トータル 10 分で完結! ゼロから作るおしゃれなカフェ写真 #AdobeStock

連載

CURBONと考える、「共感」を呼ぶ作品の作り方

ソーシャルで人気のテーマを踏まえつつ撮影のテクニックを学んで、Adobe Stockでベストセラー作品を目指してみませんか?このブログでは、Curbonがおススメするアーティストさんから、素敵な作品を撮る方法を教えていただきます。Instagramなどのソーシャルで広く活躍されている方のテクニックを学んで、売り上げアップを目指しましょう。

今回のテーマは、素敵なカフェの空気感が伝わるイメージフォトです。Adobe Stockでも人気のテーマですが、凝ったインテリアがなくても大丈夫!ちょっとした工夫で素敵なカフェ写真が撮れる方法をNanaさんにご紹介いただきます。まずは1分で学べる動画をご覧ください。

1. スタイリングで作るカフェのワンシーン

カフェ写真を撮るのに必要なのは僅かなスペースとセットだけ。そのスペースにちょっとした工夫を加えることで、本物のカフェのように見せることができます。ここで登場するのが、「プロップ(小物)」。今回はコンクリート調の壁紙に黒板柄の壁紙を重ねて、トレンドであるタイル柄のクッションフロアをカウンタートップに見立てました。

黒板柄の壁紙は上部だけ壁に貼り付けて、下は固定せずに浮かせることで影を作り立体感を出しています。黒板は一部を写すことで、よりリアルに見せることができます。

ただし、プロップは多すぎると配置の難易度が高くなります。また、雑然としていると何を伝えたいのかがわかりづらくなるため、結果として印象に残らない作品になるので注意しましょう。

更に、余計なところに視線が行かないように、**ロゴの入ったものは避けるか、見えないように撮る、または、Photoshopなどで修正しましょう。**これはAdobe Stockで販売するためにも、必要なポイントです。

2. 本物に見せる「光の使い方」と「ボケ具合」

更に、作ったセットを本物らしく見せるためには、光とボケ具合がキーポイントです。今回は、左サイドからの自然光で撮影しています。そのサイド光によって2 種の壁紙の色とディテールを表現します。

また、三脚を使い、カメラのライブビュー画面をキャンバスに見立てて、そこに絵を描くようにプロップを配置してスタイリングします

目の前にある3Dの情景 を 2D(写真)に置き換えると、頭の中でイメージしたものと 実際に撮影されたものの間にズレが生じることがありますが、 ライブビューを使えば、スタイリングの時点で 2Dに置き換えられるので、位置の調整がしやすく、構図も決めやすくなります。

ピントはドリップスタンドの金具の中央に合わせ、マグ、コーヒーサーバー、パンにもピントが合うように、それぞれを配します。 複数のものにピントを合わせることでカフェらしい要素が伝わりやすくなります。その後ろに少し距離を取ってミルクピッチャーを置きます。これにより手前の被写体との距離感が伝わり、奥行きが生まれます

こちらは、奥行き感があまりわからない失敗例です。このように、手前の被写体と壁紙だけの場合、壁紙以外にボケる要素がないので奥行き感がありません。

©︎Copyright2018 nana/Curbon All Rights Reserved.

こちらは、成功例です。手前の被写体と壁紙の間にミルクピッチャーを置いて、これをぼかすことで奥行きを出しています。

©︎Copyright2018 nana/Curbon All Rights Reserved.

絞りは背景が程よくボケる程度に絞りましょう。今回の写真の場合は、特に黒板の壁紙のボケ具合で、リアルさが決まります。絞り値は F2~F2.8 を目安にし、カメラのライブビュー画面を確認しながら、背景がリアルに見えると感じる F 値に設定します。今回はF2で撮影しました。

3. 動作の切り取りでストーリー性のある写真に

コーヒーを注いでいる瞬間を切り取ることで、写真にストーリー性を持たせます。「美味しそう」「良い香りが伝わりそう」など、見る人にその前後を含めたシーンを想像してもらうことができ、「コーヒーを飲みたい」などの共感に繋がります。

コーヒーを注ぐ時には、注ぐ位置とシャッタースピードに気をつけて撮影します。

ドリッパーの中央に注いでいる時にシャッターを切ると、ポットがボケてしまう可能性があります。カフェ全体の雰囲気を伝えることも勿論大切ですが、写真の中でも特に見せたいポイントはコーヒードリップシーンの切り取りです。そのため、ポットにもピントが合っているように見える必要があります。

シャッタースピードはポットを持つ手がブレないような速さで撮影します。今回は1/60秒で撮影しています。

©︎Copyright2018 nana/Curbon All Rights Reserved.

いかがでしたでしょうか。

カフェ写真はポイントさえ押さえれば、このようなステップで簡単に「作る」ことができます。壁紙やクッションフロアはDIYショップなどで1m から購入できますし、オンラインショップでも購入可能です。諦めずに挑戦してみてください。

ただいま、Adobe Stockでは作品を投稿して下さるコントリビューター(投稿者)を募集中です。コントリビューター登録がお済みでない方はこちらからどうぞ。みなさまの素敵な作品をお待ちしています。

プロフィール:nana*

商品広告撮影の他、フォトセミナー等で講師として活動。 作家ものの器などを扱うライフスタイルセレクトショップ「AURORA」のオーナーでもあり、テーブルフォトを中心に、日常を切り取った写真をSNSにアップしている。

著書(共著):
『心を震わせる ドラマチック写真術』
『最高の1枚を「撮る・仕上げる」で生み出す 超絶写真術』(ともにインプレス)