2019年度 #CreativeResidency メンバー紹介!

連載

Creative Residency

いよいよ今年度から日本のクリエイターも参加するCreative Residency プログラムが5月からスタートし、そのメンバー9名が発表されました!

Creative Residencyとは、1年間のクリエイティブプロジェクトを通じて自分自身のクリエイティビティーを追求し、プロのクリエイターとしてのキャリアをスタートさせるためのインキュベータープログラムです。

プログラムでは、専門家やメンターからのアドバイス、アドビの最新のクリエイティブテクノロジーはもちろん、自分の所属するコミュニティに対してクリエイティブのプロセスやアイディアなどをシェアをする機会に加え、資金面での援助を提供します。

このプログラムは、私の所属するコミュニティチームのマーラもお気に入りのプログラムで、今回選ばれた日本のレジデンシーに対しても下記のコメントをしています。

私たちは、今やさまざまな業界で求められる「エクスペリエンスデザイン」と、日本でも多くの方が活躍している「イラストレーション」の分野をサポートするため、このプログラムを今年、日本に広げることができてとてもうれしく思います。

2名の日本人レジデンシーは彼らのデザインワークフローにおいて拡張現実などの最新のテクノロジーを活用して取り入れることで、さらなるデザインの可能性を押し広げてくれることを期待しています。

マーラ シャーマ (Mala Sharma)
アドビのCreative Cloudプロダクト、マーケティング&コミュニティ担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー。ビジネスへの実践的なアプローチを心がけており、クリエイティビティーと教育を通して自己価値の形成に情熱を注いでいる。

今年のレジデンシーは、これまでで最大の人数と、そのプロジェクトがエクスペリエンスデザイン、デジタルドローイング・ペイント、ビデオ、フォトと多岐にわたるクリエイティブ分野からメンバーが集まりました。
その2019年度レジデンシーのプロジェクトやこれまでのアートワークとその情熱を早速ご紹介します!

エクスペリエンスデザイン分野からはアメリカ、ドイツ、日本の3名が選出され、その多様なクリエイティブはXDをはじめとするエクスペリエンスデザインツールのさまざまな分野への活用と表現の可能性を追求します。

ジュリー・サンダスキー (Julie Sanduski)
アメリカのシアトル在住のアーティスト。
食品、サステイナビリティー、UI/UXに対する情熱を掛け合わせ、人間中心のデザインで「持続可能な食料システム」に影響を与えることができるかを探求します。
食料廃棄問題のリサーチはもちろん、業界の専門家との交流を深めながら食料廃棄の防止、廃棄食料の再利用や新しいカタチへの活用など世界の食料システムに焦点を当てたデザインをシリーズ化して作品を制作していきます。

パトリシア・ライナーズ (Patricia Reiners)
ドイツ在住のUI/UXデザイナーでプログラム期間中はベルリンやロンドンから制作を行う。
未来の都市や街や、AI(人工知能)や音声コントロール、AR(拡張現実)という新しいテクノロジーでインターフェースやデザインがどのように変わっていくのかを探求します。特に、新しい仕事の形態や、生活、モビリティの分野についてフォーカスする。
自身のデザインプロセスをひとつひとつステップ毎に紹介し、UXデザインの可能性やその楽しさをシェアします。

中田 拓馬 (Takuma Nakata)
京都をベースにするインタラクティブなインスタレーションの制作を手がけ、またエクスペリエンシャルなデザインを設計するアーティスト。
新しい体験を設計するための制作過程を、UXデザインツールのAdobe XDをはじめ、Premiere ProやRush、After Effectsなどのビデオ編集やVlogなどをでそのプロセスをシェアします。
彼のクリエイティブに対しての考え方や、新しい体験のデザインプロセスをコミュニティへシェアし、さらに人々の想像力をさらに膨らませれるような、世界を驚かせるような体験のデザインをしたいと考えています。

オクタヴィア・ブロメル (Octavia Bromell)

日常の楽しさ(The Joyful Everyday)— 幸せは日々何気ないところにも見つかる — をテーマにイラストを制作するイギリス在住のアーティスト。

彼女は作業スタジオからVlogやブログ、SNSでの投稿など通じて制作プロセスや最新情報をシェアします。

文房具が大好きな彼女は将来、自分のイラストの入ったグリーティングカードを作りたいと計画しています。

福田 愛子 (Aiko Fukuda)

デジタルとアナログでイラストの表現方法の可能性を追求する、東京を拠点に活動するアーティスト。

彼女のプロジェクトは、紙のアナログ表現とデジタルイラストレーションのAR(拡張現実)を組み合わせた新たな立体の飛び出す絵本を制作します。プログラム期間中は、彼女自身のデザインの経験をもとにワークショップを開いたり、オンラインチュートリアルなどクリエイティブコミュニティに制作プロセスをシェアする活動も行います。

最終的には、プロジェクトで制作する魔法の絵本を出版し、革新的な企業やラグジュアリーブランドとクラフトマンシップを大切にするようなクリエイティブを生み出し世界で活躍できるアーティストを目指したいと思っています。

タイラー・バービン (Tyler Babin)

ストーリーテリングについての情熱的なニューヨーク州マンハッタンを拠点とするビデオグラファー。

すでにアーティストとして活躍している自身の経験や、レジデンシーとしての彼の経験を共有するビデオシリーズを制作し、自身のクリエイティブのプロセスをInstagramとYouTubeに投稿してシェアしていく予定です。

人々のやりたい夢の実現に、怖がったり不安に思ったりせず、その夢を追いかけることに対して後押しができるようなストーリーテリングを続けていきたいと思っています。

アメリー・ザッツィカー (Amelie Satzger)
彼女のプロジェクト「Seeing Music」では、ドイツ近郊のミュージシャンとコラボレーションして、彼らの歌詞を幻想的なクリエイティブシーンの形で可視化していきます。
撮影の背景や小道具、ミュージシャンの様子や彼女のアートの制作過程の初めから終わりまでを彼女のソーシャルメディアで共有していきます。

シン・ラゴス (Cyn Lagos)
マイアミを拠点とする視覚的なストーリーテリングを得意とするアーティストで、そのアートの考え方や実践方法を共有していきます。
ワークショップ形式で体験しながら教えることで、写真、グラフィックデザイン、そしてビデオ分野のアーティストにインパクトを与えるビジュアル制作の方法論をまとめます。 彼女は日々目に触れるソーシャルメディアをより豊かで教養のあるコンテンツを充実させたいと考え、教育現場での教材になるようなコンテンツも用意したいと考えています。

ファン・ホセ・エグスキィザ ( Juan José Egúsquiza)
ニューヨークのブルックリン在住、彼の「Impossible Stories」プロジェクトは、日常生活の何気ないシーンを写真合成によって架空の新しい世界を作り出すシリーズ作品です。 レジデンシー期間中彼は、自分のクリエイティブのプロセスを共有し、コミュニティから反応やフィードバックをもらい、伝え方や制作テクニックの向上を目指します。数年後には、アイデアを視覚的に表現できるようなクリエイティブディレクターになりたいと考えています。

プロのクリエイターとしてのキャリアをスタートさせるまでには、膨大な作業が必要になります。この一年、レジデンシーたちがプロになるために踏み出したその情熱の軌跡をたどることで自分自身について考えるきっかけになれば嬉しいです。

いつものように、レジデンシーがこの一年で何を自分のプロジェクトとして制作するのか楽しみにしています。そして特に、レジデンシーが私たちの環境と社会に影響を与える「ソーシャルグッド」に貢献していることにとても興奮しています。

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さらにCreative Residency プログラムについての情報はこちら。_

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この記事は2019/05/08に投稿されたIntroducing the 2019-2020 Adobe Creative Residents を抄訳したものです。_