企業向けAdobe Creative Jam日本初開催 : 日本有数のIT企業であるサイバーエージェントとヤフーが共同して参戦

Creative Jamは、クリエイターが楽しみながら競争することで新しいスキルを学ぶ場として、アドビが提供する1日がかりのワークショップです。日本ではこれまでにデザインコミュニティとのCreative Jamが数回開催されてきましたが、いよいよ初めて企業とのコラボレーションによるCreative Jamが開催されました。

企業向けのCreative Jamは、日常の業務では得られない経験を追求できる機会としてデザインされています。その初イベントの内容は、サイバーエージェントとヤフーのクリエイティブチームが一堂に会して、同じ課題に取り組むというものでした。数々の学びがあったことを語る参加者のコメントをはじめ、当日のハイライトを以下のビデオでご覧ください。

Creative Jamは、4つの主要パートから構成されます。

当日のゲストスピーカーは、日本で初めて開催されるCreative Jamを支援するために来日したアドビのディレクターJay Ganadenでした。Jayはインスピレーションスピーチとして、アメリカのUXデザインに関する最新トレンドを紹介し、更にそれに対するAdobe XDの戦略についても語りました。続くブートキャンプは、Adobe XD、Creative Cloudライブラリ、Adobe Stockの基本的な使い方を学ぶ1時間半でした。

午後のワークショップでは、両社のデザイナーがそれぞれ2~3名のグループに分かれ、他社のチームとテーブルを分け合って作業を行いました。2社の共同開催になったことついて、ヤフー株式会社のピープル・デベロップメント統括本部 コーポレートPD本部 コーポレート戦略室 クリエイター人財戦略室の田部井伸弥氏は次のように述べています。「他社と協力してのイベントは今まであまりなかったと思いますので、いい刺激になったのではないかと感じています」。株式会社サイバーエージェントの執行役員でクリエイティブ統括室 室長の佐藤洋介氏も「他社との共存みたいなところにイノベーションを感じました」とこれに同意しています。

短時間の作業に貢献したAdobe XDの軽快で直観的な操作性

企業向けCreative Jamの特徴のひとつは、学習したばかりのツールを使ってワークショップを行うことです。今回、課題解決のために使用するツールとして指定されたのはAdobe XDでした。この点について、会場に同席した田部井伸弥氏は「最初、実は大丈夫かなと思いつつ見ていたのですが、午前中にブートキャンプでXDを習ったばかりのメンバーが午後にはもう使いこなしていたことに驚きました」と話しています。

最終プレゼンで3位に選ばれたチームの鷹取万里子氏は、「XDは学習コストが低く、すぐに理解できる感じがありました」とAdobe XDのシンプルな操作性を評価しています。

Adobe XDはアイデアを素早く形にして、共有して確認できるようつくられたツールです。その特徴が、短時間でクオリティの高いプレゼンを作成する上で大きな助けになったと参加者は口を揃えています。2位になったチームの2名は、XDの利点として、デザインとプロトタイプをシームレスに切り替えて使えることを挙げ、「アートボードをワイヤーでつなぐと、画面の流れやステートの変化といったインタラクションを表現できることが一番ありがたかった」と話しました。

また、3位チームの佐藤貴之氏は、モバイルとの連携機能が特に効果的だったと話しています。「スマートフォンを接続すると、自分たちがつくったデザインがそのまま表示されるので、こういう風に見えるんだっていうのを確認しながら作業できるのが便利で、これからも使いたいなと感じました」

フェアな競争環境の中で得られた成果

学びと試行錯誤の1日の最後は、審査員と参加者全員の前での各チーム3分間のプレゼンでした。どのチームも課題に対する提案がしっかりと形になっていて、また両社それぞれのカラーが垣間見える興味深い発表でした。田部井伸弥氏は「XDで作ったとは思えないクオリティのものもあった」と振り返ります。

1位に選ばれたチームの鈴木彩夏氏は、「やっぱり短い時間でメインループをつくりきるというのが何よりもチャレンジで、対決じゃないですけど、こういう機会があると、至らないスキルですとか、伸ばしていきたいスキルが改めて分かると思いました」と、Creative Jamに参加した意義を話しました。

佐藤洋介氏は、社内で机に向かってデザインするだけでは得られない経験ができたことを強調します。「デザイナーはアウトプットで優劣がはっきりとわかると思うのです。あそこのチームすごいなとか。自分たちはこのあたりかなとか。そういう比較を経験してデザイナーは強くなっていくと思うので、フェアな競争の環境に身を置くことができた参加者には学びが多かったと思います。社内でも一日でアウトプットする機会を明確につくっていたりはするのですが、まだまだ個々のレベルや社外との違いを明確に意識した活動はできていなかったので、伸ばせる部分を見つける良いきっかけになりました」