InDesign20周年記念!アドビのエバンジェリストが選ぶ便利な使い方のヒント、トップ20
今年、InDesignは20周年を迎えました。この記事ではそれを記念して、アドビのエバンジェリストでInDesignマスターでもあるテリー・ホワイトが、皆さんのために選んだInDesignを便利に使うための20のヒントを紹介します。時間を節約し、より楽しみながら作業ができる新しい技を見つけてください。
レイアウトを簡単に行うためのヒント
1. イメージの置換
画像の置換がこれまでになく簡単にできるようになっています。Optキー (Mac) またはAltキー (Windows) を押したまま、新しい画像アセットを古い画像の上にドラッグ&ドロップします。すると、画像を差し替えることができます。
OptキーやAltキーを押さずにドロップした場合は、ドラッグした画像の新規追加になります。
2. オブジェクトに適用済みの効果を他のオブジェクトにも適用する
ドロップシャドウなどの効果をオブジェクトに適用した後に、同じ効果を他のオブジェクトにも適用するときにかかる時間を節約する方法です。
- まず、複製したい効果が適用されているオブジェクトを選択します。
- 効果パネル(ウィンドウ/効果)を開きます。すると、オブジェクトの欄の右端にFX アイコンが表示されています。
- そのFX アイコンを効果を適用したいオブジェクトにドラッグ&ドロップします。
3. ライブコーナーを使って角の形状を変更
ライブコーナーを使用すると、長方形フレームの角に効果を適用できます。画像の角を丸くしたいときに便利な機能です。
- 長方形のフレームを選択します。表示された黄色の四角形をクリックするとライブコーナーがアクティブになります。(黄色の四角形が表示されない場合は、表示/エクストラ/ライブコーナーを表示を選択します)
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- 表示された4つの菱形のひとつをフレームの中心に向けてドラッグすると、すべての角丸の半径を調整できます。
- Shiftキーを押しながら菱形をドラッグすると、ひとつの角だけ調整することができます。
4. レイアウトの自動調整
「レイアウトを調整」機能は、ページサイズ、ページのマージン、または裁ち落としが変更されたときに、ドキュメントのレイアウトを自動的に調整します。これにより、テキスト、イメージ、その他の要素を一つひとつ調整する手間を省くことができます。
- レイアウトを自動調整するには、 次のいずれかの操作を行い、ダイアログボックスを表示します。
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- ファイル/レイアウトを調整を選択します。
- ファイル/ドキュメント設定を選択し、「レイアウトを調整」を選択します。
- カンバスでドキュメントを選択し、プロパティパネルの「レイアウトを調整」をクリックし、ダイアログボックスを開きます。
- 「レイアウトを調整 」ダイアログボックスで、必要なオプションを指定したら、「OK」をクリックします。
詳細はこちらをご覧ください。
5. ドキュメントの向きの調整
横長のレイアウトで文書がどのように見えるか気になる場合も、レイアウト調整ツールをつかえば、ドキュメントの向きをに簡単に切り替えることができます。
- 「レイアウトを調整」ダイアログボックスを表示します。
- 「方向」に横向きを指定して「OK」をクリックします。全ページの向きが変わりコンテンツが自動的にレイアウトされます。
6. オンライン向けドキュメントへの動画の読み込み
Webドキュメントに再生可能なビデオを挿入するのは、画像を配置するのと同じくらい簡単です。
- ファイル/配置を選択して動画ファイルを指定するか、動画ファイルをドラッグ&ドロップします。
時間を節約できるショートカット
7. プレビューモードとプレゼンテーションモードの切り替え
プレビューモードとプレゼンテーションモードの切り替えを簡単に行いたい場合は、ショートカットキーを使いましょう。
- キーボードの文字Wをクリックすると、プレビューモードがアクティブになります。この状態では、印刷時と同様にドキュメントをグリッドなしで表示できます。
- Shiftキーを押しながらWキーをクリックすると、プレゼンテーションモードがアクティブになります。ドキュメントが全画面表示され、各ページをスクロールしながらプレゼンテーションを行えます。
8. ドキュメントヒストリーの表示
他の人から受け取ったドキュメントがどのようにつくられたのか、確認する必要が生じたことはありますか?そんな場合は、ドキュメントヒストリーを表示しましょう。
- メニューバーからMacではInDesign CCを、Windowsではヘルプを選択します。
- Cmdキー (Mac) またはCtrlキー (Windows) を押したまま、InDesignについてを選択します。
- 「ドキュメントヒストリー」の欄を確認します。ドキュメント履歴に関わる情報が記述されています。
テリーのお気に入りの隠し機能
9. 虹と足のストローク
鉛筆ツールで、虹を掛けたり、足跡を描けることを知っていますか?ストロークを描画して、以下の手順を行います。
- 「線」パネルを開き、右上のハンバーガーメニューをクリックして、「線種」を選択します。すると、「線種」パネルが表示されます。
- 「新規」をクリックして、「新規線種」パネルを表示します。
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- 虹: 名前の欄に「Rainbow」を入力し、種類に「ストライプ」を指定します。プレビューが虹に見えない場合は、線幅を広げてみましょう。
- 足跡: 名前の欄に「Feet」を入力し、種類に「線分」を指定します。プレビューが足跡に見えない場合は、線幅を広げてみましょう。
- 「線種」パネルに、虹と足跡が追加されていることを確認したら、「OK」をクリックして「線種」パネルを閉じます。
- 先程描いたストロークを選択し、「線」パネル内の「種類」を、RainbowやFeetに切り替えます。
10. グリッド配置
キーボードを使用して、描画中のオブジェクトをグリッド状、あるいは縦方向や横方向に並べて配置することができます。
- 楕円形ツールなどを使い、複数配置したいオブジェクトをマウスで描画します。そして、描画し終わっても、そのままマウスボタンからは指を離さず、次の操作を行います。
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- 上下の矢印キーを押すと、縦方向にオブジェクトを分割して数を増やしたり、減らしたりできます。
- 左右の矢印キーを押すと、縦方向にオブジェクトを分割して数を増やしたり、減らしたりできます。
- マウスの位置を移動して、グリッド全体の大きさを変更できます。
- Shift キーを押して、正方形や円を描くことができます。
11. 複数の図形をひとつのフレームに結合する
複数のオブジェクトや要素を、ひとつの画像の上に配置するために利用できるテクニックです。
- ひとつのフレームに変換する2つ以上のオブジェクトを選択します。
- オブジェクト/パス/複合パスを作成に移動します。
12. Photoshopカラーピッカーへの変更
Photoshopのカラーピッカーが好きな人はいませんか?
- ツールバーの塗りまたは線のアイコンをダブルクリックします。InDesignにPhotoshopカラーピッカーツールが表示されます。
カラーパネル内のアイコンからも同様の操作が可能です。
必要な時に頼りになる機能
13. コンテンツに対応した適合性
InDesignには、フレーム内に画像を配置したときに、画像の最適な部分が表示されるようサイズ変更と位置決めされる機能があります。
- フレームを選択します。
- プロパティパネルの「フレームサイズ調整」アイコンから「内容を自動認識に応じて合わせる」を選択します。
これをデフォルトのフレーム調整オプションにするには、環境設定/一般に移動して、「内容を自動認識に応じて合わせる」をデフォルトのフレームサイズ調整オプションにするを選択します。
14. OpenType SVGフォントのサポート
InDesignは、OpenType SVGフォントをサポートしています。ひとつの字形で、複数の色とグラデーションを提供できます。また、OpenType SVG絵文字フォントを使用すると、顔文字、旗、道路標識、動物、人、食べ物、ランドマークなど、様々なカラフルでグラフィカルな文字を文書に含めることができます。
詳細はこちらをご覧ください。
15. PDFコメントの読み込み
コメントが記録されたPDFをInDesignに読み込んで、フィードバックや注釈を追跡し、管理することができます。
読み込むには、次のどちらかの操作を行います。
- ファイル/PDFコメントを読み込むを選択します。
- ウィンドウ/PDFコメントを選択し、PDF コメントを読み込むをクリックします。
「PDFコメント」パネルには、読み込まれたすべてのコメントが表示されます。コメントを承認し、解決済みまたは未解決のマークを付けることができます。
詳細はこちらをご覧ください。
16. フォントのライブプレビュー
InDesignには、数百種類ものフォントが用意されていて、フォントパネルから簡単に利用できます。
フォントパネルには、各フォントの横に、選択したテキストのプレビューが表示されます。テキストフレーム内のテキスにトも、フォントパネル内のカーソルの位置にあるフォントがライブで反映されます。
フィルタを適用して、最近追加したフォントやお気に入りのフォントだけを表示することもできます。
詳細はこちらをご覧ください。
作業に役立つツール群
17. コンテンツ収集ツール
コンテンツ収集ツールは、複数の要素を保管できるクリップボードです。アイテムを保存し配布するための、一時保管所として使えるツールです。
- ツールボックスのコンテンツ収集ツールアイコンをクリックして、コンテンツコンベヤを開きます。
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- アイテムを選択してコンベヤに追加するには、コンテンツ収集ツールを使用します。
- コンベヤからアイテムを選択してドキュメントに追加するには、コンテンツ配置ツールを使用します。
このツールの詳細についてはこちらをご覧ください。
18. カラーテーマツール
- カラーテーマツールは、画像に使われている色からカラーテーマを選択できるツールです。作成したテーマは、スウォッチまたはライブラリに追加できます。
- ツールボックスのカラーテーマツールアイコンをクリックしてパネルを開き、画像を選択します。
- 以下のいずれかの方法で、画像からカラーテーマを作成します。
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- 領域をクリック: 画像全体の色を使用する場合は、領域をクリックします。画像全体の色に基づくカラーテーマがパネルに表示されます。
- クリック&ドラッグ: 画像の特定の部分の色に絞る場合は、最初にカラーテーマツールをクリックしてリセットし、次にドラッグ操作により画像の領域を選択します。
- Shiftキーを押しながらクリック: 階調を1つに絞る場合は、カラーテーマツールをリセットした後、Shiftキーを押しながら画像の一部をクリックします。
このツールの詳細についてはこちらをご覧ください。
19. 間隔ツール
間隔ツールを使用すると、複数のオブジェクト間の間隔をすばやく調整できます。また、オブジェクト間の間隔を維持したまま、エッジが揃えられた複数のオブジェクトのサイズを同時に変更することもできます。
- ツールボックスの間隔ツールアイコンをクリックして選択します。2つのオブジェクト間にポインターを移動し、次のいずれかの操作を行います。
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- ドラッグ: 間隔を移動し、間隔に沿って位置揃えされたすべてのオブジェクトをサイズ変更します。
- Shiftキーを押しながらドラッグ: カーソルに最も近い2つのオブジェクト間の間隔の移動とサイズ変更を行います。
- Cmd/Ctrlキーを押しながらドラッグ: 間隔を移動せずに、サイズだけ変更します。Shiftキーを追加すると、カーソルに最も近い2つのオブジェクトの間隔のサイズだけが変更されます。
- Opt/Altキーを押しながらドラッグ: 間隔とオブジェクトを同じ方向に移動します。Shiftキーを追加すると、カーソルに最も近い2つのオブジェクトだけが移動します。
- Cmd+Opt/Ctrl+Altキーを押しながらドラッグ: 間隔のサイズを変更し、オブジェクトを移動します。Shiftキーを追加すると、カーソルに最も近い2つのオブジェクトの間隔をサイズ変更し、オブジェクトを移動します。
このツールの詳細についてはこちらをご覧ください。
20. ページツール
ページツールを使用すると、ドキュメント内の個々のページに異なるページサイズを設定することができます。
- ツールボックスのページツールアイコンをクリックして選択します。
- Optキー (Mac) またはAltキー (Windows) を押したまま、ハンドルをドラッグします。
このツールの詳細についてはこちらをご覧ください。
この記事は20 Years of InDesign: The Top 20 Tips & Tricks from Worldwide Evangelist, Terry White(著者:Adobe Graphic Design Team)の抄訳です