Creative Cloudユーザーに朗報!600以上の #Monotype フォントがあらたに追加されました。
Adobe Creative Cloud有償メンバー(フォトグラフィープランを除く)であれば追加料金なしでフォントをダウンロードしてご利用いただけるサービス「Typekit」に、新たにMonotype社から41のフォントファミリー、665のフォントが追加されました。
このたび提供するフォントの多くは、20世紀初頭にデザインされ、それ以降数多くの書体デザインに影響を与え続けてきた名作です。また、これらのフォント自体にも、長年にわたってデジタル組版のための最適化がされてきました。アドビは、Creative Cloudのユーザーにこれらのフォントをお届けできることをとてもうれしく思っています。今回追加された、いくつかのフォントを紹介いたします。
ITC Benguiat
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Netflixの大人気ドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』でおなじみのフォントです。80年代の書籍の表紙に多用された古典的名作で、現在でも看板などに使われているのを目にすることも多いかもしれません。デザインしたのはエド ベンギアット(Ed Benguiat)。組版をとくにいじらなくとも、独特の佇まいがあります。あえてタイポグラフィックな変更を加えたい場合には、バリエーションを使ってイメージにあった書体を選べます。
ITC Avant Garde Gothic
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ITC Benguiatと同じく、こちらのフォントにもエド ベンギアットがかかわっています。もともとハーブ ルバーリン(Herb Lubalin)とトム カーネイズ(Tom Carnase)が1970年代のアヴァンギャルドマガジンの表紙のためにデザインしたフォントをベンギアットが拡張したもので、緻密に計算された豊富な合字を含むことにより非常に柔軟性が高く、表情が豊かなものとなっています。
Gill Sans Nova
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ロンドンの地下鉄での表示(”Mind the Gap!”「白線の内側にお下がりください。」など)に用いられているフォントに着想を得たGill Sansは「ミッドセンチュリー的鉄道ロマン」を求めるデザイナーにうってつけなのはもちろん、そのほかの用途にも力を発揮する万能選手です。エリック ギル(Eric Gill)によるオリジナルデザインから数十年、他のデザイナーによって文字セットは拡張され、コンデンス体をはじめいくつかの興味深いシェーディングやアウトライン処理をともなうバリエーションも追加された、包括的なフォント体系へと発展しました。
Plantin
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Plantinは先ごろ生誕100周年を迎えたフォントですが、いまだ色褪せることはありません。あのTimes New Romanもこのフォントに着想を得てデザインされたのです。その名前は16世紀の出版業者クリストフ プランタン(Christophe Plantin)から取ったもので、オリジナルは1913年に金属活字組版のためにデザインされました。今回提供されるのは、この古典的なフォントのデジタルバージョンです。
Rockwell Nova
https://blog.adobe.com/media_1f0ad95a6bf9bf0fe2dedec79271347f4b53c353.gifFuturaのような幾何学的なサンセリフ書体にセリフを加えたらどうなるでしょうか? 1934年当時にMonotypeの書体デザイナーが出した答えがRockwellです。数十年にわたり、タイトル用フォントやブランディング用途として人気のあるフォントで、格調高く均整の取れた本文や、力強く威厳ある見出し文に用いられます。とくに狭いスペースにコンデンス体を使う場合など、ほぼすべてのシチュエーションにうまく適合します。
Sabon
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Sabonは現代のタイプデザイナーにとっては奇妙に感じられるであろう、数々の制約をクリアするようデザインされました。
- モノタイプとライノタイプのどちらの活字鋳造機を用いた場合でも、活字を手で組んで活版印刷機で印刷した場合でも、同じように機能すること(これらの機械はいまや目にすることも稀です)
- カーニングなし(個々の文字がとる空間はすべてその活字の内部に持ち、隣接する文字を一切侵害しない)
- イタリック体とボールド体は追加の幅をとらない
- Garamond書体のような見た目
私たちにとって幸運なことに、ヤン チヒョルト(Jan Tschichold)がこれらの課題に取り組みました。その成果であるこの書体は1967年にリリースされ、とくに書籍の組版用途において非常な人気を集めることとなります。
Trade Gothic Next
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Trade Gothicのようなフォントはどんなデザイナーにとっても有用なものです。明快な見出しフォントあるいは情報デザイン用のフォントとしても頼りになる存在です。レギュラーの書体だと少し角張りすぎていると感じられるときのために、Soft Roundedファミリーも用意されています。
ここでご紹介したフォントはすべてCreative Cloudのサブスクリプションのサービスに含まれています。ぜひ、あらたに追加されたフォントを使って、みなさんのデザイン制作にお役立てください。
この記事は2018/8/8にポストされたOver 600 Monotype fonts added to Creative Cloud subscriptionsを抄訳したものです。
Typekitの使い方やフォントの同期方法については、チュートリアルをご参照ください。
Typekitチュートリアル「タイトル、ロゴ、キャッチなど様々なシーンで 使える!フォントサービスTypekitの紹介」