#267 エバンジェリストに聞け!鷹野雅弘 | ‘Hack the factory preset’ 環境設定に手を入れて幸せになる
Adobe Community Evangelistの鷹野雅弘さん(@swwwitch)をゲストにえ、Illustrator、Photoshopの環境設定の「どこを変更すると、どうなる」をじっくり解説します。仕事内容や作業スタイルによって、カスタマイズすることでムダな手順を省いたり、デフォルトではできないことができたり。。。目から鱗のTips満載です。
ゲスト:鷹野雅弘
以下、鷹野雅弘さんによる番組内容解説(補足情報)です!
前半(14:10-28:10)共通、Photoshop
カスタマイズすべき項目
インストールした直後の状態から、自分の仕事内容、スタイルに応じてカスタマイズしていきましょう。
・環境設定
・キーボードショートカット
・パネル(ワークスペース、パネルメニューから)
・ツール(カスタムツールバー、ツールの初期設定)
・ドキュメントプロファイル
初期化する方法
起動時に、⌘ + option + shiftキーを押すことで環境設定が初期化されます。「なんか調子が悪い…」というときにも有効。
環境設定を開くには、Illustrator、Photoshopともに、⌘ + K。環境設定(Kankyo)のKと覚えます。
ホーム画面
ホーム画面は便利な反面、“重い”… 使わない方はオフにしましょう。
- Illustrator:[ドキュメントを開いていないときにホーム画面を表示]
- Photoshop:[ホーム画面を無効にする]
IllustratorとPhotoshopでは逆です…
新規ドキュメント作成
新しい「新規ドキュメント」インターフェイスも“重い”ため、オフにするのが吉。
- Illustrator:[以前の「新規ドキュメント」インターフェイスを使用]
- Photoshop:[従来の「新規ドキュメント」インターフェイスを使用]
「以前」と「従来」が揺れているのはご愛敬(縦割り行政)。
IllustratorとInDesignのみ、⌘ + option + Nキーで、[新規ドキュメント]ダイアログボックスをスキップすることができます。その際、直前に選択したドキュメントプロファイルが参照されます。
明るさ
明るさ(カラーテーマ)の切り替えは環境設定で行う。
- Illustrator:環境設定の[ユーザーインターフェイス]カテゴリの[明るさ]
- Photoshop:環境設定の[インターフェイス]カテゴリの[カラーテーマ]
Photoshopのみ
- shift + F1/F2のキーボードショートカットあり
- ⌘ + option + shift + クリックで、コーヒーとパンが出現するイースターエッグあり
「明るさ」と「カラーテーマ」が揺れているのはご愛敬(縦割り行政)。
イースターエッグあれこれ
- 「Photoshop、バナナ」(リンク)
- InDesign CS3のイースターエッグ – DTP Transit
shiftキーなし変形(Photoshop)
shiftキーなし変形について、環境設定の[一般]カテゴリに[従来方式の自由変形を使用]が追加されました(2019年6月)。
⌘ + Z(取り消しの挙動:Photoshop)
Photoshop CC 2019では、IllustratorやInDesignと同様、⌘ + Zキーで順繰りにアンドゥーするようになっていますが、こちらは[キーボードショートカット設定]ダイアログボックスで設定可能です。
設定後、Photoshopの再起動が必要です。
フリックパン(Photoshop)
Photoshopでカンバスより大きな写真を扱っている際、スクロールをすると、滑るように画像が移動します。これを「フリックパン」と呼びます。
これを回避するには、環境設定の[ツール]カテゴリで、[フリックパンを有効にする]オプションをオフにします。迷わず、オフに!
ピクセルグリッド(Photoshop)
ピクセルグリッドをオフにしたい方は、[表示]メニューの[表示・非表示]→[ピクセルグリッド]のチェックをはずします。
配置に関しての3つの設定(Photoshop)
Photoshopのカンバスに画像を配置する際、環境設定にある3つのオプションを調整しましょう。
- [配置時に変形をスキップ]
- [画像をサイズ変更して配置]
- [配置時にスマートオブジェクトを常に作成して配置]
- Photoshopで画像を配置するときに設定しておきたい3つの環境設定 | DTP Transit
- 戸惑いがちなPhotoshopのデフォルト設定(CC 2019/CC 2018編) | DTP Transit
後半(36:40-54:50)Illustrator
パネル:ワークスペース
パネルは開ければ開くほど“重く”なります。
- 常に使うパネル
- たまに使わないパネル
- まったく使わないパネル
など、パネルの使用頻度や制作スタイル、位置を調整して「ワークスペース」として保存。複数のワークスペースを切り換えたり、リセットできます。
Photoshopも同様です。なお、Photoshopには[ワークスペースをロック]可能があります。ロックしたまま、パネルを移動するにはoption + ドラッグです。
ツール
Illustratorのツールは86個あります。
ワークスペース同様、使用頻度や制作スタイルに応じて、自分なりのツールバーを作成しましょう。
[ウィンドウ]メニューの[ツール]→ [新しいツールバー]で空のツールバーを作成し、よく使うツールを登録していきます。
全部入りの[詳細設定]と併用するのがオススメ。普段使いは、カスタムツールバーを利用します。
シェイプ形成ツール
シェイプ形成ツールは、パスファインダーのツール版。操作に応じて、次の3つを実行できます。
- ドラッグ:合体
- option + ドラッグ(option + クリック):型抜き
- クリック:分割
余分なポイントを削除
[パスファインダー]パネルメニューの[パスファインダーオプション]で[余分なポイントを削除]オプションにチェックを入れておきましょう。
パスファインダー実行時に、水平、垂直のパス上のムダなアンカーポイントが消えます。
なお、従来、このオプションはIllustratorを再起動するとクリアされてしまいましたが、2019年10月のCC 2019以降、覚えてくれるようになりました。
ドキュメントプロファイル
ドキュメントプロファイルを作り込むことで、Illustratorを自分好みに育てていくことができます。
- 段落スタイル
- 文字スタイル
- スウォッチ
- シンボル
- グラフィックスタイル
- ブラシ
ドキュメントプロファイル上のオブジェクトは、新規ドキュメントに継承されないことを利用して、下記をドキュメントプロファイルにおいておけば、微調整のときに改めてテキストやオブジェクトを作成する必要がありません。
- 段落スタイルや文字スタイルを適用したテキスト
- グラフィックスタイルを適用したオブジェクト
- シンボルインスタンス
細かい設定方法は、こちらのブログをご覧ください。
グラフィックスタイルをキーボードショートカットで設定
したたか企画さんで解説されています。