デザイントランスフォーメーションを推し進めるリーダーたちが結集する「Design Circle」を発足#AdobeMAX

私たちは、デザインが持つ意義の今後の展開を決定づける重要な段階にいます。デザイナーという職業は、過去数十年の間に著しい変革を遂げ、実務家、企業、および社会に大きな成果と機会を生み出しました。同時に、デザインが世界に与える影響も、これまでになく大きく、かつ論議の対象となってきました。

ここからデザインがどこへ行くかは、最も重要な議題です。私たちアドビは、デザインは何よりもまず人々の利益に貢献し、私たちの世界の改善に向けて働くべきであると信じています。そうであれば、デザインに関わる職業人すべてがその使命を負っているはずです。それを将来にむけて確実に継続するためには何をすべきでしょうか?

本日、こうした問いへの答えを導き出すきっかけとなる新しい取り組みを発表します。この「Design Circle」には、デザイン業界全体からこの職業に新たな変化をもたらすために26名の先進的な意見を持つメンバーが集いました。このグループの主目的は、年間25万ドルの奨学金をもって、多様なバックグラウンドの学生を大学のデザインプログラムに送り出すことです。

Design Circleの使命

このプログラムの目標は、第一線のデザイナーなどデザインを考え、制作する人たちで構成した選ばれたグループで議論を広げ、アイデアと知識を共有し、業界に道を示すためのプラットフォームを構築することです。私たちは、メンバーとなるデザイナーを広く大小のチーム、スタジオ、クリエイティブエージェンシー、およびフォーチュン1000企業から集めました。

私たちの設立の趣旨は、毎年多様なバックグラウンドを持つ10人(個人)を選び、奨学金を授与することです。アドビは2020年の秋にスタートする認定された大学のデザインプログラムの授業料として4年間で各学生に25,000ドル、または最大100,000ドルを提供します。これがデザインにおける独自の感性を持ったマイノリティの方々の制作物への新たな議論の出発点になることを願っています。最終的にこれは、今後の10年とその先の未来を見据え、デザインが進むべき道を議論するという私たちのコアチャレンジに繋がってきます。

Design Circleのメンバーは、この議論を盛り上げていくことにコミットしています。奨学金基金の意思決定に加えて、メンバーは、奨学金受給者が学部教育中に実地的なデザイン経験を得られるように指導し、短期、長期の就業体験、およびその他のトレーニングの機会を提供します。また、ビジネスとしてのデザイン、デザインがもたらす社会インパクト、およびデザインの未来を考察するための新しいフォーラム「XD Ideas」を舞台にした活躍も奨学金受給者には期待しています。そこではメンバーが視点を共有し、記事を投稿し、自分の洞察力と見解を提案し、ビデオやウェビナーに登場し、今日の業界が直面している問題に関する対話に参加します。一言でいえば、皆さんはこれからDesign Circleメンバーの活発な活動を見聞きすることになるでしょう。

個人的な追記

この新たな取り組みで多くの優秀で尊敬されているフェローデザイナーと仕事をすることができ、とても光栄です。このような皆さんと一つのグループになり業界と社会との関係性にインパクトを与え、デザインに前向きな道を示すことは、長い間私が思い描いていたものでした。

また、アドビにおける同僚であるカリ ノーダー(Kari Norder)に非常に感謝しています。彼女は、漠然としたビジョンとして始まったものを具体的な現実に変えるために、仕事の大部分を担ってきました。カリはこのグループの取り組みを引き続き支援していきます。来年のDesign Circleの展開に伴い、彼女の名前と顔を皆さんもよく目にすることになるでしょう。

本日11月4日にロサンゼルスで開催されるアドビの毎年恒例のMAXカンファレンスでDesign Circleを正式に紹介します。その直後から、XD Ideas(英語)、ソーシャルメディア、公開イベントなどを通してメンバーが活発な活動を開始する予定です。

この投稿の冒頭で述べたように、私たちは岐路にあり、その先にはさまざまな可能性が待っています。しかしそれはまた、善いことを為せる可能性に充ちた時機であることも意味します。まさにそれを目指して、皆さんとともに取り組んでいきたいと思っています。

この記事は2019年11月4日に公開されたDesign Leaders Come Together to Advance Design Transformation: Introducing the Design Circleの抄訳です。