テレワークに役立つCreative Cloudツールとサービスをご紹介します
アドビは、世界でも最も大きく、多様性に富んだソフトウェアを提供する企業のひとつです。学生やクリエイティブアーティストをはじめ、中小企業から政府機関や世界最大のブランド企業いたるまで、すべての人々が卓越したデジタルエクスペリエンスをデザインし提供する力の源となっています。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が大流行している今、多くの人々がライフスタイルや生活習慣をこの事態に適応せざるを得ない状況です。企業は感染拡大を防ぐため、テレワークあるいは状況に応じたフレキシブルな職場環境を積極的に採用しています。アドビ自身もこの動きに足並みを揃え、本社では米国疾病管理予防センター(CDC)のガイドラインを遵守して従業員と顧客企業ならびにユーザーの皆さんの安全確保に取り組んでいます。
このような困難な状況の下、皆さんがお使いのCreative Cloudプランに含まれるツールやサービスの中に、皆さんの同僚や顧客との繋がりを支援できるものがあることを改めてお伝えしたいと思います。
この記事では、Creative Cloudビデオ&オーディオアプリケーションと、Creative Cloudに含まれるいくつかの主要サービスを中心にご説明します。他の製品についてのテレワークおよびコラボレーションに関する記事も順次掲載を予定しています。こちらの情報ページでご確認ください。
クラウドを活用してコラボレーションできる「チームプロジェクト」
Creative Cloudグループ版および法人版をお使いなら、チームプロジェクトというコラボレーションツールを利用できます。これは、共同作業を行うスタッフがどこにいてもビデオプロジェクトをコラボしながら制作できる仕組みで、ファイルに加えた変更はクラウドを介して同期されます。チームプロジェクトサービスに接続し、Adobe Premiere Pro、After Effects、またはPreludeでチームプロジェクトを作成するだけで使いはじめられます。
このときプロジェクトファイルはCreative Cloudに保存されるため、複数の作業用端末をまたいで作業履歴を遡ったり、同期したり出来るようになります。編集作業はすべて容量の小さなプロキシ(低解像度)データに対して行われます。これがCreative Cloud、Dropbox、またはBoxのようなファイル共有サービスを使っている複数の作業端末間で同期されるため、チームメンバーは、誰がオンラインで作業しているのかを確認でき、矛盾する編集作業の発生をリアルタイムで解決しながら進めることができます。互いが遠く離れていても、同じ編集ブースにいるように作業できます。
2020年4月14日にアドビは、Premiere ProおよびAfter Effectsを含むCreative Cloud個人版プランユーザーに向け、2020年8月17日までの期間限定で「チームプロジェクト」機能を提供をしました。
チームプロジェクトを始めるためのガイド(英語)はこちらからダウンロードください。
チームプロジェクトの使い方をより深く知り、最高のクリエイティブプロジェクトを仕上げるためのヒントとなる参考ビデオをいくつかご紹介します。
- What’s New in Team Projects(英語)
- Collaborative Workflows for Film & Video Using Creative Cloud(英語)
- Using Team Projects or Shared Project Workflows in Premiere Pro(英語)
ハリウッドが認めたコラボレーション機能「共有プロジェクト」
チームプロジェクトはリモート環境でのコラボレーションに最適ですが、集合環境で共有ストレージを使ったコラボレーションなら、共有プロジェクトのほうが向いている場合があります。共有プロジェクトは、ハリウッドの多くの映画制作現場で採用されており、ネットワーク経由で複数のプロジェクトを開いたり共有したりすることが可能なほか、プロジェクト ビンの保護、複数プロジェクト間でのクリップのコピー&ペースト、大きなプロジェクトの小単位(エピソードやチャプターなど)分割といった機能が盛り込まれています。
共有プロジェクトの使い方をより詳しく知るには以下のビデオをごらんください。
- Shared Projects in Premiere Pro – Everything you need to know(英語)
- How to Enable Local Shared Project Workflow Settings in Premiere Pro(英語)
- Using Team Projects or Shared Project Workflows in Premiere Pro(英語)
オールインワンツール「Adobe Premiere Pro」
動画編集について言うなら、Premiere Proはクリエイティビティを存分に発揮するために必要なすべてを備えており、さらにCreative Cloudの他のツールやサービスとシームレスに活用することができます。映画のようなイントロシーケンスをAfter Effectsから追加したり、Adobe Stockのストックフッテージを挟んだり、Adobe Auditionを使ったサウンド調整や、数百ものサードパーティー製拡張機能を利用し、卓越したコンテンツの制作が可能です。
シンプルかつそれひとつで作業が完結できるアプリケーションを好むユーザーにもPremiere Proは向いています。例えば、通常はグラフィックアーティスト、オーディオエンジニア、カラリストなど多彩なメンバーで構成されたチームの一員として作業する映像エディターも、自主隔離や時短勤務などの事情で他のメンバーに仕事を頼めない状況かもしれません。
Premiere Proには、そんな状況でもプロジェクトを完成させるために必要なツールがすべて備わっています。エッセンシャルサウンドパネルに組み込まれたAuditionサウンドエンジンを活用したり、Lumetriカラーパネルでコンテンツのカラー調整やグレーディングを行ったり、エッセンシャルグラフィックスパネルで必要なモーショングラフィックスを作成することができます。プロジェクトが完了したら、Adobe Media Encoderを使って書き出しをすることも、Premiere Proから直接書き出すこともできます。
2020年3月19日(木)(米国太平洋標準時)には、Premiere ProのFacebookページにてアドビのエバンジェリストであるジェイソン ラヴィーン(Jason Levine)がチームプロジェクトを活用したリモートワークフローについてライブ配信でご説明しました。ライブ配信の模様はこちらからご覧いただけます。(英語)
グラフィックを簡単にカスタマイズできる「モーショングラフィックステンプレート」
オープニングクレジットからローワーサードまで、目を惹くモーショングラフィックは作品の総合的なトーンを演出し、動画から効果的に情報を伝達するのに役立ちます。多くのビデオ制作チームは、モーショングラフィックをプロのデザイナーに発注しますが、グラフィックアーティストが常に身近にいるわけではないエディターはどうすればよいのでしょうか?
そんなとき、モーショングラフィックステンプレートが役立ちます。まず、グラフィックアーティストがAfter Effectsを使ってモーショングラフィックステンプレートを作成し、エッセンシャルグラフィックスパネルでカスタムコントロール(編集可能な要素)を設定します。テンプレートは次にエディターに渡されます。エディターは受け取ったモーショングラフィックステンプレートをPremiere Proのシンプルなコントロールを使ってカスタマイズするだけで、新たなタイトルやグラフィックスを作成することができます。
依頼できるアーティストが見つからない場合は、Premiere Proにサンプルとして付属するモーショングラフィックステンプレートを使うことができます。あるいは、Premiere Proのエッセンシャルグラフィックスパネルから直接Adobe Stockに登録されている数千点ものモーショングラフィックステンプレートを選んで使うこともできます。
外出先でもプロのクオリティ「Adobe Premiere Rush」
Adobe Premiere Rushは、プロ品質のビデオの撮影、編集、共有のすべてをモバイルデバイスだけで完結できる製品です。単なるモバイルビデオ編集アプリにとどまらず、デバイス内蔵のカメラを使ってUltra HD 4Kのような高解像度映像も記録できる、iOSとAndroid両対応のプロフェショナル品質の撮影アプリでもあります。Premiere Rushはプラットフォームとデバイス(iOS/Android/Mac/PC)をまたがって使えるため、いつもの作業環境にアクセスできないときでも、コンテンツの制作を続けることができます。
Premiere Rushでは、Lumitriを使った非破壊型カラー編集に加え、オーディオパネルや多彩なスタイルのタイトル作成ができるタイトルパネルを駆使してビデオの編集作業をすべて完結できます。Premiere Proで作成したモーショングラフィックステンプレートを使えば、作品を通して一貫したブランディングを加えることもでき、アプリ内から直接、数百種類の無料モーショングラフィックステンプレートにアクセスし、その中から選ぶことも可能です。
Premiere Rushからは、他のCreative Cloudサービス(Creative Cloudライブラリ、アセット、同期)も利用可能で、無休のテクニカルサポートも提供されます。Premiere Rushで作成したプロジェクトはPremiere Proで開いて、その先進的な編集機能を使って作業していくこともできます。ユーザーガイドをチェックして、今日から使い始めてください。
ポッドキャストやラジオ番組の作成もコラボレーションできる「Adobe Audition」
スタジオに集まって作業ができない状況でもポッドキャストやラジオ番組の作成を中断させるわけにはいきません。Cleanfeed.netやZencastr.comのようなポッドキャスト録音サービスを使えば、それぞれが離れた場所にいる話者の会話を同時に録音できますが、高品質のオーディオトラックをミックスするにはAuditionが適しています。
Auditionを使い始めるには、以下のリンクをご参照ください。
Dynamic LinkでAuditionに連携、映像作品のオーディオを高品質に
仕事のパートナーと繋がるには
アドビの強力なパートナーエコシステムには、テレワーカー同士が繋がるための、統合されたソリューションがいくつも用意されています。それらの多くはAdobe Video & Audio Partner Finderサイト(英語)で紹介されています。その中のいくつかをご紹介します。
- Studio Network Solutionsは、リモートワーク緊急支援のための無料のユーティリティ「Nomad」を同社のストレージシステム「EVO」の顧客に向け提供しています。
- 「MatrixStore」は、Object Matrixが提供するメディア企業向けのクラウドストレージサービスです。
- Qumuloは、AWSとGoogle Cloud Platformを活用するハイブリッドクラウドファイルストレージソフトウェアを無料公開しました。
信頼性の高いメディアおよびファイル共有サービス
- ファイルの共有とコラボレーションには、Quine、eMAM、Editshareなどのパートナーが提供するクラウドベースのソリューションをお使いいただけます。
- IPVの「Curator」は、リモートの編集スタジオの短時間での導入を支援します。
- BeBop TechnologyやStratusCoreのようなプラットフォームサービスプロバイダーは、ネームドアカウントに基づいて、Premiere Pro、After Effects、およびPhotoshopの仮想化を実現します。これらのパートナー企業は、AWS、Microsoft Azure、Google Cloudなど主要なクラウドプラットフォームプロバイダーと協力し、NVIDIA GPUを利用して稼働するTeradici PCoIPプロトコルを活用しています。
メディアアセット管理(MAM)パートナーを活用してダウンタイムを最小限に
- Evolphinの「VideoLX Hybrid」および「Zoom Custom Cloud」製品は、独自の特許取得済み技術でシームレスなメディア管理を支援します。
- Daletの「Remote Editing Solution」は、どこにいてもビデオ編集ができることを念頭に開発されています。
- iconikの「Smart Media Management」ソリューションは、共有とリモートコラボレーションを容易にします。
リモートワークフローにおいては、レビューと承認を一体化したソリューションが重要な役割を果たします。Frame.io、Wipster、Lookat.ioのようなパートナーは、アドビのクリエイティブ製品と併用できる、使いやすいソリューションを提供しています。
AJAやTelestreamが提供する映像ストリーミング配信ソリューションは、各種団体や教育機関が安定したストリーミング配信を実施したい場合に役立ちます。複数拠点からの映像中継も可能です。
皆さんが自宅で作業をしている環境である今、私たちのプラグインパートナーが提供しているオンラインチュートリアルを活用し、クリエイターとしての腕を上げスキルを磨いてみてはいかがでしょうか?MAXONのCineversityや、BorisFX、RedGiantといった人気のオンライントレーニングおよびチュートリアルサイトからはいくつものウェビナーやまとめ記事が提供されており、クリエイティブスキルの向上に役立ちます。
美しいアセットでデザインを演出する「Adobe Stock」
多くの人々が自宅での作業を余儀なくされており、コンテンツを制作する流れにも影響を及ぼしています。クリエイターは今、マーケティングキャンペーンやコマーシャル、Webサイト、あるいは製品のローンチのために必要な風景撮影、ロケーション撮影、または人物撮影のために世界中を飛び回るどころか、隣町まで出かけることさえ困難になっています。
Adobe Stockは数百万点ものロイヤリティーフリーのビデオや画像を提供し、クリエイティブプロジェクト制作を支援しています。欲しいものが空撮素材でも、モーショングラフィックステンプレートやビデオループでも、Adobe Stockには高品質なアセットが用意されています。HDや4Kの高解像度ビデオもあります。前述のように、Creative CloudライブラリにAdobe Stockのストック画像やビデオを追加すればストックコンテンツを自在に共有できるため、コラボレーションの質がさらに上がります。
Creative Cloud 法人版のお客様にとってのAdobe Stockのメリットは以下のとおりです。
- Adobe Stockには膨大な作品点数があります。外出制限で撮影の機会が減っていても、Adobe Stockなら現在2億点を超えるアセットを提供できます。1,500万点のビデオ、3,500万点のベクター、1,200万点のエディトリアルアセット、1億4,000万点の写真、イラスト、テンプレート、および3Dアセットが