製薬品の返品承認を2ヶ月から3日に短縮!バイオ医薬業界の標準に対応したAdobe Signが、生産性と法的有効性を両立させる理由 #AdobeSign
クラウドベースの電子サインソリューション「Adobe Sign」特集
病院、薬局、ドラッグストアなどに置いてある医薬品。実際にこれらの医薬品を製造する製薬企業は、行政に対して、品目ごとの品質、有効性、安全性に関する承認審査の申請を行う必要があります。
この複雑な承認審査の申請業務にあたり、製薬会社向けに文書作成の電子化をサポートするプラネットファーマソリューションズ株式会社は、2018年6月1日(金)に「PharmaDocユーザー会」を開催しました。今回で第8回目となる本イベントにおいて、アドビ デジタルメディア・エンタープライズ・ビジネスデベロップメントマネジャーの昇塚淑子は、「規制遵守と効率化の両立。アドビのドキュメントプラットフォームによる新しい働き方」をテーマに講演を行いました。
紙での処理に翻弄される日本企業。紙と手作業のプロセスを100%電子化し、組織の生産性向上を図る
講演ではまず、国内企業のドキュメントプロセスの約80%が、紙の書類に依存しているというIDCの調査を紹介。また、紙での業務処理における影響度合いを3つの角度から分析した別のIDCの調査を紹介し、これに対して昇塚は「紙と手作業のプロセスを100%電子化することで、業務の効率化と組織全体の生産性の改善を図ることが急務である」と話します。
一方、企業全体としてドキュメントワークフローの電子化が進まない理由として、昇塚は「証跡・記録が目的の書類は改ざん防止の目的から紙での保管が常識となっていることが一因」と説明。特に医薬品は人の命に関わるため、有事が起こった際に、その製品が正しく開発・製造されたかを証跡として残す必要があり、それがバイオ医薬品業界における業務での膨大な紙の書類業務を生んでいると分析しています。
証拠性を求められる書類のプロセスを電子化する際に、単なる利便性の向上や処理の高速化という観点だけではなく、それと並行して、処理されたドキュメントの法的有効性や、処理そのものが法令に則っていることが重要であると昇塚は強調します。
バイオ医薬品業界の規格に標準対応。一般的な文書から業種特化の文書まで広範囲なドキュメントプロセスを単一のプラットフォームで管理可能に
標準のAdobe Signでは、電子メールアドレスと追加オプションとしてパスワードやOTPを使った2要素認証で利用者を認証します。一方、米国バイオ・製薬業界における電子署名・電子記録に関する規約である「21 CFR Part 11」では、より強固な利用者認証が求められており、署名時に本人だけが知りえる資格情報をもって認証されることが必須です。このため、これまでAdobe Signで「21 CFR Part 11」に対応する場合は、認証局発行のデジタルIDを用いた電子署名を適用することを推奨してきました。
その後、2018年3月にAdobe Signは新たに「バイオ医薬業界標準対応」機能を提供し、「21 CFR Part 11」に標準で対応できるようになりました。これにより、GxP(Good x Practice:製造・管理・保管・流通段階における製品の安全性と確実性を確保することを目的に策定された、品質ガイドライン・規制である適性基準)ドキュメントの処理に対して、電子サインの適用が可能となりました。
今回、昇塚は「症例報告書の署名依頼から署名完了までの流れを再現する」というシナリオをもとに、「バイオ医薬業界標準対応」機能を利用したGxPドキュメントへの署名処理をデモンストレーションしました。
標準設定であれば、署名依頼の通知メールに記載された文書へのリンクをクリックするだけで、ブラウザで文書が開き署名作業へ進むことができますが、「バイオ医薬業界標準対応」機能を有効化した場合、文書を開く際と署名を行う際のそれぞれに2要素目の認証が求められます。さらに、ログデータには2要素認証が実行されたことが記載されます。
また、「21 CFR Part 11」では「署名の理由」の明記が必須となっており、「バイオ医薬業界標準対応」機能でも対応しています。このように、Adobe Signは「シンプルな使いやすさ」はそのままに、「21 CFR Part 11」で求められる「強固な認証」を実現しています。
なぜアドビが選ばれるのか。GxPドキュメント処理をAdobe Signで行うメリットとは
GxPドキュメントなど業界独自の規格や法令への対応が求められる文書の場合、一般的に高額な専用システムの導入が検討される。しかし、このような専門的な領域にもAdobe Signの適用が可能です。
「専門性の高い文書処理にAdobe Signのような汎用的なサービスを適用することで単にシステムコストの低減を図るだけでなく、専門性の高い文書から日常業務での文書まで幅広い文書処理を単一プラットフォーム上で統一されたインターフェイスで処理することが可能となる」と昇塚は話します。
証跡として残すことが目的の文書処理の場合、将来にわたり確実にその文書を作成された時点と同じ書式で閲覧できる見読性が求められ、PDFはそのような文書のためのデファクトフォーマットともいえます。同時にAdobe Acrobatは全世界のPCの98%以上に導入されており、世界標準PDFに基づく高い信頼性のもとに実現されるサービスであることがAdobe Signの大きな強みの1つといえます。
汎用的なドキュメント処理からGxPドキュメントまで広範囲な文書処理を単一プラットフォームで効率化するAdobe Sign。企業の競争力向上や優れた顧客体験の提供に向けて、まず「紙での作業におけるデジタル化」に取り組んでみてはいかがでしょうか。