Adobe Document Cloudから、Webアプリ内での完結なPDFエクスペリエンスを実現する新たなSDKが登場
PDFは、文書を通じた共同作業のための共通語となりました。より多くの個人、小規模事業、大企業がリモートワークを取り入れること伴い、PDFファイルは今までよりも頻繁に送信および共有されています。実際、2019年だけでも、2,500億件以上のPDFファイルがアドビのアプリで開かれました。
ところが、デベロッパーやパブリッシャーが共同作業を行うにあたり、以下のような課題もあがります。
- クラウド上でのワークフローが細分化され、全体を管理できない:現在のPDFはオープンソースです。つまり、各種ビューワー、SafariやChromeなどのブラウザー、DropboxやBoxなどのアプリケーションでPDFを閲覧することができますが、それぞれのエクスペリエンスは異なり統一されていません。その結果、クラウドで作業を行う場合、PDFの閲覧や編集のために、別のアプリケーションを使用またはダウンロードする必要があることが少なくありません。
- 分析の「ブラックボックス」:現代のマーケターは、webを詳細に分析することに慣れています。ところが、パンフレットや購入ガイド、ケーススタディなど、一般的な販促資料のPDF版をwebサイトに掲載する場合、最低限の分析しか行うことができません。ユーザーがPDFのリンクをクリックしたかを確認することはできますが、閲覧したページ数や、ファイルを開いていた時間、あるいは、注目していた箇所などの貴重な知見を得ることはできません。
- デベロッパーにとって複雑な情勢:デベロッパー向けに、あまりにもたくさんの多種多様なPDF作成サービスが出回っています。作業の手間を増やす低品質のPDFライブラリから、小規模事業者が提供する個別サービス、厳密にオンプレミス専用のSDKなどの様々なオープンソースサービスも存在します。各種ソリューションのセキュリティや信頼性には、ばらつきがあるかもしれません。
本日、Adobe Document Cloudから新たに登場したView SDKおよびServices SDKにより、顧客向けウェルカムキットの作成や契約書の管理など、文書作成エクスペリエンスが簡素化されます。昨年11月にソフトローンチしたView SDKを使用すれば、独自のwebやアプリのエクスペリエンスにPDFビューワーを組み込み、カスタマイズすることが可能です。Service SDKには、PDFの作成や編集のためのAPIが搭載されています。どちらのSDKにも、わかりやすいサンプルコードやドキュメント類が含まれているため、お客様のために、シームレスで統一されたPDFエクスペリエンスを素早く立ち上げ、稼働させることができます。
アドビは、24年以上の経験を活かし、これらのSDKを開発しました。電子文書を発明し、Adobe Acrobat、Acrobat Reader、Adobe Scanなど、世界最高のPDFツールを生み出しています。先述のSDKが加わり、スキャン、署名、編集から、PDFの編集や検索のための文字認識(OCR)対応に至るまで、PDFを使って可能な開発の定義を塗り替えています。View SDKとServices SDKの機能の一部を以下にてご紹介します。
- View SDK:銀行の明細表示から、政府機関が市民向けに公共サービスに関する最新情報を迅速に掲載させるケースに至るまで、たった数行のコードを記述するだけで、ユーザーエクスペリエンスを変えることなく、会社のwebサイトやアプリのエクスペリエンスにPDFビューワーを埋め込めるようになりました。View SDKが、一連のカスタマイズ可能な閲覧モードを通して、ユーザーエクスペリエンスを完全に制御します。たとえば、webページにシームレスにPDFを埋め込むことや、クリックスルースライドショーとしてPDFを表示させることも可能です。ユーザーがPDF上にハイライト、注釈、コメントを追加できるオプションをカスタマイズすることもできます。こちらの対話型デモ(英語)から、各種閲覧オプションが実際に稼働している様子をご覧いただけます。
- Services SDK:Services SDKを利用すれば、ディロッパーはアプリ内で高品質のPDFを作成することができます。ページの統合や、PDFからMicrosoft Office形式への変換など、搭載されるPDF機能は増え続けています。これらの機能によって、従業員のオンボーディングや、請求書の管理、また、クリエイティブアセットのレビューや承認など、各種のクラウドワークフロー全体でPDFの管理が標準化されます。人事管理システム(HCM)、基幹系情報システム(ERP)、デジタルアセットマネジメント(DAM)、各種SaaSプロバイダーから提供される他のソリューション、また、多数の内部システムのすべてを横断するワークフローとなります。
これらのサービスは始まりに過ぎません。アドビは、最高品質のAcrobat PDF機能を組み込んだ開発を支援するため、Adobe Signを使って電子的に書類に署名する機能も含め、さらなるサービスを予定しています。Adobe SenseiのAIや革新的な機械学習テクノロジーを利用し、PDFの新しい可能性を切り開く方法を模索しています。巨大なPDFレポジトリから簡単にコンテンツ概要を抽出できるアプリケーションや、PDFからデータを自動抽出し、時間や手間のかかる作業を解消できるアプリケーションを開発できるとご想像ください。今後が楽しみです。
Adobe Document CloudのView SDKおよびServices SDKの詳細は、こちら(英語)をご覧の上、ダウンロードしてください。