2020年以降のデジタル広告の課題を克服する

貴方は金融サービス企業のCMOであり、約90日前から業務が始まった、と想像してみてください。高いカスタマーエクスペリエンスを提供する責任があります。企業は当座預金口座やローンなどの典型的な金融サービスを提供しており、ビジネスの最初のオーダーは、持続可能なCPAで四半期ごとに新しい顧客を獲得するための仕組みをセットアップすることです。

従来の金融サービス企業と新興フィンテック企業の両方からの厳しい競争に直面しており、決まった行動を好まないデジタルオーディエンスは無数のチャネルを行き来し、データとアクショナブルなインサイトが足りないため、更なるデータが必要とされています。

ペイドメディアを検討し始め、各製品のチャネル全体で顧客とのコミュニケーションをどのように管理しているかによって、更に課題が難しくなります。Webサイトで多くの時間を過ごした後に店舗で直接コンバージョンすることを好むユーザーもいれば、店舗担当者から情報を入手したいが、対応するモバイルアプリで新しいアカウントを開くことを好むユーザーもいます。

とはいえ、戦略をチューニングする時に、あなたが最後に行うべきことは、製品にサインアップしようとしていた人をターゲットにするために広告費を費やすことです。そうだとすると、ビジネスの顧客生涯価値(CLV)を最大化するためにはどうすれば良いでしょうか?

さらに、常に変化する消費者のデータ保護に関する規制・ガイドラインに正しく準拠しながら、プライバシーとセキュリティのレベルを正しく維持できるように、自社が提供するエクスペリエンスを将来にわたって担保するにはどうすればよいでしょうか。上記のことを考慮しながら、メディアチームに長期的なビジネス価値を一貫して推進する、というような目標責任を持たせることは非常に難しいことだろうと思うことでしょう。

このようなCMOの立場に立って我々がお勧めできる1つの方法は、課題を4つの問題点に整理して、適切なテクノロジー、プロセス、およびチームで分割して克服できるようにすることです。

  1. 消費者はあらゆる種類のデバイスやコンテキストから大量のメディアを消費する
  2. ビジネス収益に対するペイドメディアの実際の影響は不明である可能性がある
  3. メディアマネジメントはパートナーに委託されることは多いため、メディアへの投資をきちんと管理するのは難しいと思われる
  4. 消費者のプライバシーや選択とメディア投資の目的を一致させることはさらに困難である

テクノロジーの観点から見ると、上記のような難しい現実に対処するための基盤となるのは、「アドテク」と「マーテック」と呼ばれる統合されたアプリケーションの組み合わせであり、ストリーミングデータを継続的に収集・処理をするものです。この組み合わせはまた、あらゆるブランドのタッチポイントでターゲットオーディエンスのために適切なエクスペリエンスを適切なチャネルで提供し、それを大規模な形で実施することもできます。

たとえば、Web解析ソリューションは、すべてのプロパティから貴重なオンサイトデータを収集し、それをデータ管理プラットフォーム(DMP)、顧客データプラットフォーム(CDP)、またはその他のデータプラットフォームにフィードできます。DMPは、CRM、ハッシュ化されたEメール、電話番号などの既知のIDを、CookieやモバイルIDなどの匿名IDとともに統合することができます。

これらのIDの一部を顧客プロファイルに統合して、ターゲットとする顧客セグメントを生成するために活用すると、ID管理にまつわる課題に対処することができます。次に、それらのセグメントをDSPまたは広告プラットフォーム、パーソナライゼーションツール、またはCRM、ESP、またはオープンAPI連携先などの他のシステムにプッシュします。セグメントを使用して、新しい顧客を見つけたり、既存の顧客をターゲットにしたり、ターゲットから排除したりすることができます。

Adobe Advertising Cloudの場合、Adobe Audience ManagerなどのDMPから、またはAdobe AnalyticsやAdobe Experience Platformから顧客プロファイルを取得でき、それらを活用して、検索連動型広告、ディスプレイ広告、動画広告やTV広告全体に関連性の高くダイナミックな広告配信を実施することができます。広告メッセージ、クリエイティブ、顧客へのオファーが一貫していて、オンサイトのパーソナライズと統合されたエクスペリエンスであることを確認できます。さらに、Audience ManagerのPeople-Based Destinationは、ソーシャルなどの既存チャネルのオーディエンスに配信します。レポートおよびデータは、Audience ManagerおよびAnalyticsに戻され、ペイドメディアがマーケティングチャネル全体でドライブしている広告効果を理解するのに役立ち、オーディエンスインサイトを提供し、既存の顧客と近しい特徴を持つ、見込み客の強力なプールを作成します。実際、これはクローズドループのサステイナブルな最適化エンジンといえます。

最後に、Advertising Cloudの詳細なレポートの仕組みを活用して、ペイドメディアを最適化し、キャンペーン計画を改善し、かつてないほどの精度とコントロールで広告費用を最大限に活用できます。

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