュー ショーテン(Andrew Shorten)のTwitter(@ashorten)アカウントでも今回のアップデートについて彼の視点から語られていますので、フォローをお薦めします。また、アドビ社内のデザイナー、エンジニア、研究員からの貢献(そこにはThe New York TimesとEtsyでデザインディレクターを務めUXデザインコミュニティが一目置く存在のコイ ヴィン(Khoi Vinh)やインターフェイスアニメーションのデザインについて一冊の書籍を著したヴァル ヘッド(Val Head)といった業界リーダーからのものも含まれます)にも驚かされるばかりです。この上に表示されている、XDチームの紹介動画も併せてぜひご覧ください。

XDとともに歩んできたこれまでの道のりは私たちにとってエキサイティングなものでした。しかしゴールはまだ遠く、チームはさらなるイノベーションを生むために日々歩み続けています。今後さらに素晴らしいものを皆さんにお届けできることでしょう。

この記事は2018/5/15にポストされたAdvancing Experience Design with Adobe XDを抄訳したものです。