明暗を強調することで演出できる高級感 – コントラスト #AdobeStock

連載

CURBONと考える、「共感」を呼ぶ作品の作り方

Adobe Stockで成功するコツは、いかに見る人の注目を集めることができるかがポイントです。このブログでは、Instagramなどのソーシャルで大活躍されているCURBONのオススメアーティストから、制作テクニックをご紹介いただき、売れる作品作りのヒントをご紹介し ます。

コハラタケルさんは、CURBONの中でも知性と感性の両方を持ち合わせたアーティストの一人として人気が高く、フォロワー数増加とファンからのエンゲージメントの比率はトップクラスです。今回のテーマは「コントラスト」。是非ご覧ください。

コントラストの強弱で写真の印象は大きく変わる

Adobe Stock のトップページでは、現在、4人のアーティストが紹介されています。( ※2019年3月現在)

是非、一度、彼ら彼女らの写真を見てください。

すべての写真に共通するわけではないのですが、どの写真もコントラストが効いた写真が多いことにあなたも気づくと思います。

写真というのは良し悪しを決めるのが非常に難しいジャンルです。しかし、いくつかの条件を満たすことで「カッコいい・高級感がある・質が高い」ということを演出することが可能です。そのひとつの方法としてあるのが ”コントラストの強弱” だと考えています。

コントラストとは簡単に説明すると、写真の明るい部分と暗い部分の差であり、コントラストを強くすると、この差が強く(明るい部分はかなり明るくなり、暗い部分はかなり暗くなる)なります。

では、実際にコントラストを意識して写真を編集するとどのように変わるのか、見ていきましょう。

コントラストを調整する前に主役が何かを決める

早速、コントラストを意識した編集を進めていきたいのですが、その前に確認しなければいけないことがあります。

それは** ”写真の主役を決める”** ことです。

この写真の主役を決めるということを考えないまま編集作業をすると、撮影者が写真を見る人たちに対して、なにを見せたいのかよくわからない状態になってしまいます。

コントラストの強弱によって得られるメリットのひとつは、主役を目立たせることができることです。そのため、何も考えずにコントラストの強弱をつけるのではなく、まずは写真の主役を決めることで主役をもっとも目立たせるようにコントラストの調整をしていきます。

では、実際に編集する写真をご覧ください。

こちらはJPEG撮って出しの画像です。私がこの写真でもっとも見て欲しい部分は中央にいる女の子です。コントラストの強弱をつけることで、彼女の存在を目立たせていきます。

現場の状況を思い出し、コントラストを強調する

主役を決めたあと、次にすることは** ”現場の光の状況を思い出す”** ことです。

コントラストを強調するといっても、なにも考えずに強調しても意味がありません。先に説明したように編集作業というのは、自分が伝えたい意図をより明確にするのが重要です。

先ほどの写真を撮影した日は曇りだったのですが、曇りの日であっても光の流れはあります。光がどこからどこに向かって差していたのか、その正確な情報を知っているのは撮影者である本人のみです。

編集作業をすることで、光の情報をより美しく・明確にしていきます。

改めて最初の画像をご覧ください。

写真を見ると、窓から光が差し込んでいるのがわかると思いますが、JPEG撮って出しの画像だと、全体的に淡く仕上がっています。

次の写真をご覧ください。これは私が使っているLightroomのプリセットを当てはめただけの状態の写真です。

影の部分の黒を強く、光が当たっている部分の白を強くすることで、JPEG撮って出しの写真に比べて印象が変わったと思います。

光と影の差を強くすることで、主役を目立たせる

ここからさらに現場の光の向きを意識ながらLightroomを使い、 ”影の部分を暗く、光が当っている部分の白を強くすることで、明暗を強調” していきます。

現場は窓から矢印の方向へ光が差していました。この現場の光の状況を変えずに編集していきます。

まずは失敗例をご覧ください。

例えばLightroomの基本補正にある露光量をプラス1.00にしたとします。

基本補正の露光量というのは写真全体に効果が適用されるため、窓から差し込む光の強さは高くなったものの、同時に写真右上の暗くなっていた部分も明るくなってしまいました。

この暗くなっていた部分を明るくしないために、Lightroomの段階フィルターを使って部分調整をします。

ちょうど光と影の境目に段階フィルターを適用させ、今回は白レベルをプラス30にして窓から差し込む光の部分を明るくしました。

このように部分的に調整をすることで、明るい部分はもっと明るく、暗い部分は暗いままにしておくことで、写真のコントラストを強めていきます。

調整のポイントとしては、 ”明るくする部分はギリギリ白飛びしない程度、暗くする部分はギリギリ黒つぶれしない程度” にします。

もちろん、写真の雰囲気によっては、あえて白飛び・黒つぶれさせることもありますが、基本的には白飛び・黒つぶれさせないことが大切だと思っています。

さらに微調整を加えた編集後の写真がこちらになります。

いかがでしたでしょうか。

明るい部分と暗い部分の強弱をしっかりつけることで、写真にメリハリが出たのがよくわかると思います。主役は目立ち、光の向きもわかりやすくなりました。

また、コントラストを効かせたことにより、JPEG撮って出しの写真のときよりも、カッコよさや高級感が増したように感じないでしょうか?

是非、みなさんも写真の主役を決め、現場の光の状態を思い出し、コントラストの強弱を編集作業で強調してみてください。ただいま、Adobe Stockでは作品を投稿して下さるコントリビューター(投稿者)を募集中です。コントリビューター登録がお済みでない方はこちらからどうぞ。みなさまの素敵な作品をお待ちしています。