知っておきたいLightroomのツールを使ったポートレートと風景写真のレタッチ術 #AdobeStock
SNS写真時代を駆け抜けるフォトグラファーの秘訣
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今回は、【Lightroomのツールを使ったポートレートと風景写真のレタッチ術】について、Adobe Stockのプレミアムコレクションの作家としても活躍されている、国内外で活動中のフォト&ビデオグラファーの山田悠人さんにご紹介いただきます。
はじめに
こんにちは、ベルリン在住の写真家、山田悠人です。
「人物写真」と「風景写真」はそれぞれ**どのようにレタッチすればいいのか?また、どのようなところに気をつければいいのか?**という疑問について今回、ポートレートや風景写真のレタッチ初心者、また現状のレタッチを見直したいと考えている方々に向けて、お応えできればと思います。
主役を目立たせる
「人物写真」と「風景写真」は異なるジャンルですが、レタッチに関しては必ずしも異なったものではありません。
それはなぜかと言うと、レタッチにおいて重要なことは主役を目立たせるということだからです。そうすることにより写真が引き締まり、色調補正をしただけの写真とは一味違った「伝わる写真」になるのです。
それでは早速ですが、レタッチの方法を説明していきたいと思います。
ポートレートのレタッチについて
まずはじめにAdobe Lightroomを使用した、ポートレート写真のレタッチ方法についてご説明します。
1、こちらの画像をレタッチしていきます。
主役はモデルさんですので、彼女が目立つようにレタッチしていきます。彼女の顔がこの写真の中で一番重要なポイントです。そのためには周りをぼかして顔にフォーカスを当て、顔にライトが当たるように明るくします。そして周りを暗くします。
ただしあくまでも自然なコントラストになるように注意が必要です。レタッチをしすぎると不自然な写真になってしまいます。
今回の参考画像は女性のモデルさんですが、このレタッチ方法は風景写真などでも目立たせたい主役がある時にも活用できます。例えば富士山や東京タワーなど、またはペットや花、テーブルフォトにも応用できるので試してみてください。
2、基本補正・トーンカーブ・HSL/カラーなどを使用して写真を現像します。
3、効果ツールの周辺光量補正をマイナスに持っていき周辺光量を下げ暗くします。
4、次に円形フィルターツールを使いさらにモデルの周辺を暗くし、明瞭度を少し下げてぼかします。
前記しましたがやりすぎないことが重要です。
5、そして補正ブラシツールを使用し顔の部分を選択します。
少し露光量を上げ、シャドーを下げ明るくし、シャープを足してメリハリを出します。
6、微調整をして完成です。
編集前の画像と比べるとドラマチックな印象になっているのではないでしょうか?
風景写真のレタッチについて
そして次に夜の京都で撮影した街の風景写真をレタッチしていきましょう。
1、こちらの画像をレタッチしていきます。
この写真で目立たせたい部分は上部の五重塔の部分ですので、それが目立つようにレタッチしていきます。五重塔を目立たせるためには上部にフォーカスを当て、五重塔を周りより明かるくし目立つようにし、下部暗くすれば良いのです。
今回の参考画像は京都の街の画像ですが、このレタッチは例えば、山と湖、空と森、空と海、空とビル群など、画面の上下が違うモチーフまたは色彩の際にも応用できるので試してみてください。
ただしこちらもレタッチが強すぎると不自然な写真になってしまいますので、お互いが自然なコントラストになるように注意が必要です。
それでは実際にレタッチの方法を見ていきましょう。
2、基本補正・トーンカーブ・HSL/カラーなどを使用して写真を現像します。
3、段階フィルターツールを上部に使用します。
明瞭度・彩度を上げてメリハリを出し、上部が目立つようにします。
4、そして段階フィルターツールを下部に使用します。
明るさを暗くし、明瞭度を少し下げぼかします。
5、次に円形フィルターツールを使いさらに五重塔の周辺を暗くします。
6、そしてさらに円形フィルターツールを使います。
今回は**「マスクを反転」を選択**し五重塔を若干明るくします。前記しましたがやりすぎないことが重要です。
7、全体のトーンを微調整をして完成です。
編集前の画像と比べると明暗がつき、より引き締まった印象になっているのではないでしょうか?
習うより慣れろ。
いかがでしたでしょうか。
普段Lightroomの段階フィルターや円形フィルター、そして補正ブラシを使用しない方も、このようにパーツごとに使用しレタッチしていけば、簡単にいつもとは違った表現が出来ると思いませんか?方法を変えると最初は戸惑うかもしれませんが、慣れると今までとは一味違ったレタッチが出来るようになるはずです。
また今回ご紹介したレタッチ方法はアイデア次第で応用が利くので、是非自分のスタイルに合わせて取り入れてみてください。
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