世界中を駆け巡るフォトグラファー w.aoki が語る、「私がAdobe Stockに作品を投稿する理由」 #AdobeStock

連載

Adobe Stock コントリビューターのご紹介

Adobe Stockに作品を提供する、人気フォトグラファー達がおくるブログシリーズ。写真撮影における心構えやポイントを、各フォトグラファーが独自の視点で語ります。今回は航空会社の広告にも採用された、美しい風景写真を得意とする、w.aokiさんが登場。撮影スポットの選び方、Adobe Stockに投稿するメリットなどをお話ししてくれました。今は外出が難しい状況ですが、今後の撮影計画や、お手持ちの作品を活用する際の参考にしていただければ幸いです!

はじめに

国内外の風景写真を撮影する、w.aokiです。社会人になって間もない頃から、趣味でコンパクトデジタルカメラでの夜景撮影を行っていました。ある年の夏、北海道の富良野と美瑛を訪れた際に、色鮮やかに咲き乱れる花畑の美しさ、いわゆる“絶景”に魅了されてしまいました。そこで「もっとキレイな風景を見たい」という気持ちが高まり、翌年には一眼レフカメラを購入し、本格的に風景写真の撮影をはじめました。

北海道 豊頃町・ハルニレの木

#PhotoFantasistaとして、写真の世界で感動を表したい

私が撮影する風景写真には「#PhotoFantasista(フォトファンタジスタ)」のタグをつけ、主にIPAなど海外の写真コンテストに応募したりTwitterなどのSNSに掲載している**“幻想写真”と、Adobe Stockを始めとしたストックフォトサービスに投稿している“絶景写真”**の2種類があります。

ファンタジックな風景は以前から大好きで撮影もしていたのですが、#PhotoFantasistaを名乗ろうと思いはじめたのは、3年ほど前から。イタリアのサッカー界に「ファンタジスタ」という言葉がありますが、絶景を見た感動を伝えるときに、ただ写真におさめるのではなく「写真の世界でファンタジーを表現したい」と思ったからです。おこがましいかもしれませんが、「フォト+ファンタジスタ」の造語として、「写真を通じて、感動を与えるファンタジスタになりたい」と考えるようになりました。

撮影で心がけているのは「人がやらないことをやる」こと。すでに知られている撮影スポットには、同じように撮影しようとしている人が大勢います。ですから、視点や撮影の方法を変えて、自分の世界を演出することが大切です。

例えば、新月が有名なポイントでは満月のタイミングで撮影する。昼間にしか飛ばないセスナ機を交渉して夕方に飛ばしてもらう。現像の際にも、#PhotoFantasistaのタグをつけている写真は、意識的に幻想的な美しい色味を出すことで、風景を見た時の感動をより鮮やかに伝えたいと考えています。

Adobe Stockに投稿する写真は、利用者のニーズと使いやすさを意識

Adobe Stockに作品を投稿する際には常に、「その写真がどういった利用のされ方をするのか?」という需要を意識しています。風景写真では、商品のパッケージやカレンダーの背景素材、さらに、テレビやインターネット、雑誌などのメディア媒体での使用がイメージできます。美しく派手すぎない色彩であること、また、ある程度の余白があり、デザインとして利用される際に、使いやすく、キレイな構図であることも想定しています。

那覇市・守礼門の風景

静岡県・南伊豆の河津桜と菜の花 1

「人がやらないことをやる」のは絶景写真でも同じです。撮影に訪れる前に、Googleマップ上でのロケハンは必須。「山を背にした場合、この方角、この時刻に日の入りがある」といったリサーチや月の満ち欠けの時刻を調べておくなど、自然のリズムに合わせて撮ることも考えます。あらかじめ、撮りたいイメージを作っておくことで、有名な撮影ポイントであっても、自分なりの世界観を演出しています。

#PhotoFantasistaの写真では、「記憶色」として、感動を伝える色調整をしていますが、**Adobe Stockに投稿する写真では、PLフィルターを使用して青空を鮮やかに写し、色彩調整で全体の彩度を上げるなど「見たままの色をより鮮やかに、美しく出す」ことに注力しています。**それから、投稿前に写真の水平チェックや色のバランス調整、余計なゴミを取るといった、当たり前のことも必ず行っています。

自分の写真がメディアに使用される喜び

実は、Adobe Stockへの投稿歴はまだ半年ほど。風景写真を撮影してきた10年間で撮りためて、ハードディスクに眠っていた写真を発表したいと考えるようになり、さまざまなストックフォトサービスを検討していく中でAdobe Stockにたどり着きました。

まず、手始めに最初の1か月で一気に900枚以上を投稿しました。その後、都度、需要のありそうな写真を撮影して投稿し、トータルでの投稿数はもうすぐ1,000枚になります。現在は時節柄、撮影旅行はお休みしていますが、これまでに撮影した美しい風景を、みなさんに見ていただくことで、気分転換になり、「いつか訪れてみたい」などと思っていただくのも嬉しいですね。

Yahooに掲載された大手航空会社の広告で使用されたアセット :鳥取県・夏の鳥取砂丘 1

Adobe Stockに投稿した写真が、世界のさまざまな国の方に閲覧され、広告などに使用されていることはとても嬉しいですね。最近では、私の写真を使った航空会社の広告がYahoo!のトップページに掲載されたこともあります。いつか海外を訪れたときに、自分の写真がパンフレットなどに使用されているのを目にしたら、感動するでしょうね(笑)。

モルディヴ・南国のマジックアワー

ドバイ・ブルジュ・ハリファの夕景

美しい風景は、ビジュアルトレンド「From me to We(「私」から「私たち」へ)」にも通じる

Adobe Stockの提案する、2020年のビジュアルトレンドには「From me to We(「私」から「私たち」へ)」がありますが、風景写真もこのトピックと親和性があると思います。例えば、美しい風景が見られるかどうかは、自然環境に大きく左右されます。以前気候変動による海面上昇で南国の美しいビーチが危機に瀕していることを研究者の叔父に聞いたことがあります。ビーチが失われれば、当然今迄見ていたその風景を見ることはできなくなるでしょう。今目にしている絶景、感銘を受けている風景そのものは決して永遠に続いていくものではありません。私達の行い次第では大きく短縮されてしまうことだってある訳です。美しい風景の写真を通して、この風景をいつまでも残して行きたい、守って行きたいと思っていただける方が1人でも増えたら嬉しいですし、自然環境を保全する活動を行う方々を支援したいとは常々思っています。

もしそんな支援に自分の作品が使われるとしたら、それはとても嬉しく、名誉なことだと思います。私自身、社会がより安全で平和になることを願っていますし、写真を通じてそうした活動を支援できる機会が与えられるのであれば、積極的に携わっていきたいと思います。

今、コロナウイルスの感染拡大により、社会は大混乱に陥っています。外出に関しても規制や自粛要請により家にいないといけない方々が世界中に多くいます。当然、旅行を自粛している方々も多いので、そんな方々に風景写真を見て自分がそこに行った感覚を感じていただき、心が少しでも晴れたらとても嬉しいです。また、ポストコロナの世界を考えた時、多くの人の価値観が大きく変わることでしょう。そんな時に旅に出る人は多いのではないでしょうか。その旅先を検討するとき、風景を体感することを一つのキーワードにしていただけたら嬉しいですね。

オーストラリア ウルルの風景 2

Adobe Stockなら、世界中のバイヤーに写真を届けられる

自分の写真が使用されて売上となることも、手応えを感じる点といえるでしょう。世界中のバイヤーの方々に、これまでにさまざまな国や地域を訪れて撮影してきた写真を届けられることにロマンを感じています。

上手い写真、キレイな写真をSNSに発表している人は沢山います。ですが、ストックフォトサービスに投稿している人は、その割に少ないようにも感じています。登録の手間など、最初はハードルが高く感じるのかもしれませんが、自慢できる良い写真が撮れたのなら、投稿する価値はあると思いますよ。まだの方は是非**こちらから作品投稿をしてみてください**。また、ファンタジックな風景写真を撮られる方は、よろしければ、#PhotoFantasistaのタグもどうぞ使ってください!

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w.aoki(@aoki_tlp)。東京都在住。Adobe Stockに北海道や長野、沖縄など、国内の名所の風景写真をはじめ、世界各国の風光明媚なスポットをとらえた“絶景写真”を1,000枚近く投稿。また、#PhotoFantasistaとして、独自の感性によるファンタジックな風景写真を発表する。「世界101箇所、風景巡りの旅」という個人企画のもと、世界中を旅しながら撮影を行う。現在までに15カ国、34箇所を制覇。