新型コロナウイルスの影響下で、広告において「すべきこと」と「すべきでないこと」

新型コロナウイルスの影響は世界中で拡大し続け、私たちがこの新しい現実に適応するにつれて、生活のあらゆる側面に影響を与え続けています。3月中旬以降、多くのお客様から、広告とマーケティングに関するベストプラクティスを求められています。この投稿では、コロナの影響の中、広告において「すべきこと」と「すべきでないこと」をまとめています。 以下の内容は、Adobe Advertising Cloudでの調査、業界のガイダンス、およびお客様の推奨事項に基づいています。

本物を貫くこと
「本物を貫くこと=オーセンティック」 はカスタマーとの強い繋がりを作るために非常に重要です。 この厳しい時期を上手に乗り越える広告主は、ブランドとそのバリューに忠実であり続ける広告主です。 Kantar COVID-19バロメーターレポートによると、64%のカスタマーは広告主がブランドメッセージを通じてそのバリューを伝えることを望んでいます。
「何よりも広告主は、ブランドのポジショニング、バリュー、トーン&マナーに基づいて本物を貫いて真摯に対応していく必要があります」とPHD APACの戦略・プランニング責任者であるChris Stephenson氏は、The Drumの最近の記事で述べています。

クリエイティブを頻繁に見直すべき
常に変化する市場からの要求を満たすためには、見て、聞いて、学んで、クリエイティブとメッセージを継続的にアップデートすることが求められます。 多くのトップ広告主はクリエイティブとメッセージに必要な変更を迅速に行えるようにしています。 例えば、フォードは、新型コロナウイルス前に予定されていた広告クリエイティブを取り下げ、自動車メーカーの新型コロナウィルス対策の支払い救済プログラムと、会社が過去の災害に対処したエピソードを思い出させるクリエイティブに変更しました。

新型コロナウイルスの時期にクリエイティブを評価するための簡単なチェックリストは次の通りです。
• 広告は適切に企画され、プロの手によって制作されていますか?
• この時期に、お客様に気を配るためにやっていることがコピーで表現されていますか?
• 新型コロナウイルスに深刻な影響を受けているコミュニティに対して、どのように支援し、又は考えているか、コピーで表現されていますか?
• 広告は、安全、予防、健康、またはサービス等の役立つ情報を提供していますか?

新しい戦略とメッセージを伝えるためにターゲットセグメンテーションを注意深く考えるべき
このように危機的な状況では、カスタマーとの調和を目指すことは、単なるベストプラクティスではなく、なくてはならないものです。もし、現在のオーディエンスが幅広過ぎる場合には、サイトの行動やサイコグラフィックなどの情報を用いて、更にターゲットを絞ってセグメント化し、適切なメッセージを適切な人に届ける方法を検討すべきでしょう。
ファーストパーティのデータの観点から、ウェブ解析ツールを注意深くモニタリングし、カスタマーの行動の変化が何を意味しているのか、を考えてください。例えば、カスタマーが通常のコンバージョンページではなく回答とサポートを探していることに気付く場合があります。これらの変化に注意を払い、より適切にセグメント化し、戦略、メッセージング、およびランディングページをチューニングして、より良いカスタマーエクスペリエンスのために、カスタマーが探している情報を明確かつ素早く提供していきます。
サードパーティのセグメントも同様に活用できます。Adobe Advertising Cloudプラットフォームを通じてアクセスできる多くのデータパートナーが、新型コロナウイルスに対応して新しいセグメントを作成しています。これらのセグメントは、心理学、ストリーミングコンテンツの消費行動の変化、および多くのカスタマーが自宅でより多くの時間を費やすようになってからのライフスタイルの変化に基づいているものとなります。

カスタマーが消費しているメディアチャネルを評価するべき
「Stay-at-Home」期間の行動変容は、メディア消費にも影響を与えています。 このカスタマーの行動変容と相まって、2月と3月を比較すると、CPMsが5-10%も減少しています。 さらに、広告を購入する機会も増えています。広告オークションの 2/10-2/12、3/16-3/18という2つの期間を比較して確認できた内容は次の通りです。
• これまであまり見られていなかった、平日日中のコネクテッドTV (CTV)の視聴ピークが発生し、オークションのボリュームは午後12時から4時までで7%増加し、午後6時から9時までで15%増加しました。
• デスクトップ動画・ディスプレイのオークションのボリュームは7.3%増加し、1日全体で8%増加しています。
• モバイル動画のボリュームが2.5%伸び、中でもゲームカテゴリでのアクティビティが著しく増加しています。

カスタマーに対する信頼性が高いプレミアムオプションを選択するべき
新型コロナウイルスの影響下では、不確実性に対処するため、カスタマーは今すぐ信頼できる情報源を必要としています。 YouGovに委託して最近3,500人の消費者を調査した結果では、プレミアムチャネルの動画広告は、ユーザー生成コンテンツ (UGC)などの非プレミアム在庫よりも20‐50%信頼できると考えられていました。 この時期にマーケティングミックスを計画する際には、これは重要なポイントです。

視聴者がいつものようにコンテンツを消費していると思い込むべきではない
今までの標準的なメディアパターンは、スポーツの生放送中止、興行中止、広範囲な在宅勤務ポリシーによって劇的に変化しています。 それでも、これらの変化を評価してこそ視聴者に広告メッセージを届けることができるようになります。
たとえば、高度なターゲティング戦略として、リニアTV(従来型のTV放送)とコネクテッドTVの両方での広告をミックスし、家庭での視聴数を更に延ばすことができます。 マーケッターは、InscapeやSamba TVなどの自動コンテンツ認識 (ACR) データパートナーを活用して、過去のスポーツ番組視聴者オーディエンスをキャプチャし、現在彼らが注目をそらしているスポーツ関連以外のコンテンツをターゲティングすることができます。

広告のポジションを盲目的に制限しないべき
現在、デリケートな時期にあり、多くの危機の時期と同様に、多くの広告主が新型コロナウイルス関連のコンテンツへの広告の表示をほぼ完全に制限しています。 しかしながら、新型コロナウイルスが獲得した相当なマインドシェアと前例のないカバレッジのため、関連コンテンツの広告をブロックすると、カスタマーと繋がることができなくなる可能性があります。 Integral Ad Scienceの最近のレポートによると、ほとんどの人は (78%)、新型コロナウイルス関連コンテンツの近くに表示される広告に対する印象は変わらないと報告されています。

パニックになるような無神経なものは共有すべきではない
広告のトーン&マナーとメッセージの重要性はKantar COVID-19バロメーターレポートで伝えられていますが、70%以上のカスタマーは広告主が自社のブランドを宣伝するために状況を悪用してはならないと考えています。
以下、常に確認しておくべき2つの質問があります:

  1. それは無神経ではありませんか?(例:入手が難しいクリーニング関連製品の広告ではないか?)
  2. この広告は顧客にパニックまたは恐怖感を引き起こしますか (例:可能であれば、クリエイティブまたはメッセージを再確認すべきです)?

もし、よくわからない場合には、顧客からフィードバックを得てみることをお勧めします。

これらの「すべきこと」と「すべきでないこと」が、広告戦略を検討するための実用的な思考の手掛かりとなることを願っています。 世界が変化しても、Adobe Advertising Cloud では新型コロナウイルスに対応するサポートを続け、最もタイムリーなレコメンデーションを提供していきます。

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