Premiere Pro CC の新機能:クリエイティブな編集のための、よりスピーディなワークフローを提供 #PremierePro #IBC2018

Adobe Premiere Pro は、作業を迅速化し、映画、テレビ、ビデオ向けの最高クラスのコンテンツ制作を可能とするクリエイティブな編集環境を提供します。Premiere Pro 12.1.2で提供されたハードウェアアクセラレーションを基に、次のリリースでは、パフォーマンス向上、モーショングラフィックスのワークフロー効率化、セレクティブカラーグレーディング、インテリジェントオーディオクリーンアップならびにエンドツーエンドの180度VR動画制作など、多数の新機能や性能向上を提供します。

Premiere Pro の次期リリースは、今秋提供を開始します。まず、この動画をご覧ください。

モーショングラフィックスのワークフロー向上

モーショングラフィックステンプレートを開くと、ワークフローの全体が実に速く、スムーズに動き、かつ洗練されたものになったことに気付かれるでしょう。After Effects に新たに追加されるオーサリングツールにより、クリエイターは、グループごとにまとめられたカスタマイズ用のパラメーターを用いて、モーショングラフィックステンプレートを作成できます。このグループそれぞれがドロップダウンメニューとなっており、作業に応じてディテールを表示したり隠したりすることができます。テンプレートをすっきりと整理できるだけでなく、編集作業の順序を整理することが可能になります。

既存のモーショングラフィックステンプレートは、これらの整理ツールやその他の新機能を使って再オーサリングできます。

また、新たなフォントコントロールにより、書体やサイズ、さらに「すべて大文字」といったテキストスタイルも変更できるため、さらに柔軟なタイポグラフィー表現が可能です。


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レスポンシブデザイン — 時間を使用すれば、イントロ、アウトロ、あるいはブランド要素などテンプレートの保護された箇所は変更することなく、Premiere Pro 上で簡単にモーショングラフィックステンプレートの長さを変更できます。

データ駆動型のインフォグラフィック: Premiere Pro のデータ駆動型のインフォグラフィック作成機能を使って、数字をストーリーに変えることができます。スプレッドシートのファイルをモーショングラフィックステンプレートにドラッグ & ドロップすることにより、ビデオプロジェクト内でグラフ化することができます。手作業でデータと格闘する必要はありません。スプレッドシートを更新すれば、自動的にインフォグラフィックに反映されます。

モーショングラフィックステンプレートを使えば、洗練されたモーショングラフィックスが導入でき、さらに Premiere Pro でカスタマイズすることも簡単に行えます。高度な MOGRT(.mogrtというファイル形式からこのように呼ばれます)は、通常After Effects で作成しますが、Premiere Pro でも基本的なテンプレートを作成、保存できます。Adobe Stock に掲載された新しいデザインを、エッセンシャルグラフィックスパネルから直接検索することも可能です。


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新しい、セレクティブカラーグレーディングツール

ますます多くの Premiere Pro のユーザーが、Lumetri カラーのツールを使うことを選び、カラー調整を編集ワークフローに取り入れています。次期リリースでは Lumetri のパフォーマンスがいっそう高速化し、複数の調整レイヤーを扱う作業がさらに容易になります。

私たちは、新機能のセレクティブカラーグレーディングを、カーブによるカラー調整ツール誕生以来、おそらく初めてと言ってよい有意義な進歩だと考えています。Lumetri カラーパネル上の、色相と彩度を調整するドーナツ状のツールの代わりに、精密な調整を行うための対となる値がつけられた 5 つのツールが新たに搭載されます。


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ホイール状に表示されていたカラーは平らに配置され、それぞれのツールの下にスクロールバーがあります。四角いカーブボックスの隅で調整に手こずることは、もうありません。これからは、カラースペクトルのどの部分でも、作業する際に中心に配置することができます。

新ツールは、色相対彩度(上述のドーナツ状ツールからの変更)、色相対色相色相対輝度輝度対彩度彩度対彩度の5種類です。一見、複雑そうですが、実際は簡単です。カーブ上でポイントをドラッグすると縦線が表示され、その時点での状態と、どの程度まで調整できるかがわかります。

セレクティブカラーグレーディングを、主題に注意を引きつけたり、気を散らす要素を目立たなくしたりするために使用しましょう。セレクティブカラーグレーディングは、勘に頼ったカーブ調整を減らし、特定の色の範囲を強調または抑えたり、背景との分離を明確にし、類似色間のコントラストを高めることが簡単に行え、意図するままに映像の全体的なバランスを取ることができます。

ディスプレイカラーマネジメント

ディスプレイカラーマネジメントは、rec709、P3 および rec2020 の色域のディスプレイを自動的に検知し、最適な色空間を適用します。サードパーティのキャリブレーションソリューションを使用していない限り、広色域(WCG: Wide Color Gamut)のディスプレイを備えた MacBook Pro、iMac Pro、Windows Pro搭載機などの最新のコンピュータではこの機能を使用することをお勧めします。

ディスプレイカラーマネジメントを有効にするには、[環境設定]から[一般]を選択し、[ディスプレイカラーマネジメントを有効にする]にチェックを入れてください。なお、この機能を使用するには GPU アクセラレーションが必要です。

インテリジェントなオーディオクリーンアップ

毎回、完璧なオーディオを録音できるのは、ほんの一握りのユーザーです。通常は、録音したものを可能な限り上手に修正しなければなりません。新機能であるインテリジェントなオーディオクリーンアップの各種ツールは、こうした作業を非常に簡単にします。


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エッセンシャルサウンドパネル上に新たに追加されたリバーブを低減と、完全に刷新されたノイズを軽減のスライダーを用いて、バックグラウンドノイズとリバーブを抑えることができます。適応アルゴリズムにより、オーディオクリップの特性に基づいてリアルタイムで調整が適用されるため、時間をかけずに最高の結果を得ることができます。

VR 180 のためのエンドツーエンドの各種ワークフロー

VR 180 は、イマーシブ動画によるストーリーテリングを始める際のハードルを下げます。Premiere Pro が新たにVR 180に対応し、取り込みの最適化、編集、エフェクトにくわえ、YouTube などのプラットフォーム上で視聴できる Google VR 180 フォーマットでの書き出し機能を実現しました。


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既存のイマーシブ 360 度 VR 対応と同様、単眼立体視と双眼立体視の両方のコンテンツの作業も行えます。VR 180 の素材を正距円筒図法形式の平面画像で画面表示したり、球面収差が補正された VR をマウス操作でこれも画面に表示したり、または強化された Adobe イマーシブ環境内で、VR ヘッドセットを使用して確認することが可能です。


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新しい空間マーカーを使用すれば、Adobe イマーシブ環境内で、180度および 360度の映像を、さらに効率的に校正することができます。ヘッドセット着用時に、メディアに空間マーカーをつければ、デスクトップのタイムラインに戻った際に参照することができます。

Adobe イマーシブ環境内のシアターモードは、イマーシブ環境内でポータブルなリファレンスモニターを使うことができます。これはバーチャルな試写室とも呼べるもので、2D映像、VR映像、または両方を組み合わせたものについて、ディレクターやプロデューサーとのコラボレーションが行えます。

パフォーマンス向上と各種フォーマットへの対応

H264 と HEVC のハードウェアに基づくエンコード、デコードのパフォーマンスが向上し、レンダリングもさらに高速になります。画像処理の向上により、レスポンシブな再生、レンダリングおよび Lumetri カラーのパフォーマンスも向上します。

対応フォーマットでは、ARRI Alexa LF(LF: ラージフォーマット)、Sony Venice v2、およびiPhone 8 と iPhone X に採用されている画像フォーマットの HEIF (HEIC) に新たにネイティブ対応しました。また、QuickTime 32 形式のファイルの視認性が高まり、プロジェクト内のレガシーメディアを特定しやすくなります。

さらに・・・

次期リリースは、タイムコードのショートカット入力、オーストラリアのクローズドキャプション規格のサポート、キーボードショートカットにおける言語対応なども実現しています。

提供開始時期

アドビのビデオおよびオーディオツールの次期リリースは、今秋、提供開始し、いずれも Creative Cloudのメンバーシップに含まれます。提供開始時には、さらに詳しい情報を記載したリリースノートを投稿予定です。

参考リンク

この記事は2018/9/12にポストされたCreative Editorial with Faster Workflowsを抄訳したものです。