広報誌制作はここで学ぶ、はじめてのInDesign(2)InDesignを使うメリット

連載

広報誌制作はここで学ぶ、はじめてのInDesign

前回は広報誌制作を内製化し、誰もが制作できるようにするための概要について記述させていただきましたが、今回は広報誌制作にInDesignを使用することで得られる「メリット」について、ご紹介させていただきます。

ページ物を制作するには

ページを管理する[ページ]パネル

当たり前ですが、ある程度のページ数となる広報誌では、複数のページを効率良く作業する必要があります。そのため、InDesignをはじめとするレイアウトソフトには、ページをコントロールするための専用のパネルが用意されており、この[ページ]パネル上でページの管理やページに関する操作を行います。ページ物と呼ばれる印刷物を制作するのに欠かせないのがページをコントロールする機能なのです。なお、ページの追加や削除、移動のほか、マスターページもこのパネル上からコントロールします。

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InDesignの[ページ]パネル。ページに関する操作はここで行います。

共通するアイテムを管理するマスターページ

広報誌には、ノンブル(ページ番号)や柱(各ページの版面の外に入れる見出しの一種)といったアイテムが必要となります。これらのアイテムは同じ位置に、同じ体裁で作成する必要がありますが、InDesignにはマスターページという機能があり、マスターページ上にノンブルや柱を作成しておくだけで、すべてのページに自動的にノンブルや柱を生成することができます。修正が発生した場合でも、マスターページ上のアイテムを修正すればOKです。デザインが統一されたページを運用するために欠かせないのがマスターページです。

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図はマスターページの概念をあらわしたもの。通常、作業するページに、マスターページという別のページを重ねていると考えると分かりやすい。

書式の適用を素早く行うために

InDesignのスタイル機能

通常、テキストを配置、あるいは入力した後は、テキストに対してフォントやフォントサイズ、行送り等、目的に応じた書式を指定します。しかし、その都度、書式を設定していては手間がかかってしまいます。そこで、InDesignには繰り返しの作業を楽にする「段落スタイル」や「文字スタイル」という機能が用意されています。書式をスタイルとして登録しておくことで、ワンクリックするだけでその書式が適用できます。広報誌においても、よく使用する書式をスタイルとして登録しておくことで、作業に慣れていない人でも間違いのない書式の適用が可能になります。

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「見出し」「本文」「キャプション」等、よく使用する書式をスタイルとして登録しておけば、ワンクリックするだけで目的の書式を適用できる。繰り返しの作業を楽にし、手作業によるミスを減らすことができるのがInDesignのスタイル機能です。

なお、InDesignには段落スタイルや文字スタイル以外にも、正規表現スタイルや先頭文字スタイル、オブジェクトスタイル、表スタイル、セルスタイル等、じつに多くのスタイル機能が用意されています。これらのスタイル機能を使いこなしたフォーマットを作成し、ルール化しておくことで、InDesignの操作に慣れていない人でもある程度のレベルの作業が可能となります。

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クライアントの要望に応じて、新聞組版用に筆者が作成したさまざまなスタイルの例。目的のテキストを選択してワンクリックするだけで、さまざまな設定が完了するように作ってある。一般的にはここまで多くのスタイル数は必要ないと思うが、どういった時にどのスタイルを適用するかをルール化しておけば、誰が作業してもある程度の品質を保つことができる。

2つあるテキストフレーム

ちなみに、InDesignを使い始めた時に戸惑いやすいのが、テキストの入れ物となるテキストフレームが2種類あることです。升目(グリッド)が表示されている「フレームグリッド」と、升目の表示されていない「プレーンテキストフレーム」です。どちらもテキストを入力・配置するためのテキストの入れ物ですが、それぞれ動作が異なります。慣れないうちは、この2つのテキストフレームの使い分けに戸惑うかもしれませんが、それぞれの性質を理解すればテキストをコントロールしやすくなります。ここでは詳しい解説は省きますので、詳細を知りたい方は、ぜひ以下の記事をご覧下さい。
こんなときはイラレよりInDesignが断然便利 ─2つの作成方法&2つのテキストフレーム編─

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テキストの入れ物となるプレーンテキストフレーム(左)とフレームグリッド(右)

高度な表作成機能が搭載

広報誌では、表を作成するシーンも多いはずです。InDesignには、表を作成するための専用の機能が用意されており、美しい表が作成できます。また、Excelで作成したデータをInDesignの表として取り込むことができるのも大きなポイントです。元データはExcelで作成し、それをInDesignに取り込んで書式(見栄え)を整えればOKです。

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InDesignでは、Excelの表をどのように読み込むかの詳細なコントロールも可能。

また、InDesignは高度な表作成機能を持っており、以下のような表も作成可能です。

こちらも詳細は、以下の記事をご覧下さい。
こんなときはイラレよりInDesignが断然便利 ─表組み編─

画像のコントロール

複数画像の配置

InDesignは、たくさんある画像をコントロールするのにも長けています。一度に複数の画像を配置できるため、作業時間の短縮に繋がります。InDesignドキュメントに複数の画像を配置しようとすると、マウスポインタが画像を持っていることをあらわすアイコンに変化し、配置可能な画像の数が表示されます。あとは、画像を配置したい場所でクリック(あるいはドラッグ)すれば、次々と画像を配置していくことができます。次にどの画像を配置するかを変更することもでき、複数の画像を一気に同じサイズで配置するなんてことも可能です。実際に試してみていただけば分かりますが、とても快適に画像を配置できます。

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複数の画像を配置しようとすると、マウスポインタには次に配置する画像のサムネールと配置可能な画像の数が表示される。

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InDesignでは、複数の画像を同じサイズで一気に配置することも可能。

画像サイズの調整

画像のサイズも自由にコントロールできます。InDesignでは、グラフィックフレームと呼ばれる入れ物の中に画像を配置します。「グラフィックフレームと呼ばれる額縁の中に写真を入れる」と考えると分かりやすいかもしれません。画像のサイズ調整は、額縁となるグラフィックフレームのサイズ調整と、中の画像自体のサイズ調整を、それぞれ別々にコントロールできます。さらに、画像をワンクリックでグラフィックフレームに合うサイズに調整するボタンも用意されています。もちろん、長方形だけじゃなく、丸や三角など、好きな形で写真を配置できるので、用途に応じていろいろと試してみてください。

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[コントロール]パネルに表示されるボタンをクリックするだけで、複数の画像を一気にグラフィックフレームにフィットさせることができる。

なお、画像のコントロールに関する詳細は、以下の記事をご覧下さい。
こんなときはイラレよりInDesignが断然便利 ─画像配置&縦中横&ルビ編─

CCライブラリで管理する

広報誌では、画像をはじめ、さまざまなデザインパーツを使用することと思います。その号だけでしか使用しない画像は、これまどおりの管理で良いと思いますが、毎号使用するロゴや地紋といったパーツは、CCライブラリで管理すると便利です。CCライブラリとは、Adobe Creative Cloudメンバーが使用することのできる機能で、InDesignだけでなく、IllustratorやPhotoshopなど、各Adobe製品から利用できます。
例えば、Illustratorで作成したパーツをIllustratorの[ライブラリ]パネルに登録すると、すぐにInDesignの[CCライブラリ]パネルから使用できるというものです。ライブラリの中身は各Adobe製品で同期され、Adobeから割り当てられたファイルストレージに自動的に保存されるため、素材(これをアセットと呼びます)の管理も簡単です。また、ライブラリは共有できるため、広報誌を制作するメンバー全員で共有しておけば、誰かが保存した素材は、他のメンバーも同じように利用できます。いちいち、ファイルのやり取りをしなくて済むため、スムーズな運用が可能になります。

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[ライブラリ]パネル上に目的の素材をドラッグするだけで、簡単にライブラリに保存できます。なお、保存された素材を使用したい場合は、その素材をドキュメント上にドラッグするだけです。

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ライブラリの共有もパネルメニューから[フォルダー共有]を選択し、共有する人にメッセージ送るだけと、とても簡単です。

フォーマットを提供します!

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sample C

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sample D

これらは、InDesignで作成したお知らせページを想定したサンプル(雛形)です。2つのパターンで作成しましたが、あくまでも土台としてのサンプルファイルですので、季節に応じたカラーを適用したり、魅力的な写真をふんだんに使用したり、ワンポイントでイラストを挿入する等して、素敵なページに仕上げてください。次号では、InDesignを使いこなすとどのようなことができるのかをご紹介します。

以下のURLからダウンロードできます(ダウンロードファイルの画像は削除し、グレーで表示してありますのでご了承ください)。

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サンプルファイルCをダウンロード

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サンプルファイルDをダウンロード