企業がいますぐ動画内製化に取り組むべき理由 第5回 動画内製化(インハウス動画制作)と編集アプリ #PremierePro #PremiereRush

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企業がいますぐ動画内製化に取り組むべき理由

みなさん、こんにちは。株式会社火燵の安部(Twitter : @kotatsu_kun)です。

今回は第5回「動画内製化(インハウス動画制作)と編集アプリ」についてお伝えします。

動画内製化ブログシリーズもいよいよ大詰め、撮影が終われば編集作業になります。今回は動画編集アプリにはどんな選択肢があるのか?またそう言った編集アプリでどのような事ができるのかをまとめてみます。

動画編集アプリの課金モデルについて

動画編集アプリには無料版と有料版があります。メーカーによって期間限定で無料のものや機能制限して無料にしている試用版など課金モデルは様々です。まず動画内製化をこれから始める方は基本的な考え方として「安いものから試してみる」と言うのは適切な考え方だと思いますので、まずは迷う事なく無料版や体験版で試して見てください。自分が作りたい目標の動画に対して編集アプリの機能が足りない、限界があるなど明確な場合は有料アプリを導入しましょう。

無料動画編集アプリについて

無料動画編集アプリのメリットはやはり手軽さでしょう。動画内製化(インハウス動画制作)をはじめる多くの方が動画編集アプリを検索して無料のものから試しにインストールしている事でしょう。自分に合わないものは削除して、使えそうなものから挑戦してみてください。デメリットを挙げるなら機能性です。無料アプリの性能も有料版にかなり近づいてはいますが、それでも無料版に高度な機能はほとんど期待できません。また細かい編集にも不向きです。無料版は業務で使われる事を想定されたものは少ないですからエラー対応やサポート体制も充分とは言えないかもしれません。

有料の動画編集アプリについて

有料版についてのメリットは無料版の反対となります。機能性や更新性、サポート体制などは充実しています。有料である事以外のデメリットを挙げるなら、業務用に近いアプリは操作を覚えるのに時間が掛かることや画面が複雑なことでしょう。そのデメリットを無くすためにメーカーとしてはチュートリアルの充実、簡単なUIの構築はもちろんのこと、完成した動画のシェア方法や編集素材の活用・共有機能に力を入れているようです。今後は動画編集アプリの付加価値もこれまでのものと一線を画するようになるでしょう。アドビで言えばAdobe StockやAdobe Fontsなどが挙げられます。

動画編集アプリケーションとデバイスについて

動画編集を行う上で選択しなければならないのは、編集アプリとアプリをインストールするデバイスです。よくある質問についても、どの様な動画編集アプリがお勧めですか?動画編集を始めるにあたり、どのようなPCがお勧めですか?と聞かれることが多いです。筆者のこれまでの経験で言うと、扱う動画素材の長さと、編集の細かさでデバイスやアプリを決定する傾向があるようです。また動画内製化を本格的に検討される場合、無料アプリを選択される事はほとんどないので、有料アプリをベースにしてまとめてみます。

スマートフォン、タブレットでの編集について

スマートフォンやタブレットで編集する場合は、とにかく手軽さが優先されるケースだと思います。スマートフォンで撮影したものを、そのままスマートフォンで編集するのは自然な流れです。編集にはAdobe Premiere Rushを使う事を個人的にもお勧めします。様々な動画編集アプリを試しましたが、簡単なカット編集、音楽・テロップの追加を行う程度であればRushが一番動画内製化に合っていると言えます。スマートフォンの画面の小さから敬遠する方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的な動画編集機能は全て備えた優れものです。RushはiOS版、Mac版、Android版、Windows版が提供されていますので、どこでも誰でも編集可能です。タイトルのデザインはAdobe Stockの数百点に及ぶテンプレートの中から選択可能です。デザインの知識ゼロでOKです。もうタイトルの配色に迷う事必要はありません。YouTubeやInstagram、TwitterなどSNSを横断した動画ファイル作成にも対応しています。縦長動画、正方形動画もバッチリ対応です。個人的に便利だと思う機能は音声のノイズ除去機能です。高度な専門アプリのように細かい設定で美しくノイズを除去出来るわけではありませんがワンタッチで直感的にノイズを除去できるの機能は優れものです。Rushはスマートデバイスで動画を素早く編集・公開できるクオリティを出すのに必須のアプリです。扱う動画素材の量が数十分超えない場合、完成動画の試写チェックが短い場合はRushを試してみてください。

パソコンでの編集について

実はRushはスマートフォンだけでなくパソコンでも使用可能です。上述した通り、動画編集の基礎であるカット編集、テロップ・音楽の追加くらいで編集が完了するのであればRushから動画内製化をスタートするのはアリだと思います。しかし、パソコンでの動画編集で代表的なアプリといえばAdobe Premiere Proです。Adobe Premiere Rush とAdobe Premier Pro、2つのアプリの位置付けは正式名称が物語っているようにProは動画編集なら全て対応可能なプロ仕様。Rushは映像制作業界の用語で「まだ編集の終わっていない動画素材のどの部分を仕様検討するかの試写」という意味があります。実際にRushで行える編集作業は動画編集の基礎となる機能のみです。Premiere Proの基礎の部分をRushが持っていると考えてもらえればと思います。Rushができない高度な事は全てPremiere Proで行うことになります。例えば、グリーンバックでの合成、詳細な色や明るさの補正、様々なエフェクトの追加など、クオリティと同時にスピードが優先される場合はPremiere Proでの作業になります。

以上、いかがでしたでしょうか?無料の動画編集アプリもプロ顔負けの機能を備えたものがたくさんリリースされています。ぜひチェックしてみてください。不明点があればTwitterで気軽に質問をください。

次回、第6回は「動画内製化と成果検証」をお伝えします。動画内製化がスタートし、動画を制作し公開していけば新しい疑問や発見があります。では新たな課題を発見して実際にどのように軌道修正していけばいいのか?動画制作の検証をどのように内製化するのか?についてお伝えしたいと思います。

アドビが勧める動画内製化の詳細については下記をご覧ください。

https://www.adobe.com/jp/creativecloud/business/teams/video-work.html

執筆者プロフィール

株式会社火燵 代表取締役 安部貴士(Twitter: @kotatsu_kun)

https://kotatsu.info

香川短期大学デザインアートコース非常勤講師(映像制作)

上場企業の動画マーケティングや動画内製化・インハウスビデオのコンサルティングを手掛ける。

総務省四国総合通信局登録の映像制作講師。全国の大学や商工会議所で動画制作やマーケティングの講演も行う。