Adobe Frescoで、あなたもフレスコ画の名手ラファエロやミケランジェロに?
アドビのアプリ名の意外な由来をご紹介
アドビの最新製品であるスケッチ&ペイントアプリのAdobe Fresco。Frescoの名は、絵画のフレスコ技法からとられています。フレスコは、13世紀から16世紀にかけて、主に壁画に使われた絵画技法で、著名な作品にはミケランジェロの『最後の審判』などがあります。濡れた漆喰の上に顔料で描くため、漆喰が乾くまでの限られた時間内に絵を描き切らなければならない技法であり、これは着想をすぐにクリエイティブに結実させるAdobe Frescoの特徴を表していると考えられます。なお、フレスコ技法には、やり直しがきかないという難点がありましたが、これはデジタル時代には完全に解決されています。
Frescoに込められた願いもそこにあります。クリエイターの皆さんに、インスピレーションが降りてきたら、どこでもいつでもすぐに、まるで漆喰が乾くまでの時間内に、創作を可能にするのがFrescoです。ぜひ、FrescoをiPadにダウンロードして、皆さんのインスピレーションを描いてみてください。
これがAdobe Frescoの名前の由来ですが、ほかのアドビのアプリ名はどのように名付けられたのでしょうか?いくつかご紹介します。
Photoshop
1990年に誕生したAdobe Photoshopは、来年30周年を迎えます。現在のPhotoshopのアイコンはPsの文字ですが、かつては目のイラストがアイコンになっていました。懐かしいですね。では、初代のPhotoshopのアイコンが何だったかご存知ですか?
最初のPhotoshopのアイコンは、写真屋さんをイラストにしたものだったんです。若い方にはわからないかもしれませんが、デジカメが主流となる以前、写真はフィルムで撮影して、町中にあった専門の業者さんに預けて現像して、印画紙にプリントしてもらっていたのです。そういう本物のPhoto Shop(写真屋)をアイコンにしていたのです。次のバージョンからユーザーにおなじみの目のアイコンに変わりました。しかし、なぜ目のアイコンになったのかは、誰にも分からないそうです。
Lightroom
写真アプリを続けます。フィルムカメラの時代、写真を現像するときには暗室(Darkroom)に入って作業を行っていました。フィルムを処理する前に光を当ててしまうと、せっかく撮影した像が消えてしまうからです。
デジタルカメラの時代になると、現像作業はPCで行い、暗室で行う必要はなくなりました。そのためDarkroomの反対語として、Lightroomの名前を使っています。明るい部屋でできる現像という意味で、アプリの特徴をうまく表した造語ではないでしょうか。現在ではPCだけでなくモバイルデバイスでも使えるようになったAdobe Lightroom。Darkroom時代には考えられなかった進歩です。
Premiere、Rush
続いて動画です。たまに間違えられるのですが、Premierではなく、Premiereです。最後にeが付きます。Premierは「第1位の、首位の、最初の」という意味で、イングランドのサッカーのプレミアリーグ(Premier League)はこちらの意味です。
これに対し、Premiereは映画の「公開日、公開初日」など、エンターテイメント業界で使われる用語です。動画編集ソフトだからこそPremiereなんですね。現在では、Adobe Premiere Proのほか、さらに手軽に動画編集できるAdobe Premiere Rushも登場しました。Rushは、通常、急ぎという意味でよく使われますが、映画用語では「撮影直後の未編集のフィルム」という意味です。
XD
ユーザーエクスペリエンスのデザイン、プロトタイピングから共有までひとつのアプリで実現するAdobe XDは、プレビュー版の時代はExperience Designという直接的な名称でした。やや長い名称に対して当時からXDという略称が使われていましたが、2017年10月に発表のバージョン1.0からXDが正式名称となっています。
Acrobat
Adobe Acrobatもアドビの製品群の中では古く、1992年に製品のデモ発表会が行われました。PDFというファイル形式を採用することで、使用するOSやプリンタの種類にかかわらず同じ表示と出力が得られるという、まさに当時はアクロバティックな機能を提供するアプリでした。また、軽業師たちが持つ「優れたスキル」や「強さ」といったイメージを想起できる言葉ということで、Acrobatという名前になりました。
皆さんはいくつご存知でしたか?