印象に残るポートレートを撮るために。#Adobe Stock

連載

CURBONと考える、「共感」を呼ぶ作品の作り方

Adobe Stockで作品販売を成功するコツのひとつは、いかに見る人の注目を集めることができるかです。このブログでは、Instagramなどのソーシャルで大活躍されているCURBONのオススメ アーティストから、制作テクニックをご紹介いただき、売れる作品作りのヒントをご紹介し ます。

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初めまして。haruna kikuchi(@_haruna_kikuchi_)と申します。
普段、ポートレートを中心に作品撮りをしています。
今回は、わたしが作品撮りをする際のこだわりを書かせていただき、読んでくださった方が写真を撮る際のヒントに繋がれば良いなと思います。

Adobe Stockには、様々な種類のたくさんの素晴らしい作品があります。
わたしはその中でいかに「自分の写真を見てもらえるか」が大切になってくると思います。

「見た人の印象に残る作品とは何か」と考えたとき、「美しい」写真というのはもちろんなのですが、テーマ性があり、見た人の想像力を掻き立てる作品が印象に残ると思っています。

特に、わたしが作品作りをする際は、”心地よい違和感”を作り出すということを大切にしています。

”心地よい違和感”とは、シンプルで情報量は多くないけれど、一癖あるものです。デザインが一風変わっていたり、現実には起こりにくい組み合わせを演出することで、見る人をより引き込むことができると考えています。

そのために、まず、わたしは撮影する前に、何を表現したいかテーマを決め、複数の要素に分解して考えます。例えば、何を被写体にするか、ロケーションはどこにするか、自然光で撮るか、照明機材を使うか、どの色を選ぶか、など、それぞれの要素の中で何を選択して組み合わせると理想のテーマを表現できるのかを考え、その上で撮影に臨んでいます。

下の写真をご覧ください。

この撮影では、仲の良い友人に被写体をお願いしました。わたしの中で彼女のイメージカラーが赤と白だったこと、チューリップが思い入れの強い花だったこともあり、それを踏まえて撮影のイメージをしました。

まず、被写体である女性を花の化身として写すために、チューリップの色と同じ、被写体の衣装を赤に選びました。
また、ロケーションは雪原を選び、寒さの中、凛と生きる花や被写体自身が持つ強さを表現しました。この写真の中で占める色は赤と白がメインになります。

この写真におけるポイントは、雪原に花が咲いていることです。実際のシチュエーションでは考えにくいかもしれませんが、実際に起こり得ないことを演出することは、”心地よい違和感”を表現する上で大切なことだと、わたしは考えています。

また、これらの写真には、違和感を作り出すために、下の3つの対比を盛り込んでみました。・被写体の対比(人間⇆花)
・季節の対比(冬(雪原)⇆春(チューリップ))
・色の対比(赤⇆白)

これら以外の情報を少なくすることで、ごちゃごちゃとした印象がなく、テーマがわかりやすいため、見た人に伝わりやすくなります。

振り切った表現から生じる違和感も面白いですし、見る人の印象に残る作品になると思いますが、私が目指す”心地よい違和感”は、そこまで激しくなく、例えば一瞬自然に見えますが、よく見ると不自然という、絶妙なバランスを追求しています。
”心地よい違和感”を作り出すために、ちょうど良い塩梅を探すのは難しいですが、そこが何よりもやりがいがあり、面白いところであると私は思っています。

何を表現したいかテーマを決めた上で「被写体」「ロケーション」「光」「色」などの要素に分解し、組み合わせることで、自分のイメージがぶれずに撮影に挑むことができます。
また、その組み合わせ方によって、生まれる表現のバリエーションがグッと増えます。

テーマ性のある写真というのは、写真を見た相手に自分の想いを伝えやすく、また共感を得やすいと思います。そのため、Adobe Stockでも目を引くものになるはずです。ぜひ参考に撮影してみてください。

ただいま、Adobe Stockでは作品を投稿して下さるコントリビューター(投稿者)を募集中です。コントリビューター登録がお済みでない方はこちらからどうぞ。みなさまの素敵な作品をお待ちしています。