カスタマーエクスペリエンスマネジメント(CXM)がデータと広告・マーケティングの役割を統合する

従来広告主は、ターゲットオーディエンスに関連性が高い内容のメッセージを作り、適切なタイミングで見込みカスタマー及びカスタマーにそれらのメッセージをターゲティング配信する、という目的のためにデータを収集してきました。それは適切な方法だと言えます。例えば、あるスニーカーを入手するために「購入」をクリックすることがない購入者にプロモーションコードを送信したいと思うブランドはきっといないですよね。または、さっき休暇の旅行を予約したばかりの消費者向けにフライトの広告を無駄に配信したい広告主もいないでしょう。

最近まで、これはデータドリブンアプローチを採用する広告主で用いられていた手法であり、従来のアプローチに対する改善アプローチとして登場したものでした。マスマーケット向けに広告メッセージを幅広く配信して、最大のリターンを望む従来のアプローチ(「Spray and Pray(運任せで乱射する)」として知られています)が主流だったので、このデータドリブンアプローチはあまり広がっていませんでした。現在の非常に速い変化のスピードを考えると、こうした従来型のアプローチは、はるか昔のことのようにも見えます。

特に、カスタマーエクスペリエンスの世界では、データの特性把握と活用法(データ収集および分析する対象、インサイトの活用法、広告主とマーケティング担当者の協働方法)は劇的に進化しました。異なるアドテック・マーテックのシステムから収集したデータを単に収集分析して将来の取り組みに活用して最適化するというレベルから、完全なカスタマーヴィジョンを創るレベルまで進化しつつあります。現在は、コンテキスト、場所、人口統計、嗜好、行動をリアルタイムで把握できるようになりました。

カスタマーエクスペリエンス「CXM」と広告およびマーケティングの融合

現在のデータを中心としたカスタマーエクスペリエンスは、より包括的でカスタマーファーストのレベルで設計されています。ただデータ・インサイトを活用して適切な広告メッセージを作るだけではなく、利用可能なすべてのソースからのデータを統合してリアルタイムでカスタマーをよりよく理解し、すべてのチャネルにわたってカスタマーに賢くリーチできるように、次のベストエクスペリエンスを提供することがますます必要になってきています。それは広告の形をとっているかもしれませんが、カスタマージャーニーにおいて、カスタマーサービスの案内が入ったメールなど、別のタッチポイントかもしれません。

こうした世界では、カスタマーエクスペリエンスマネジメント「Customer Experience Management」(CXM)が重要になります。適切に行われた、スマートで戦略的なCXMはビジネスに大きな影響を与えます。カスタマーエクスペリエンスの向上に取り組んでいる企業の84%が収益を増やしており、「非常に高度なエクスペリエンスを提供している」と自身で分類している企業は、2018年のビジネス目標を大幅に上回った可能性がほぼ3倍となっています。

とはいえ、異なる部門に偏在する、断片化されサイロ化されたデータを集約することは決して軽いタスクではありませんが、効果的な「CXM」に必要なものです。55%の企業がサイロ化された状況でビジネスを行っていることを考えると、これは実に一般的な課題でもあります。さらに、個人情報(PII)は、過去的にはオンラインで収集された仮名データから分離されています。すべてのデータタイプ(既知と仮名データ、さまざまなデバイスからのデータなど)を調整してまとめないと、カスタマーを真の意味で完全に把握理解することは不可能です。

したがって、マーケティング担当者と広告担当者は、すべてのデータを賢く管理し、データを管理するさまざまなルールを構築し適用していく必要があります。例えば、個人情報(PII)と仮名データは、規制により、異なる方法で処理する必要があります。また各データソースについて、必要とするすべての管理上必要となる要件および同意ガイドラインを遵守するのは難しいですが、こうした規制が適用される環境下でビジネスを行うブランドにとって絶対に必要なものです。

断片化されたデータについて、もう1つ対処が必要な領域は、さまざまなチャネルから市場に送信されるばらばらのメッセージングをどうするか、ということです。すでに把握・処理済のカスタマープロファイルに別のIDを追加するような新しいマーケティングチャネルが常に存在するため、この問題の解決が更に大変になります。マーケティングチャネル全体でアクティブに運用できるリアルタイムの統一カスタマープロファイルを実現するためには、インテリジェントでスケーラブルなシステムが必要となります。

統一カスタマープロファイルが広告エクスペリエンスに与える影響

統一カスタマープロファイルにより、広告主は様々なデータを接続して、例えば、3つのメールアドレス、2つの電話番号、4つのデバイス、および匿名サインインからのCookieが、同じ人の異なるIDであることを認識できます。また、一般的には購入時にカスタマーが平均6つのタッチポイントを活用し、カスタマーの98%が毎日利用サービスを切り替えることを考慮して、一人一人の個人についてそのようなレベルでのカスタマーインサイトを取得することができます。

こうした方法でIDを管理することで、広告担当者とマーケティング担当者は、カスタマーが別のプラットフォームから別のデバイスに移動するときに一貫性をもって順序付けされたメッセージングを送ることにより、エクスペリエンスを向上するように対策を取ることができます。こうしてはじめて、広告担当者とマーケティング担当者は共にクロスチャネルキャンペーンを調整・最適化できます。

カスタマーの正確なカスタマージャーニーを見て、新しいタッチポイントを紹介するために最適な時間を理解してから、プロモーションメールの送信、新しいモバイルオファーの提示、またはアプリのアップグレードのプッシュなどができるようになります。そして、カスタマーとブランドの関係をスピーディに深め、測定可能な結果を素早く取得することができるようになります。

統一カスタマープロファイルの未来、そして広告とマーケティングの役割の統合

統一カスタマープロファイルのおかげで、カスタマーが何を望み、必要としていて、何が好みなのか、を彼らに思い出させる必要がなくなり、設定をリセットしたり、プロフィールを何度も入力したり、ショッピングセッションを再開したりする必要がなくなりました。そして、購入したばかりの製品の広告が表示されなくなります。これは、特にECのカスタマーが満足するものです。統一プロファイルと全体を俯瞰したデータマネジメントにより、広告主はカスタマーエクスペリエンスの開発プロセスにより多く時間を割くことができるようになります。

すべてのマーケティングチャネルが各個人に響くものを通じてカスタマーにリーチすることは重要な目標です。これは誰もが賛成するものでしょう。こうした手法を通じて、競争上の優位性を獲得することは、競合プレイヤーより上手に話すことではなく、カスタマーデータを最大限に活用して広告やその他すべてのエクスペリエンスを「正しく」取得することです。大規模、リアルタイム、オープンでインテリジェントなシステムで、可能な限り最高のカスタマーエクスペリエンスを提供することは、セールス、マーケティング、カスタマーマネジメント領域の究極の統合モデルとなります。

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