Adobe Fontsの日本語フォントの新元号 「令和」の合字への対応について
アドビは、2019年5月1日からの日本の改元に対応するため、Adobe Fontsから提供されている下記の日本語およびPan-CJKフォントを4月11日までにアップデートしました。
- 今回アップデートを完了したフォント
小塚明朝
小塚ゴシック
源ノ角ゴシック - 上記フォントは既にアップデートされ、Adobe Fontsから供給が開始されました。
上記以外の日本語およびPan-CJKフォントのアップデートについては未定です。 - アップデートの内容:
新元号は2つの漢字で構成されています。これらの2文字は、どちらも『常用漢字表』(平成22年内閣告示第2号)に含まれているため、従来の日本語フォントで表示・印刷することが可能です。しかし、元号については従来より、元号を構成する2文字を横方向または縦方向の寸法を半分にして(長体または平体として)、1つの文字の全角にあてはめた形(いわゆる合字)も使用されてきました。明治、大正、昭和、平成の元号の合字については、国際的な文字集合と文字コードを定めた、ISO/IEC 10646 Universal Multiple-Octet Coded Character Set (UCS)およびその日本語標準である『国際符号化文字集合(UCS)』(またはUnicode)に既に含まれていて、多くの日本語フォントで利用可能になっています。新元号「令和」の合字についても、国際標準化機関のISO/IEC JTC1/SC2において、上記UCSの標準の中の、U+32FF のコードポイントに割り当てることが事前に決定されました。今回のアップデートでは、このコードポイントに対応する横組み用と縦組み用の2つの合字を作成し、フォントに加えました。 - フォント名:
今回のフォントのアップデートでは、アップデート以前のフォントとアップデート後のフォントで、フォント名を変えません。Adobe Fontsで上記にリストされているフォントを既にアクティベートしている場合は、一度そのフォントをMy Adobe Fonts からディアクティベート(アクティベートを解除)してから、再度、アクティベートすると、新元号の横組み用、縦組み用合字が利用可能となります。 - 今回アップデートされたフォントを利用する上での注意点
- **アップデートされた新しいバージョンのフォントをデスクトップに反映させる方法
**Adobe Fonts で上記にリストされているフォントを既にアクティベートしている場合は、一度そのフォントをMy Adobe Fonts からディアクティベート(アクティベートを解除)します。Illustrator, InDesign などフォントを使うアプリが起動中でないことを確認の上、再度、そのフォントをアクティベートします。Creative Cloud デスクトップアプリのフォントタブでそのフォントがアクティブと表示されたことを確認後、アプリを起動します。 - **アップデートされた新しいバージョンのフォントを取り扱う上での注意点
**上記「フォント名」での説明のとおり、上記の対象となるフォントの古いバージョンと新しいバージョンとで、フォント名が同一であるため、新元号の合字グリフを用いた文書を表示したり印刷する時に、古いバージョンのフォントを用いると新元号の合字グリフが表示・印刷されない問題が発生します。そのため、新しいフォントを用いて文書作成を行う場合には、その文書を受信、配信、表示または印字、印刷する環境でも、同じ新しいフォントがAdobe Fonts を用いてアクティベートされていることを確認してからご利用いただく必要があります。新しいフォントを利用可能にする方法は、上記の「アップデートされた新しいバージョンのフォントをデスクトップに反映させる方法」を参照下さい。上記の方法でフォントをアップデートしない場合には、デスクトップ上で表示や印刷のために利用できるフォントは従来の古いバージョンのままとなりますので、ご注意ください。 - **アップデートされた新しいバージョンのフォントをWebサイトで反映させる方法
**「My Adobe Fonts」の「Web プロジェクト」タブで、更新するプロジェクトの横にある「プロジェクトを編集」をクリックします。プロジェクトの下部までスクロールし、「変更を保存」ボタンをクリックします。これで、プロジェクトに含まれるすべての Web フォントの最新バージョンが Web サイトで使用されるようになります。
- **アップデートされた新しいバージョンのフォントをデスクトップに反映させる方法
- **その他の関連技術情報
**今回のフォントのアップデートに関する技術情報については、下記を参照してください。https://blogs.adobe.com/CCJKType/2018/08/aj17-subset-fonts-ja.html
https://blogs.adobe.com/CCJKType/2018/09/aj17-font-names-ja.html (上記の記事をフォント名について修正・更新したもの) - また、源ノ角ゴシックの今回のアップデートについての技術的情報は下記のGitHubのページにあるREADME.mdファイルを参照してください。
https://github.com/adobe-fonts/source-han-sans/tree/release - また、新元号の合字に対応する文字コードであるU+32FFと、拡張されたAdobe-Japan1-7に含まれる2つの横組み用と縦組み用の合字グリフ、CID+23058とCID+23059に対応するためのCMapテーブルを、ここから入手できます。
https://github.com/adobe-type-tools/cmap-resources - Adobe-Japan1-7文字コレクションについての情報については、下記のGitHubのページを参照してください。
https://github.com/adobe-type-tools/Adobe-Japan1/