Adobe Animate 20.0アップデート #Animate #AdobeMAX
Adobe Animateが 20.0までアップデートを重ねてきたことを嬉しく思います。プロ、アマチュアを問わず、すべてのアニメーターにとってこのプロダクトがより使いやすく、効率的になったと確信しています。今回のアップデートの特徴は、UIの大幅な見直しとワークフローの簡素化です。また、アニメーション全体、あるいは一部だけをあらゆるビデオ形式に書き出すこともできます。さらに、Adobe Frescoにも同時に搭載された、新しいベクターブラシ「流体ブラシ」も追加しました。そして、アプリ内のガイド付きチュートリアルは、初心者にとってこれからのアニメーター人生の一歩を踏み出すきっかけとなるでしょう。各機能の詳細をご紹介します。
UIの再デザイン
再デザインされたUIにより、Animateはシンプルでありながらもクリエイティビティをより強力に発揮できるツールとなりました。新しいプロパティパネル、パーソナライズ可能なツールバー、モダンなタイムラインなど、タッチ入力環境にも適応したインターフェイスとなっています。
パーソナライズ可能なツールバー
ツールバーのカスタマイズ
自分だけのツールバーのデザインをカスタマイズできます。どのツールバーについても、ツールの追加、削除、グループ化、再配置を思いのままに行えます。
ツールバー上の異なるグループは、区切りスペースで分割されます。分割されたグループはドラッグアウトし、ワークスペース上の使いやすい場所にまとめて移動することもできます。
このようにカスタマイズしたツールバーは、ワークスペース全体のカスタマイズの一部として登録できるため、別のプロジェクトで必要になったときに再び利用できます。
詳細は、ヘルプのAnimate のステージとツールパネルの使用をご覧ください。
モダンなタイムライン
進化したオニオンスキンモード
Animateでは、タイムラインのコントロール類が見直され、新しいオプションや機能が追加されています。
- オニオンスキンボタンに高度な設定オプションが追加され、開始時の不透明度、透明度の差分、範囲、モードといったさまざまな設定のパラメーターを選択できるほか、オニオンスキン表示の制御も可能です。
- 任意のレイヤーをクリックし、特定の色でレイヤーをハイライトできます。
- 単一レイヤー表示オプションを使えば、アクティブなレイヤー上の作業に専念できます。
- ツールバー上のハンドツールは、タイムライン表示の移動(パン)にも使えます。
- キーフレームを挿入、複数フレームを編集、クラシックトゥイーンを作成、の各オプションをカスタマイズできるように、タイムラインのコントロール類が強化されました。
- タイムラインメニューのオプションが簡素化され、FPSを合致、タイムライン制御(上)、タイムライン制御(下)など簡潔な機能が新たに追加されています。
詳細は、ヘルプのAnimate でのタイムラインの使用をご覧ください。
新しいプロパティパネル
新しいプロパティパネル
Animateに新しく追加されたプロパティパネルは、現在作業中のタスクやワークフローのコンテキスト(文脈)に応じた設定やコントロール類を表示します。この新しいパネルは、必要なときにいつでも適切なコントロール類にアクセスできるよう、使いやすさを念頭に置いて設計されています。
プロパティパネルとして刷新された新しいインターフェイスには、さらに多くの改良が加えられています。クリックするだけで、選択対象のプロパティがツール、オブジェクト、フレーム、ドキュメントといったタブ上に現れます。
- ツール:現在選択中のツールのプロパティを表示します。
- オブジェクト:現在ステージ上で選択中のオブジェクトのプロパティを表示します。
- フレーム:現在タイムライン上で選択中のフレームのプロパティを表示します。
- ドキュメント:現在作業中のドキュメントのプロパティとパブリッシュ設定を表示します。
上記のタブの「クイックアクション」セクションには、頻繁に使われるアクションがリストされます。また、各セクションの再配置、サイズ変更、折りたたみなどのカスタマイズは、プロパティパネルでも可能になっています。
詳細は、ヘルプのAnimate CC オーサリングパネルの使用をご覧ください。
アプリ内のガイド付きチュートリアル
アプリ内のガイド付きチュートリアル
Animateのアップデート内容や、アニメーション制作におけるコンセプトを把握するために最適なのが、わかりやすいガイド付きチュートリアルです。今回のアップデートを使い始める際には、ぜひハンズオンチュートリアルをご利用ください。ヘルプタブから選択できます。このチュートリアルは、Animateの初心者と熟達者の双方が、Animateを使ってアニメーション制作を行う際に理解が必須となる機能やコンセプトを習得できるよう作られています。Animateのインタラクティブチュートリアルは、ユーザーがシンプルな作例アニメーションを見ながら同時に作業できるようになっています。ガイド付きチュートリアルは、わかりやすいステップで構成されています。
- 弾むボール:フレームバイフレームのアニメーション、タイムライン上でのキーフレームの追加、オニオンスキン、アニメーションの再生とプレビュー、コピー、ペースト、フレームの反転などのコンセプトを学べます。
- 踊る炎:ツールバーのカスタマイズ、プロパティパネルの使用法、レイヤー、ライブラリ、トゥイーンシンボルの追加および編集を学べます。
各チュートリアルを最後までやり切れば、誰でもアニメーションを制作し、SNSにパブリッシュしてフォロワーを驚かせることができるでしょう。
ビデオの書き出し強化
メディアの書き出し
シームレスなメディアへの書き出しを実現するために、AnimateではAdobe Media Encoderのみを用いるようになりました。このため、より多くの種類のメディアにアニメーションの書き出しが可能となっています。さらに、Adobe Media Encoderがサポートしているファイル形式とプリセットをAnimate内から直接選択できるようになりました。
- Adobe Media Encoderで作成したカスタムのプリセットを指定することも可能です。デフォルトでは、AnimateはAdobe Media Encoderのレンダーキューを自動的に開始するようになっています。
- すべてのシーン、特定の1シーン、あるいはフレーム範囲を指定して書き出すことができます。
- フレーム範囲のオプションを選ぶと、タイムライン上に設定したループ範囲の先頭と末尾の各フレーム上に自動的にキーフレームを生成します。
新しい流体ブラシ
新しい流体ブラシ
新しく追加された流体ブラシは以下のさまざまな機能を持っています。
- 描画中に生成される、ストロークのライブプレビューの改善。
- サイズ、色、スムージングといった通常ブラシのオプションに加え、筆圧変化や速度変化のパラメーターを備えています。
- 真円率、角度、テーパーのような追加のブラシオプションを設定して表現の幅を広げ、作品にユニークなスタイルを適用できます。
- ストロークを描画する際に生じる微細な変動やズレを回避するためのスタビライザーオプションが利用できます。
詳細は、ヘルプの流体ブラシをご覧ください。
ホーム画面
ホーム画面
Animateを起動すると、ホーム画面が現れ、以下が表示されます。
- コンセプト、ワークフロー、利用のヒントや小技などをすばやく習得し理解できる多彩なチュートリアル。
- 新規ドキュメント作成時の設定の手間を省き、すぐに作業に取り掛かれるようにするための、よく使われるプリセット。
- 最近使ったドキュメントの表示。
- 新規ドキュメントを作成するための「新規作成」ボタン
- ドキュメントを開くための「開く」ボタン
ホーム画面に表示されるコンテンツは、ユーザーがどれだけIllustratorに習熟しているか、およびCreatie Cloudプランの種類によって適切なものに入れ替わります。
アプリケーション設定
アプリケーション設定
アプリケーション設定は、Animateユーザーの使い勝手を念頭に置いて刷新されました。アップデートされたバージョンでは以下が可能となりました。
- ユーザーの習熟度に応じた環境設定の切り替え。
- 基本、上級、読み込み、書き出しの間で切り替わります。基本モードは初心者に最適で、上級モードは熟達者のためのものです。
- ワークスペース設定、キーボードショートカット、環境設定の書き出しと読み込み。
- Animateを使ううえで最も便利なモードに切り替えることができます。
- UIは、コンパクトと快適の両モード間を容易に行き来できます。
- 読み込みと書き出しオプションのUIを再構成しました。新しいオプションでは読み込みと書き出しの対象をカスタマイズできます。
パフォーマンスと安定性の向上
私たちは、新バージョンをリリースするたびに安定性の向上に努め、よりよい製品の提供を目指しています。
新バージョンのAnimateでは、タスクを実行する際の精度を高めています。特に、保存オプションとタイムラインの再生オプションの機能をより洗練させ、生産性を高めるとともに、複数タスクを並行して実行する際の手間を減少しています。
その他の変更点
キーボードショートカットのサポート強化:タイムラインおよびツールバーの基本機能のすべてにキーボードショートカットを割り当て可能になりました。ブラシ、消しゴムモード、カラーの入れ替え、レイヤー、そしてフレームの各オプションそれぞれに、キーボードショートカットを設定できます。キーボードショートカットの追加や編集は、キーボードショートカットダイアログで行います。
HTML5 Canvasドキュメントのパブリッシュにおけるアセットの書き出しワークフローの強化:「イメージアセットを書き出す」設定に「イメージアセット」オプションが追加され、画像の品質に影響を与えずに最適化が行えるようになりました。
SVGシーケンスの書き出し:タイムラインをSVGシーケンスとして書き出せるようになりました。「ファイル/書き出し/ムービーの書き出し」を選択し、ファイル形式に「SVG シーケンス」を指定します。
カメラへのフィルターとカラー効果の追加:新しいプロパティパネルから、カメラの新しい機能を利用できます。任意の種類のフィルターまたはカラー効果をカメラに適用できます(フレームに適用する場合と同様です)。
アプリケーションバーおよびドキュメントバーへの追加:再生ボタン、ステージ回転ボタン、段階ズームボタンがわかりやすく、手の届きやすい位置に追加されました。
新しいJSAPIのサポート:新しいJSAPIを使えば、カメラ、レイヤー深度、レイヤー効果、レイヤーの親子階層構造、テクスチャアトラス、SVGの書き出し、ムービーの書き出しなどを操作できます。
加えて、Animateは新しいバージョンのCreateJSライブラリ、Adobe Creative Cloudライブラリ、Flash Player、AIRをサポートします。
詳しくは、こちらのリンク(英語)と、Adobe Animate製品ページをご覧ください。アニメーション制作を楽しみましょう!
この記事は2019年11月4日に公開されたAdobe Animate 20.0 is Live Now!の抄訳です。