Adobe Signを活用してデジタル業務フローを実現 ~サンディエゴ州立大学~

サンディエゴ州立大学(SDSU)では、34,000人以上の学生が学び、3,000人の教職員が働いています。これほどの規模の大学で数々の業務をスムーズに運営するのは容易なことではありません。こうした理由から、同大学では数年前に、人事や入学手続きを含む幅広い業務で、ドキュメントワークフローのデジタル化に着手しました。

「当大学では、日常業務を効率化してよりスムーズかつ簡単におこなえるよう、Adobe Signを使ってキャンパスのペーパーレス化に取り組んでいます」と話すのは、サンディエゴ州立大学でITコンサルタントを務めるEd Legaspi氏です。

Legaspi氏は、同大学IT部門シニアディレクターのKent McKelvey氏とともに、Adobe SignやAdobe Acrobat DCを含むAdobe Document Cloudを基盤にデジタルキャンパスを実現しようという動きの中心となった人物です。そして、IT部門が主導となってその導入と管理に取り組み、見事その実現に至っています。

今では、学籍管理や経理財務の他、教育学部、経営学部、人文社会学部、全学のIT管理などの複数の部門で、Adobe Acrobat DCを使ってデジタルフォームを作成しています。作成したフォームは、Adobe Signで回覧、トラック、署名でき、署名者はどのデバイスからでもほんの数秒でドキュメントに署名することができます。これにより、学生や教職員はもとより、寄付金提供にいたるまで、大学に関わるすべての人のドキュメントにまつわるエクスペリエンスが劇的に改善しました。

以前の紙によるプロセスでは、こう簡単にはいきませんでした。

Adobe Signで履修科目の登録手続きを効率化

コミュニティ活動および開発部門アシスタントディレクターのCorey Polant氏は、サンディエゴ州立大学で職員と大学院生を掛け持っていた時期を思い起こして次のように話します。

「履修科目の登録期間終了後に科目を追加しなければならないことがあって、その時の申請手続きは本当に大変でした。キャンパスのあちこちにある複数の部門にフォームを持って行き、責任者が署名してくれるのを待ってから次の部門にまた持って行かなくてはいけなかったのです」

ようやくコース登録を終えるまでに、3、4週間もかかりました。Polant氏はこの経験から、ある行動に出ました。

「入学手続き担当部門の責任者のところに行って、Adobe Signを使えばどれほど便利であるかを説明したのです。この方法なら、フォームに入力して1ヶ所に提出すれば、担当者が電子的に署名を収集できます」

この出来事がきっかけで移行が進み、履修科目の登録申請は、今ではAdobe Signを使って完全にデジタル化されてい

ます。フォームは署名者から次の署名者へと自動的に回覧され、各部門の責任者は、特別なソフトウェアがなくてもどこからでも電子的に署名できます。

現在では、フォームの署名を終えるのにかかる時間が93%も短縮され、以前のように1ヶ月近くではなく、ほんの1、2日で完了します。

Polant氏のような学生にとって、登録手続きのデジタル化は本当にありがたいものでした。キャンパス中を歩き回らなくても、ステータスをリアルタイムでトラックできるからです。

新規の教職員の受け入れ手続きもより効率的に

同大学の人事部門も、デジタルワークフローによって大きな恩恵を受けています。大学全体で発生するAdobe Signトランザクションの30%は同部門によるものだからです。そしてその大半は、新規の教職員の受け入れ手続きにかかわるドキュメントです。

サンディエゴ州立大学のヒューマンリソーステクニシャン、Rachael Stalmann氏はこう話しています。「以前は、新規の教職員にオフィスに来てもらい、30分かけて紙のフォームに記入してもらっていました。Adobe Signを導入したおかげで、今ではほんの10分ほどです」

新規の教職員の受け入れ手続きでは、毎年約12,000件ものトランザクションが実行されることを考えると、これは膨大な時間の節約です。またデジタルワークフローは、コンプライアンス文書、源泉徴収の更新、内定通知書、氏名変更届、学生アルバイト採用書類など、人事部門の他のフォームでも大いに活用されています。

キャンパス全体に広がるデジタルワークフロー

現在では、旅行の許可申請や寄付など、数々の重要なプロセスでAdobe Signが使用されています。

Legaspi氏はこう語ります。「教職員は、出張や研修旅行の許可を数日ではなく数時間で得ることができ、以前と比べて96%も所要時間が短縮しています。寄付契約の締結もとても簡単になりました。CFO、副学長、寄付者の全員が、どこからでも電子的に署名できるからです」

事実、多額の寄付契約でも1日で成立させることができ、1週間もかかることはありません。またAdobe Signでは、同大学のコンプライアンス要件をサポートする監査証跡とセキュリティも提供されます。

サンディエゴ州立大学では、Adobe SignとAdobe Acrobat DCの使用を今後も拡大していく予定であり、その可能性は膨大です。

Legaspi氏は次のように語っています。「Adobe Signの導入は、当大学にかかわるすべての人にシームレスなデジタルエクスペリエンスを提供するための大きな第一歩なのです」