アドビとIBM iX、パートナーシップ拡大により、企業の強力で一貫性ある顧客体験の設計をサポート

Adobe XDを用いた新たなDesign Systems as a Serviceにより、デジタル製品のより迅速に市場投入が可能に

ビジネスにとってデザインは、一段と競争上の差別化要因となってきていますが、顧客の期待値の上昇や技術進歩が続く中、全てのチャネルで一貫した、魅力ある体験を提供するということが難しくなっています。特に、統一されていないワークフローやサイロ化したチームが、大きなスケールでそうした魅力的な体験の提供を困難にしているため、組織にデザインシステムを導入することが重要なのです。

デザインシステムは、全てのデザイン製品の集中管理システムで、デザインチームと開発チームを一体化させます。そして、この効率的なツールによって複雑で大規模な組織はデジタル製品をより素早く商品化することができるようになります。しかし、多くの組織はいまだにデザインシステムの導入に苦労しており、時間、資源そして知識の制約に縛られているなか、一度デザインシステムが確立されると、時として管理が不適切になることがあります。

アドビとIBM Servicesの企業向けデザイン部門であるIBM iXは本日、パートナーシップの拡大を発表しました。IBM iXは、アドビのエクスペリエンスデザイン プラットフォームであるAdobe XDを用いた同社初のDesign Systems as a Serviceを提供し、グローバル組織がより簡単にデザインシステムの導入や管理をできるようにします。この新しいDesign Systems as a Serviceにより、組織内の共同作業の促進に焦点を当てたオペレーションモデルを確立することができます。それにより、より早く効率的に作業をこなし、コスト削減につなげることができます。また、既存のデザイン要素を再検討する為の時間を短縮し、新しいビジネスのアイデアや戦略により注力することができるようになります。

さらに、アドビとIBM iXが提供するこのサービスで、IBMのオープンソースのデザインシステムであるCarbonデザインシステム(英語)を導入したカスタマイズが可能となります。Adobe XDで作られたCarbonデザインシステムによって、ユーザーは新たに開発されたCarbonデザインキットをカスタマイズすることができるようになり、市場への投入スピードを加速させ、世界に通用するデザインシステムを作り、維持する為のコストを削減することが可能になります。

IBM iXのグローバル チーフ クリエイティブ オフィサーのビリー シーブルック(Billy Seabrook)氏は、次のように述べています。「アドビとわが社は、企業に対してより良い効率性や使いやすさ、コスト削減の実現に貢献すると同時に、デジタル製品をより早く市場に投入するためのサポートが重要であるとの認識を持っていました。IBM iXは、Adobe XDを用いて、大規模にカスタマイズ可能なデザインシステムの運用のために複数の手法を提供すべく、当社初のDesign Systems as a Serviceをつくり商品化しました。」

IDCの顧客体験部門のプログラム バイスプレジデントのアラン ウェーバー(Alan Weber)氏は、次のように述べています。「デザインは、体験の差別化の土台となるものです。デザインを運用可能なものにして差別化した体験上に築くデザインシステムは、ビジネスの長期的な成功のため重要な意味を持ちます。エクスペリエンス市場の性質や方向性を変える力を持つオープンソース アクセラレータ モデルでエクスペリエンス分野の上位2社が協業するという点で、IBM iXとアドビのパートナーシップは大変興味深くかつ素晴らしいものになりました。」

この新しいDesign Systems as a Serviceで、独自のデザインシステムを作り、協業と効率化を加速させることが可能になります。Design Systems as a Serviceには以下が含まれます。

IBM iXは、新しいDesign Systems as a ServiceをAdobe XDにより提供することで、デザインおよび開発チームがより早く制作、共同作業を行い、次世代のデジタル体験を提供することを可能にします。Adobe XDは今朝、いくつかの素晴らしい新機能を発表しました。ベータ版で提供される、他のデザイナーとのリアルタイムの共同編集が可能となる共同編集機能、ドキュメントの履歴トラッキング機能、そしてComponent Statesなどの新機能が追加されます。Component Statesは、タブがアクティブになっている、ユーザーがボタンを打つ、などの様々なユーザーの操作を示す、単一のユーザーインターフェイス要素のバリエーションをサポートする機能です。デザインシステムは、デジタル製品の長期に渡る成功や生き残りのため、今や欠かせないものとなっています。そして、組織内の複数のデザインチームによる共同作業や調整業務を改善するAdobe XDは、企業がデザインシステムを導入するための重要なプラットフォームになっています。

IBM iXは過去数年に渡るアドビのパートナーであり、あらゆる顧客接点においてデータに基づきカスタマイズされた体験を提供する為、Adobe Experience Cloudの緻密に統合されたアプリケーションを利用してきました。

新しいDesign Systems as a Serviceの誕生により、アドビとIBM iXは、ばらばらになっていたマーケティングとデザインチームを、共通の指針やガイドラインの下に一つにし、不確実性を排除しながら、クリエイティブ資産を一つのソースによりグローバル展開していきます。加えて、今回のパートナーシップにより、Adobe Experience Cloudで提供されている他のアプリケーションも使うことができるようになり、クリエイティブ資産を全てのマーケティングチャネルおよび顧客接点で素早く活用することができます。この独自の仕組みにより、組織は大規模にコンテンツを制作、運用、評価し、収益化することができるようになります。

IBM iXはまた、11月3日にAdobe MAXのAdobe UX Leader Summitに参加しました。そこでは、「Build an Enduring Design System(永続的なデザインシステムの構築)」と名付けられたラウンドテーブルにおいて、専門家たちがDesign Systems as a Serviceのプレゼンテーションを行いました。Adobe UX Leader Summitでは世界中から200人以上のデザイナーが一堂に集まり、組織全体で利用できる実行可能な手法やデジタルプレイブックの紹介に加え、最新のUX デザインの話題に関して意見を交わしました。

Adobe XDの詳細はこちら、IBM iXの詳細はこちらをご覧ください。

※本ブログは、2019年11月4日にアドビデジタルメディア事業部門担当バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー、アシュリースティル(Ashley Still)のブログの抄訳です。