企業がいますぐ動画内製化に取り組むべき理由 第6回 動画内製化(インハウス動画制作)と成果検証で大切な5つのポイント #PremierePro #PremiereRush
企業がいますぐ動画内製化に取り組むべき理由
みなさん、こんにちは。株式会社火燵の安部(Twitter : @kotatsu_kun)です。
とうとうこのブログの連載も最終回となりました。
今回は第6回「動画内製化(インハウス動画制作)と成果検証で大切な5つのポイント」についてお伝えします。
動画の成果検証なんてどうやるんだ?と初めての方は困惑されてしまうかもしれません。実はYouTubeには動画の分析機能がついています。YouTube Studioからチャンネルアナリティクスを見ることでチャンネル管理者なら誰でも無料閲覧が可能です。実は動画の成果検証は購入回数や売上と直結しないので、分析しづらいと言えます。ここでは初心者にも簡単な検証方法を動画のアップロード先として最も利用されるYouTubeをベースに説明したいと思います。
1、大切なのは視聴回数よりも視聴者維持率
YouTubeに期待する多くの方は、視聴回数が多い動画が凄い。と言う考えがあると思います。間違ってはいませんが、視聴回数が多い動画は一貫して視聴者維持率が高い傾向があります。視聴者維持率が高い動画はGoogleの評価が高いから視聴回数が多くなるのです。視聴者維持率とは「動画の各瞬間の視聴回数を、全視聴回数に対する割合で表したものです。」視聴者が動画を巻き戻して視聴し直すと 100% を超えることがあります。ざっくり言うとどこが、どれくらい観られたかが分かる指標になります。
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上記の画像に示しているのは約90秒のある動画の視聴者維持率データです。60秒を超えた所で視聴者維持率が25%をきっています。この数字が10%を切るようであれば、動画を作り直すかタイトル設定関係を見直す必要があります。視聴者維持率が高い動画、最後まで観て貰える動画ををたくさん作る事を意識しましょう。
2、動画が表示される回数
視聴回数を稼ぐには、まず視聴者に動画を見つけてもらう必要があります。視聴者が動画を検索したり、視聴後の関連動画で皆さんが作った動画のサムネイルを見つける事を(インプレッション)と言います。これを増やす事で視聴数が増えていきます。チャンネルアナリティクスのリーチタブからトラフィックソースを確認してみてください。下記にて解説します。
視聴者が動画を見つける手段(トラフィックソースとその解説)
A、外部サイト
これは、皆さんの会社のWebサイトに掲載されているものを含むYouTube以外で観られたものを表します。アプリからの視聴も含みます。外部サイトからの視聴が少なく、少しでも視聴者に観せたいときは会社のWebサイトにYouTube動画を埋め込みで掲載する事をお薦めします。 YouTube動画をWebサイトに貼り付ける事で検索性が高くなると言われます。動画とWebサイトの相乗効果が期待できます。
B、YouTube検索
YouTubeはGoogle検索に次いで世界第2位の検索エンジンです。Google検索の結果にもYouTube動画は検索結果として表示されますので、検索対策を行う事で視聴回数が伸びるというのは動画SEOという代名詞と共に一般的になって来ました。まずアップした動画が狙ったキーワードで視聴者に発見されているか確認してください。ミスマッチが発生している場合は、タイトルや本文の設定を見直します。タグやハッシュタグを設定する事もお忘れなく。
C、関連動画
関連動画とはPCの場合は視聴されている動画の横、スマホの場合は視聴されている動画の下にある動画の事で、いずれも「次の動画」に続く複数の動画の事です。視聴リストではありませんのでご注意ください。関連動画に表示させるには、YouTubeのタイトルや本文設定を適切に行うしかありません。関連動画からの視聴が少ないなと思ったら確認してみてください。
3、インプレッションクリック率
インプレッションクリック率は、皆さんの動画のサムネイルを見た視聴者が動画をクリックした割合です。インプレッションクリック率は、サムネイルやタイトルがどれほど効果的かを確認するのに役立ちます。YouTube動画の約半分がインプレッションのクリック率が 2~10% の範囲です。検索とサムネイルがマッチした動画なら10%を超えることもあります。あまりにも低い場合はサムネイル、タイトル設定を見直してください。
4、視聴回数から分かる事
視聴回数を折れ線グラフで長期的に見れば、その動画の旬や役目がいつ終わるか判断することができます。
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上記の画像はある私が代表をする会社のYouTube動画のデータです。YouTubeの操作方法について解説している動画です。ご覧のように着実に視聴回数を稼いでいるのが分かると思います。競合になる動画が少ないのと解説対象になるYouTubeのインターフェースが変わっていないので未だに観ている人が減っていない状態です。
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上記の動画も私が代表をする会社のYouTube動画でPremiere Pro CC 2017のチュートリアル動画です。Premiere Proは新しいバージョンが常に出ますから、徐々に視聴数が落ち込んでいるのが分かります。こうなったら新しいバージョンを作り直すしかありません。競合が多くなっても同じ現象がおきますので、企画自体を再検討してあげる必要があるかと思います。
5、チャンネル登録
アップした動画のどれがチャンネル登録につながっているか把握する事も重要です。基本的な考えとして、チャンネル登録が定期的に増えている場合はチャンネルが成長中で動画のアップ本数や内容が視聴者に適している状態です。チャンネル登録が増えない場合は視聴者にとって興味ある動画がアップされてない状況と判断しましょう。チャンネルアナリティクスをチェックして、チャンネル登録者推移が低い場合は企画も含めて動画制作の体制を見直しましょう。
チャンネルの成長に最も重要なことはまずはアップし続ける事。
YouTube分析の心構えは「ダメな方法だと気づいて一歩成功に近く」と捉えてください。ほとんどのチャンネルが動画を大量にアップする事で成長していきます。最初は上手く行かないことも多いです。むしろ動画をアップし続けるのは、成果が出る動画や企画にたどり着く為と捉えてください。必勝パターンを見つけるとそんなに多くの動画を必要としなくなるでしょう。
いかがでしたでしょうか?視聴分析や成果検証の頻度は最低月に1回、広告予算が掛かっていたり動画の視聴関連データが早く集まるなら週に1回でもよいでしょう。YouTubeアナリティクスでの視聴分析に慣れてきたら、Googleアナリティクスやその他の分析ツールを使い、動画が事業にどのように影響を与えているか詳細な分析を行なっていきましょう。
最後までブログを読んでいただきありがとうございました。このブログをきっかけにぜひ動画内製化に向けて一歩踏み出していただけたら幸いです。不明点があればTwitterなど気軽に質問をください。
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執筆者プロフィール
株式会社火燵 代表取締役 安部貴士(Twitter: @kotatsu_kun)
香川短期大学デザインアートコース非常勤講師(映像制作)
上場企業の動画マーケティングや動画内製化・インハウスビデオのコンサルティングを手掛ける。
総務省四国総合通信局登録の映像制作講師。全国の大学や商工会議所で動画制作やマーケティングの講演も行う。