音声UIのワイヤーフレームを設計する人のための4つのヒント | アドビUX道場 #UXDojo

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エクスペリエンスデザインの基礎知識

2020年には、検索の半分が音声により行われるという予測があります。声が持つ力は否定できないものです。

音声UI自体はしばらく前から存在していましたが、それをデザインするという行為は比較的新しいもので、デザイナーの新しいフロンティアとして急浮上しています。

クライブ・ラヴェリーは、彼のAdobe MAXのセッションで、音声UIのデザインに関するいくつかの考えを披露しました。
音声を第一に考えられたアプリや体験が当たり前になれば、デザイナーには次世代の音声UIに対応できる思考が求められます。クライブの考えでは、それは音声に対応しつつ、画像やアイコンやその他のインタラクティブなコンテンツを統合するインターフェースです。

「考えさせない」から「タップさせない」への移行

音声UIデザインに関する大きな課題は、それがずっと変化を続けてきていることです。デザインの原則やベストプラクティスはまだ書かれている最中です。現行のデザインツールの大半は、ビジュアルデザインが基軸です。

クライブは、音声だけを対象とするデザインから音声ファーストのデザインへの移行の重要性を強調しました。それが意味するところは、UXの視点の「考えさせない(Don’t make me think)」から「タップさせない」への移行です。

それでは、より使いやすい音声UI体験に近づくための、現時点における4つのヒントを紹介します。

出典:Adobe Stock / Bruce and Rebecca Meissner/Stocksy

1. 文書化してテストする。それを早い段階から繰り返す

これは退屈な作業に聞こえるかもしれません。しかし、対話を書きとめ、個々のやりとりをドキュメント化することは、最も明確な選択肢に絞るための役に立ちます。その際、可能な限り直接的な表現を保てば、簡潔さの強化につながります。母国語として話す人を基準にし、また、専門的な用語、はやり言葉、短縮された表現は避けましょう。音声認識を戸惑わせる可能性があるすべての曖昧さに気を配ることも重要です。

2. 急所を押さえて摩擦を減らす

音声UIの使いやすさについては、改善の余地があるのは明らかなようです。72パーセントのユーザーがスマートスピーカを完全に使いこなせていないと答えています。この事実は何か重要なことを伝えます。短く要領を得た選択肢でユーザーのタスクを容易にするよう心がけましょう。アマゾンのオススメは、どんな場合でも、ユーザーに3つ以上の選択肢を提示しないことです。

3. 明確な期待を持たせる(そしてそれを実現する)

相手が人からデバイスに代わっても、会話の返事に対する人々の期待は変わりません。シナリオには、典型的な会話の流れを用意しましょう。ユーザーが尋ねるのはどんな種類の質問か?どんな回答が、最も有用で意味がある情報を一貫した形で伝えられるか?といったことを検討します。また、ユーザーに操作の例を示して方向を示唆することで、不要な質問やユーザーの苛立ちを抑えることができます。

4. 多様な視点から考える

これは、スマートフォンやウェアラブルで既に体験していることの単なる拡張ではありますが、そこにデザインのレイヤーをもう一段重ねます。クライブを始めとして大勢のデザイナーが、音声ファーストが音声UIデザインの将来であると捉えています。ユーザーはスマートスピーカーに対して音声で要求を伝えるかもしれませんが、その回答は、音声とビジュアル要素の両方で構成されるようになるでしょう。

新鮮さを保ち、ユーザーに驚きと喜びを

最高の音声体験は楽しくなければなりません。もちろん、最も明快で直接的な表現を用いてユーザーに何がどのように可能なのかを伝えるべきですが、それは回答が退屈でなければならない理由にはなりません。

ユーザーが期待していなかったものを提供し、ユーザーを驚かせたり喜ばせるために、コンテンツを新鮮な状態に保ちましょう。インタラクションが楽しければユーザー体験はより良いものになります。

新たに音声ファーストのデザインをする場合も、既存の製品に音声を追加する場合も、優れた体験への道のりはこれまでと同じく、デザイン、プロトタイプ、そして共有による確認の繰り返しです。
Adobe XDの音声対応機能を使ってより良い体験を追求しましょう。XDの音声トリガーとスピーチプレイバックの機能は、画面と音声のプロトタイプをひとつのデザイン環境で扱えるように設計されています。

この記事は4 Ways to Get to the Best Wireframe You’ve Ever Heard(著者:Jay Ganaden)の抄訳です

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