Arseny Samolevs による100の有機的なシェイプ:制作の裏側 #AdobeStock
ウクライナのキエフを拠点とするフリーランスのグラフィックデザイナー、Arseny Samolevskyは、クリエイティブコミュニティのために高品質のデザインアセットを制作しています。
シームレスなパターンからロゴのテンプレートまで、幅広いアーティスティックなニーズを網羅する作品づくりに情熱を注いでいるArsenyに、自身のプロジェクト、100 Organic Shapes(100の有機的なシェイプ)について、さらには彼がどのようにAdobeのツールを活用し、多彩なシームレスパターンのコレクションを作り上げているのかについて、お話を伺いましたのでご紹介いたします。
今回のOrganic Shapes プロジェクトにおけるArseny の主なインスピレーションの源は、自然の中に見られる幾何学的な抽象性や非対称性でした。彼は紅海を訪れた際、色鮮やかな海洋生物やサンゴ礁が織り成す活気に満ちた海の中を探検する機会に恵まれたそうです。それらの大胆な色や躍動感ある形に触発され、彼はまず海中の光景をテーマに、想像を掻き立お疲れ様ですてるムードボードづくりから始めました。最終的な目標は、海中世界で見られるカラー、シェイプ、パターンをデジタルフォームで再現することです。
デザインを通じた海中の生態系の保護という考え方は、かつてないほど重要になってきています。Adobe Stockは今年、パントン・カラー・インスティテュート、The Ocean Agencyとパートナーシップを結び、「Glowing, Glowing, Gone-色で訴える気候危機」と題したキャンペーンを行っています。これは、珍しい海洋環境で発見された色彩をモチーフとして解釈するというユニークな取り組みで、Organic Shapesプロジェクトでも同様に、自然を新たな形でビジュアル的に解釈する手法が試みられています。
まず、Arsenyはスケッチをしてプロトタイプを作成した後、自然の大きな特質のひとつ―光と闇、白と黒などの相反する要素の間で完璧なバランスを保つ能力―を取り入れようと、シンプルかつ美しい表現方法を考えつきました。自然のバランスの概念をPhotoshopに当てはめ、「ぼかし」と「シャープ」という相反する2つの機能を使用することにしたのです。この両機能を繰り返し適用することで、白と黒のシェイプの調和の取れた流れを作り出すことができました。
次に、Photoshopでこの方法を確立した後、Arsenyはパターンを確実にシームレスに仕上げたいと思い、Photoshopの市販のプラグイン(FilterForge)を使用し、手続き型のパターンジェネレーターをゼロから作成しました。パターンのスタイルを制御し、無数のバリエーションを活用することで、完全に継ぎ目のないタイリングを繰り返し生成することができるようになりました。
その後、Substance Designerを使用し、別のパラメトリック・アルゴリズムの作成にチャレンジしました。シェイプとパターンのバリエーションを作成するためにノードグラフを使い、それからSubstance Designerの性能を活かして、各パラメータを個別に調節。選択肢が豊富に揃ったところで、最終的な作品から100のユニークなデザインを厳選しました。
Arsenyは、これらのデザインに本物感をプラスするため、鮮やかなカラーパレット(サンゴや海洋生物を思い起こさせる色)を選んだ後、各デザインをいくつかのラスタ―、ベクターのファイル形式に変換しました。これには、様々なパターンのスウォッチが登録されたPhotoshopとIllustratorのファイルが含まれているため、ユーザーはわずかなクリック数でこうしたテクスチャーを自身の作品に適用することが可能です。
デザインが完成したら、今度はデザインコミュニティに向けて、これらのデザインの汎用性をビジュアル的に示すための作業です。Arsenyはまず、Dimensionとその無料のアセット を用いて様々な3Dの製品モックアップを作成し、その中から選んだ数点の3Dモデル上に、「グラフィックをモデルに配置する」機能を使い自身のデザインを配置しました。Dimensionのクラウドレンダリング機能のおかげで、3Dレンダーをすばやく作成し、ファイルをpsd形式で保存することができます。これらのファイルはPhotoshopで簡単に加工が可能です。
2Dのデザインを見せるために3Dのアセットを使用することで、Arsenyは物理的なプロトタイプの作成や撮影の手間を回避し、時間を節約することができました。これにより、彼は楽しみながら、Illustratorでプレビュー画像やプレゼンテーションレイアウトを作成しつつ、たっぷりと時間をかけて最終的なプロダクトのレイアウトを行い、かつビジュアルストーリーテリングを通じて、クリエーターのインスピレーションを刺激するようなシームレスなスクローリングエクスペリエンスを巧みに実現しました。 Arsenyからデザイナーの方々への最後のアドバイスは、ひとつのツールに限定しないようにすること。それから、彼はこう言い足しました。新しいことにトライし、多面的なアプローチを学び、アセットやソフトウェアを組み合わせ、何よりもプロセスを楽しんでください!
Arsenyのデザインをさらにご覧になりたい方は、_Adobe Stock_または彼のウェブサイトをチェックしてみてください。
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この記事は2019年6月24日にAdobe Stock Team により作成&公開されたBehind the Scenes: 100 Organic Shapes with Arseny Samolevskyの抄訳です。