Adobe Symposium 2019レポート(2) ドキュメントテクノロジーで業務価値を向上するには

2019 年 7 月 23 日〜24 日に開催された「Adobe Symposium2019」では、主要テーマである顧客体験マネジメント(CXM)を中心に、アドビのさまざまなビジネスソリューションを紹介させていただきました。

そのなかで、さまざまな業界のビジネスパーソンから注目されたのが、「新しいドキュメント体験による働き方改革の実現」に関するセッションです。この記事では、株式会社電通デジタルが目指す「業務効率化 3.0」と題する取り組みや、Adobe Document Cloud が実際に働き方改革にどのように貢献するかを説明したデモンストレーションのセッションを紹介し、業務価値を向上させるヒントをご提供します。

電通デジタルの業務効率化に貢献する Adobe Document Cloud

「〜業務効率化 3.0 〜 業務プロセスのデジタル化による価値創出」というセッションに登壇した電通デジタル ストラテジー部門 部門長補佐の大松正人氏は、顧客にデジタルストラテジーの提供を行いながら、「KNOWLEDGE 4」という、社内ナレッジマネジメントの基盤の構築・運営を推進し、同社の業務効率プロジェクトに取り組んでいるリーダーです。

株式会社電通デジタル ストラテジー部門 部門長補佐 大松正人氏

電通グループは労働環境改革の一環として、勤務終了から次の勤務開始まで9時間のインターバルを設ける、月に1日の「インプットホリデー」という休日を設定する、など様々な施策に取り組んでいます。

その中で「業務効率化」の重要性がより高まってきておりますが、業務効率化施策に関して社員にアンケートを取ったところ、「個人としては業務効率化に取り組んでいるが、チームとして見ると、業務効率化はまだできていないと思う」という実態が見えたそうです。詳しく聞くと、「何から手をつけたらいいかわからない」「ツール準備の時間がない」という意見があるほか、具体的な作業手間としては、「提案書などのドキュメントについて、PDF 形式のデータを別のデータ形式に書き換える手間がかかる」という意見が目立ったそうです。

社内ナレッジ共有基盤「KNOWLEDGE 4 」では、業務関連情報の循環を「情報発信を活性化させ」「フロー情報の整理と蓄積し」「蓄積情報へと到達し活用できる」の3ステップで仕組みを設計することで、業務効率化の先にある業務効率化3.0を実現します。

業務効率化3.0とは「最初は個人の業務効率化からスタートし、それが広がってチームの業務効率化になり、最終的には、業務効率化による顧客への価値創出を実現する。それらを業務効率化 1.0 から 2.0、 3.0 と呼び、進化のベクトルを定義づけることで、最終的には、業務効率の品質を高め、組織に根付かせていくことを目指しています」(大松氏)。

大松氏によると、そんな同社の活動に貢献しているのが、当社のドキュメントソリューション基盤である Adobe Document Cloud とのこと。このソリューションのベースとなっているのが PDF ですが、実は大松氏を始め、電通デジタルの社内では PDF について「修正できない」「分割や抜粋ができない」「転用できない」といった“誤解”があり、過去のドキュメント資産を活用できていなかったそうです。

Adobe Document Cloud を使えば、PDF の修正や編集が容易に実現できるほか、紙文書をスマホでスキャンして PDF 化する「Adobe Scan」というソリューションもあり、過去の資産を活用して業務を効率化できます。また、文書の共有・レビューもクラウド上で行えるため、業務プロセスも向上し、トライアルした社員の 9 割が「これからも使い続けたい」と考えていることがわかりました。大松氏は「業務を効率化することで、クライアントへの提案の質を上げていく。そのためには IT の活用が必須です」と話し、講演を終えました。

Adobe Document Cloud によるデジタルフロー改革

電通デジタル 大松氏の講演を受けて、最後に登場したのは、アドビ システムズ マーケティング本部の大倉壽子です。大倉は「大松氏の講演にあったように、PDF に関しては、『編集できない』『見るだけ』という誤解が多いのは事実。ですが、PDF は実は情報コンテナであり、紙で行う作業とほぼ同じことがデジタルでできる上、最新セキュリティにも対応したソリューションです」と説明し、デモを始めました。

アドビ システムズ株式会社 マーケティング本部 大倉壽子

デモでは、Acrobat DC を使った PDF の編集・作成、Adobe Scan による紙文書のスキャンと活用、それに Adobe Sign による承認フローのデジタル化などの動作を紹介。実際、Acrobat DC による PDF 文書の編集で生産性が 67.53%向上、Adobe Scan は 72.26%も生産性を上げるといった調査結果もあります。 大倉は最後に「将来は AI 機能がさらに進むことで、一層の業務効率化につなげていきたい」という抱負を語り、セッションを締めくくりました。