まだ地図を手書きしているの?地図データを読み込んで簡単に資料をレベルアップする方法

世界有数の事業用不動産サービス企業であるCushman&Wakefieldにとって、データの視覚化によるストーリーテリングは、新規ビジネスを獲得し、顧客の意思決定をサポートするために欠くことのできない重要なツールです。ニューヨークの小さな家族経営から始まったこの会社は、今や世界70カ国に400のオフィスを構え、51,000人の従業員を抱える商業不動産会社に成長しました。

クライアントが判断するために必要な不動産データの理解を支援する

Cushman&Wakefieldは、世界各地のクライアントに向けて、統合的な不動産ソリューションを提供しています。クライアントは入居者と投資家の2つのタイプに分類されます。入居者は、オフィスタワーのテナントのような商業用不動産の利用者です。投資家は不動産のオーナーです。

Cushman&Wakefieldのオフィスとクライアントの分布 出典:Cushman&Wakefield

テナントが成長中の事業のために新しいオフィスの場所を検討している場合でも、所有者が不動産を購入やリースや売却しようとしている場合でも、その判断は長期的な影響を持つ可能性があり、金額も億単位になります。

こうしたリスクの大きさを考えれば、どちらのタイプのクライアントであっても、意思決定に関わるデータを理解することは決定的に重要です。そして、データはどんどん増加しており、意思決定時のサポートに対する需要は高まる一方です。Cushman&Wakefieldのような企業にとっては、クライアントを支援するために、より良質で、より迅速で、より効率的な方法を、データの視覚化によるストーリーテリングを通じて実現することが大きな課題となっています。クライアントが少し先を見たら、「次にあるものが分かる」ようにすることが、Cushman&Wakefieldの、いわゆる「成功の基盤」なのです。

データの視覚化とストーリーテリングのためのモダンなツール

データに対する需要を解決する方法のひとつは、EsriのArcGIS Maps for Adobe Creative Cloudの採用です。Adobe Creative Cloudユーザーは、使い慣れたツールを使って、Esriのデータと連動するベクター形式の地図にアクセスし、デザイン要素を追加したり見た目をカスタマイズしてすばやく結果を得ることができます。この拡張機能の狙いは、効率や生産性を改善しつつ、クリエイティブな面も向上させることです。下の例では、その成果が現れています。下の図は Illustratorを使って作成され、コワーキングにまつわる簡潔なストーリーと商業不動産のトレンドを伝えています。

コワーキングの状況分析 出典: Cushman&Wakefield デザイナー: チユン・ジュン

最近、ビジネスデベロップメント兼クリエイティブストラテジーのバイスプレジデントであるチェルシー・グリブルと話をする機会がありました。彼女は、EsriがPhotoshopやIllustratorに統合されていることを発見する前に直面していたいくつかの課題を共有してくれました。また、この新しいソリューションを導入したことで、社内の多数のグループが、地図を使ってストーリーを伝え、クリエイティブな制作物の質を向上させることができたと説明してくれました。

「当社のツールキットに備わっている優れた機能によって、複雑な情報を、ぱっと見ただけで理解できるものに変えることができます。Esriが提供するデータと連動する地図とCreative Cloudの連携により、より多くの人々がその機能を利用できるようになりました」とチェルシーは語りました。

現在、アメリカ大陸全体で120人以上のプロフェッショナルが、EsriのArcGIS Maps for Adobe Creative Cloudを使用しています。Cushman&Wakefieldは、アメリカはもちろん世界中でさらに多くのチームが同様に働けるよう支援を続けており、データを通じてストーリーを伝える力が、地図の利用によりさらに強化されると期待しています。70か国の400のオフィスに在籍する51,000人の従業員を考えれば、成長の余地は十分にあるでしょう。

「営業チームからは、このような地図を使ったストーリーテリングが、契約時にいかに重要であるかを常に聞かされてきました」とチェルシーは話しました。「また、契約後でも、顧客が不動産に関する重要な決定を下す際に、地図とデータを使った説明が大きな助けになります。それを支援できることは、本当に喜ばしいことです」

物件を1つの地図に統合している 出典: Cushman&Wakefield デザイナー: マイク・ベイリー

地図は魅力的なビジュアル要素です。しかし、その作成は、困難で退屈な作業になりがちです。特に、説得力のあるストーリーを伝えるために、データをクリエイティブに組み合わせる必要がある場合はなおさらです。地域の顧客サービス担当マネージャーのダイアン・ ブラスキーウィッツによると、しばしばクリエイターは、自分で地図を探したり、買ったり、描いたりして、その上に好みの外観やスタイルを実現するために描き込む必要がありました。非常に多くを要求されて、作業には3~5日かかることが一般的でした。これはマーケティングチームのグラフィックデザイナーであるチユンにはごく見慣れた光景です。

「以前は、Googleマップに点をプロットし、Illustratorでオーバーレイを使い、その場所を手書きで描画していました。悪夢のような作業でした。時間をかけなければできない作業でした」

ArcGIS Map for Creative Cloudの導入

Adobe Creative CloudにEsriのArcGIS Maps拡張機能を併用することで、企業は会議の資料や広告に地図を使用したり、店舗の場所を表示することが簡単にできるようになりました。教育機関であれば、研究対象の範囲を示す地図を共有したり、公共部門やNPOのデザイナーならば、地域または世界規模で自身のサービスの影響を伝えるために利用することもできます。

Adobe Creative CloudとEsriの統合についてはこちら(英語)をご覧ください。データに連動する地図を使用して独自のクリエイティブなストーリーを作成する方法も書かれています。

実際に試したい方は、Adobe Exchangeのサイトからダウンロードしてください。インストールされると、IllustratorまたはPhotoshopのメインメニューのウィンドウ/エクステンションからパネルを起動できます。ArcGIS Onlineに公開されているコンテンツへの無料アクセスと、基本機能のサポートが提供されています。

この記事はElevating Creative Deliverables with Data Visualization: Cushman & Wakefield Adopts Esri Integration with Adobe(著者:Minson Chen)の抄訳です