ビジュアルトレンド(静寂と孤独)をテーマにした motion graphics 無料テンプレートのご紹介 #AdobeStock

連載

Adobe Stock コントリビューターのご紹介

Adobe Stockのモーショングラフィックステンプレートは、巧みなデザインのグラフィックエレメントやタイトル、トランジションなどを取り揃え、Premiere Pro CC内で直接カスタマイズすることが可能です。本年最初の弊社ビジュアルトレンド、沈黙と孤独を特集するにあたり、私たちはEnchanted Studiosにテンプレートの制作を依頼しました。そこで今回は、Enchanted Studiosの創設者でありクリエイティブディレクターでもあるSimon Broughに、売れるモーショングラフィックステンプレートを作るうえでの背景やプロセスについて語っていただきました。

Adobe Stock: Enchanted Studiosについて、創設の経緯も含め、簡単にご紹介いただけますか?

**Simon:**私は、カレッジでデザインコミュニケーションとTV関連のグラフィックを学び、その後、地元のマーケティングや広告の企業で、紙媒体の広告やダイレクトメールのキャンペーンなど、主に印刷物のデザインを始めました。これはすべてデジタル革命以前のことです。13年以上、安定した雇用に就いていたのですが、2009年に英国の金融情勢が悪化し、職を失い、それを機にフリーランスになりました。以来、Enchanted Studiosという屋号で、印刷物のデザインやモーショングラフィックスのデザインを行っています。

Enchanted Studiosはモーショングラフィックスの会社で、基本的にアニメーションやビデオ制作を手掛けています。ほぼ自分ひとりでやっていますが、特定のスキルが必要なときに助けてもらう才能豊かなフリーランサーのグループを作っています。“Studios”と複数形にしたのは、ひとつの会社で、印刷物のデザインやモーショングラフィックス、ビデオ制作などのあらゆる側面に対応できることを表すためです。それから、ビデオリソースを提供する(無料のものも多数あります!)Enchanted Mediaというサイトや、ビデオ/アニメーションブログも運営しています。

<u>Enchanted Studios / Adobe Stock</u>

Adobe Stock:モーショングラフィックスの分野に進んだきっかけは何ですか?

**Simon:**80年代後半に、父のビデオ制作会社のために、Commodore社のAmiga用のアニメーションを制作していたんです。Amigaはアニメーションに最適な優れた家庭用コンピューターでしたね。当時は、動画にグラフィックを重ねるためのゲンロックボックス、Deluxe Paint 3、Fantavision、Pro Video Plusを使って、動くタイトルやアニメ化したロゴの制作ができました。Adobe After Effectsを知ったのは、2000年の初め頃に広告代理店で働いていたときです。

その後、徐々にクライアントが成長して予算も増えたため、テレビコマーシャルも手掛けるようになり、私は絵コンテのデザインコンセプトの提案を担当しました。モーショングラフィックスがキャリアの一番の目標でしたし、外注せずとも社内で自分がやれると思ったからです。

<u>Enchanted Studios</u> / Adobe Stock

Adobe Stock:モーショングラフィックステンプレートはビデオクリエーターにとってなぜ重要なのでしょうか?

**Simon:**厳しい予算(あるいはクライアント!)の制約の中、ピンチに陥ることは誰にでもあると思います。でも、そんなときにテンプレートがずらりと目の前に並んでいたら、制作時間は節約できます。即座に、かつ簡単にモーショングラフィックスをビデオに追加できるだけでなく、自分の編集スタイルに変化をつけるため、あるいは新鮮でワクワクするようなビデオ制作のベースとして、それらのモーションテクニックを活用することも可能です。それに、よく作られているテンプレートはインスピレーションを与えてくれます。

Adobe Stock:役立つモーショングラフィックステンプレートとは?また、そういうものを作るにはどうすればよいのでしょうか?

**Simon:テンプレートの使い勝手の良さというのは、制作時の思考過程、そして柔軟性で決まると言えるでしょう。ここが、テンプレート制作者として、直観力を身に付けなくてはならない部分です。利用者はどのくらいテキストを入力したくなるか?このエレメントの縮尺比を変える必要性が生じるだろうか?速度やデュレーションを変えなければならなくなったらどうする?などです。私の場合、映画やテレビ、本や雑誌で見たもの、それに、スクリーンショットを保存したフォルダーからヒントを得たアイディアやテクニックの蓄えがたっぷりあるので、制作の過程で、まずはそれらがインスピレーションの源となります。次に付箋づけ、レイアウトパッド、**Illustrator、そして最後にAfter Effectsの順で作業をしていきます。(前述の)ユーザビリティについて検討した結果に応じて、そのアイディアを没にするか、そのまま売れるテンプレート作りを目指すかが決まります。

<u>Enchanted Studios</u> / Adobe Stock

Adobe Stock: Adobe Stockでは「沈黙と孤独」、静けさや内省の重要性といったテーマを追っているのですが、あなたにとって「沈黙と孤独」はどのような意味を持っていますか?

**Simon:**子供が3人いるので沈黙と孤独は貴重です!最高の作品が、コラボレーションから生まれるのか、気を散らすものが全くない深い集中状態から生まれるのか、いまだによくわかりません。きっと、その両方でしょう。そこがポイントだと思います。家族や友人たちと過ごす時間と、自分自身を見つめて熟考する一人きりの時間との間で、バランスを取るようにすることですね。

Adobe Stock: 今回のビジュアルトレンドに合わせて特注のモーショングラフィックステンプレートを制作していただきましたが、そのプロセスを教えてください。

**Simon:**最初に「願い」や「希望的観測」といったキーワード、そして深い独創的な考えが浮かび、そこから雲や星のビジュアルにつながりました。雲や星は、どちらも物理的な外界の広がりと、心の奥に抱く感嘆の念を反映しているテーマです。たくさんあったスケッチやスクリーンショットを少しずつ絞り込み、スタイルの方向性が定まってから、コンセプトを発展させ、ユーザーが自分のコンテンツやアイディアを適用できる、使える作品を目指しました。

テキストがベースとなるグラフィックの場合、題材を基に、最適なフォントやイラストレーションのスタイル、アニメーションの種類を選ぶことが重要です。こうしたエレメントはエンドユーザーが手を加えることができませんから。最終的には、「沈黙と孤独」というテーマを土台に、クリエイティブ上の応用範囲に幅を持たせた、エレガントで、よく考えられたテンプレートのスタイルに仕上がったと思います。

Adobe Stockで「沈黙と孤独」を題材にしたEnchanted Studios制作によるタイトルローワーサードトランジションの無料ダウンロードをぜひご利用ください。

Adobe Stockでは、通常アセットと呼ばれる写真やイラストなどが毎月10枚利用いただける年間サブスクリプションが1ヵ月無料となるキャンペーンを引き続き継続中です。PhotoshopIllustratorなどいつものアプリから直接検索でき、高解像度画像への差し替えも一発でできるため、高い作業効率を実現できます。まだの方はこの機会にぜひお試しください。また、ビデオ素材の購入はクレジットパックがお勧めです。Adobe Stockについてさらに詳しく知りたい場合はこちらをご覧ください。

この記事は2018年2月6日に Adobe Stock Team により作成&公開されたContributor Spotlight: Enchanted Studiosの抄訳です。

*ヘッダーイメージ:<u>Enchanted Studios</u> / Adobe Stock