Goto Aki が教える、売れる風景写真を撮る基本 #2 – 「時間」の重要性 #AdobeStock

連載

Goto Aki が教える、売れる風景写真を撮る基本

世界一周から日本全国の旅へと風景撮影の旅を続ける写真家・GOTO AKI。現在は日本の風景をモチーフに地球的な時間の流れをテーマとした作品を写真集や個展で発表しています。写真教室や大学での授業など、より多くの方々に写真の魅力を伝えるための活動にも力を入れています。

このブログでは、「ストックフォトとして売れる風景写真とは何か?」をテーマに、みなさんがAdobe Stock用の素材撮影に役立つような考え方と基礎的な知識を作品例とともにお伝えしていきたいと思います。

みなさん、こんにちは。前回のブログでは、ストックフォトにおける風景写真と良い写真を撮るためのポイントの一つ目として、基本的な光の話をお伝えしました。**今回は「時間」の話を取り上げます。**早速始めましょう。

1. 時間を意識しよう

みなさんが訪れる絶景地、撮影ポイントで、被写体である風景へカメラとレンズを向ける時、具体的に何をみているでしょうか?「綺麗、美しい」と漠然と風景全体を眺めているだけですか?

前回の光の話と同様に、場所だけを意識すると、綺麗な写真は撮れるかもしれませんが、過去に誰かが発表したような既視感のある作品になりやすく、ストックフォトにおいても、差別化ができないため販売へと繋がらないケースが多いようです。

ここでは、風景の細部に注目してみたいと思います。

そこにはどのような「動き」があり、どんな「速さ」で動いているのでしょうか?

寄せては返す波、渓谷の水流、静かに流れ落ちる滝・・・湖なら水面はどうでしょう?風でさざなみ立っている箇所もあれば、風のないいわゆる凪の状態で鏡面のようになっている箇所もあるでしょう。そこにスパイスとして光が加わり夕焼けの色彩が映えているかもしれません。空に浮かぶ雲はどうでしょうか。風そのものは見えませんが、雲が風の動きを教えてくれますね。

火口湖の上空で雲が多方向に流れる様子に注目した一枚。


https://blogs.adobe.com/creativestation/files/2018/08/anew-1.jpg

©︎Copyright2018 GOTO AKI All Rights Reserved.

観察することで気づいたこれらの風景の「細部」は、みなさんが感動したポイントです。これを写真に表現することを意識しましょう。風景の動きは「シャッター速度」という「時間」をコントロールすることで、ユーザーの心に訴えやすい、印象的な作品へと繋がっていきます

2. 実際に撮ってみよう

ここでは具体的な撮影方法を簡単にご説明します。

みなさんのカメラで「時間」をコントロールするのは「シャッター速度」です。まずはカメラの撮影モードを「シャッター速度優先」で撮影してみましょう。

みなさんの目安となるようにシャッター速度を3つに分類してみたいと思います。

この中でより印象的な写真になりやすいのが、高速シャッターとスローシャッターです。

細かな自然の動きをはっきりと描写したいときは高速シャッターで、逆に、自然の動きをやわらかく幻想的に描写したいときはスローシャッターで撮るといいでしょう。

高速シャッターで撮影

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スローシャッターで撮影

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いずれにしても肉眼で見るときとは異なる、写真ならではの自然の時間と表情が写すことができるので、注目を集めやすい写真になります。

* スローシャッター撮影の注意点

お使いのカメラにもよりますが、30秒を超えるスローシャッター撮影は「バルブモード<B>」で撮影しましょう。

3. おススメの機材

スローシャッター撮影では、ぶれと振動対策が重要になってきますので、下記のような機材が役に立ちます。

三脚

三脚選びのポイントは、お使いのカメラとレンズの重量を超える耐荷重の三脚と雲台を使いましょう。耐荷重はカタログなどに記載されています。


https://blogs.adobe.com/creativestation/files/2018/08/01.jpg

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ケーブルレリーズ

カメラのシャッターを手で押すとぶれる原因になりますので、ケーブルレリーズ、もしくはタイマーを使いましょう。

特にケーブルレリーズはバルブモード撮影の時間などを細かく設定できるので便利です。私の場合は慎重に慎重を重ねてタイマーとレリーズを併用しています。

さらに、一眼レフカメラのミラーショックもぶれの一因となりますので、背面液晶モニターの映像をみながら、もしくはミラーアップの設定で撮影すると振動対策はばっちりです。

ぶれと振動対策をしっかりすれば、作品の細部までがクリアに描写されて、ストックフォトのユーザーが作品を大きく使う場合など、大きなアドバンテージになります。


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NDフィルター

初めての方にとっては馴染みの薄いフィルターかもしれません。NDフィルターは、レンズの前につけて光が入るのを減らす役割があるフィルターです。夏場などの光量が強い季節に、カメラに届く光を少なくして、シャッタースピードを遅くすることができます。

NDフィルターなし

©︎Copyright2018 GOTO AKI All Rights Reserved.

NDフィルターあり

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NDフィルターは種類が豊富にありますので、目的に応じて選ぶといいでしょう。ご参考までに、私が使っているのが約10段分の光量を減らすND1000というフィルターと3段分の光量を減らすND8というフィルターです。

スローシャッターではこれらの機材を使って、シャッター速度の異なる表現にトライすることで、見たままの風景とは異なる作品を目指しましょう。

連載第二回目の記事はいかがでしたでしょうか。今回のポイントはカメラのシャッタースピードのコントロールと被写体の動きと時間を意識してより質の高い写真を撮ろうというお話でした。第一回の「光」、第二回の「時間」に加えて、**次回は「色」の話を軸にお伝えしたいと思います。**どうぞお楽しみに。

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