検索で有利になる、スマートなキーワード作成術 #Adobe Stock
Adobe Stockで作品を販売しよう!
質の高い作品を作ることは重要ですが、Adobe Stockでコンテンツを販売していくには、それだけでは十分ではありません。購入意欲の高いお客様に作品を見つけだしてもらうには、適切なキーワードの設定がカギになります。キーワードの正しい付け方と間違った付け方。まずはその違いを理解するところから始めましょう。
適切なキーワードを設定するには、どのような点に注意すべきでしょうか。キーワード作成に詳しい、Adobe Stockのメタデータオペレーション責任者のTracy Wolfe氏に話を聞きました。
図書館学と情報科学を学び、ストックフォト業界で長い経験を持つTracyは、Adobe Stockで採用したクリエイティブアセットを整理する重要な役割を担っています。購入者が画像、ビデオクリップ、3D素材、テンプレートを検索したときに、関連性の高い高品質な作品を表示し、購入につなげるのが彼女の役目です。
ここでは、キーワードに関する重要なベストプラクティス、そしてCOVID-19(新型コロナウイルス)のパンデミックが続く中で作品を投稿し、キーワードを適用する際の注意点について説明します。
Adobe Stock / Wavebreak Media
カギを握るのはタイトルと上位キーワード
新しい作品をAdobe Stockにアップロードするとき、タイトルを追加して、いくつかキーワードを選択して、という作業を毎回繰り返していませんか? アドビではこの作業を効率的に行えるよう、自動キーワード機能が用意されています。これにより、候補となるキーワードのリストを生成して、自動的に適用できます(既にファイルにキーワードが含まれている場合を除く)。機械学習にもとづいているので、使用回数に比例して、候補として提示されるキーワードの精度が高まる仕組みです。
とはいえ、ご自身でキーワードを作成する手間がゼロになるわけではありません。Tracyはアーティストに、使用しているキーワードを今一度確認し、具体的なキーワードの選定とその順序付けを見直して欲しいと語っています。
画像に付けるタイトルから考え始めるのがお勧め
「適切なタイトルを付けられれば、適切なキーワードもおのずと決まってきます」とTracy。「そのため、タイトルは非常に重要です。実際、タイトルがURLになり、検索対象となります。また、キーワードの上位10個に入っているタイトル語句は、検索アルゴリズムにより関連性の高い追加情報と見なされます」
キーワードの関連性の扱いは利用するストックプラットフォームによって異なりますが、Adobe Stockではタイトルと最初の10個のキーワードが最も重視されることを認識しておきましょう。
また、彼女は次のように説明しています。「キーワードは50個まで追加できますが、最も重要なのは最初の10個です。全体的には25~30個くらいに収めるのがお勧めです。例えば、キーワード全体をスターとそれを支える脇役で構成されていると考えてみましょう。すると、上位10番目までのキーワードがスターになります。ふさわしいキーワード、情報、時間、場所は何になるでしょうか。できるだけ正確に、具体的に決めてみてください。11番目から50番目には脇役となるキーワードです。ここには概念的なイメージがふくらむ語句を追加します」
アルファベット順やあいうえお順に並べたり、思いつきで追加したりしている方は、ぜひ見直してみてください。順序は戦略的に配置する必要があります。重要性が高く、客観的、説明的な関連性の高い語句を、タイトルと上位10個のキーワードに含めましょう。
推奨ベストプラクティス:
- 最初にわかりやすいタイトルを作成する(最大70文字(全角の場合は35文字))
- 重要性の高い上位10個のキーワードを設定する(順序に注意)
- 作品に関連する、精度の高い25~30個のキーワードを考案する
Adobe Stock / Ivan Gener / Stocksy
COVID-19関連のキーワード
COVID-19のパンデミックにより、ウイルスの蔓延、予防、経済への影響などのニュースが世界中で毎日のように取りざたされています。そのため、報道機関、有名ブランドおよび大企業は、パンデミックの現状、その予防と治療の最善策をビジュアルで効果的に伝える方法を模索しています。そして、アーティスト達がこの社会的危機を描くことで、一般の人々にことの深刻さが伝われば、大きな社会的価値を生み出すことができるのではないでしょうか。そしてその価値を高めるには、作品を制作するだけでなく、そのタイトルやキーワードも重要な役割を果たします。
COVID-19に関連する最近の報道に関しては、アジア人差別を助長するという別の悲惨な問題も起きています。このウイルスは中国の武漢で発生したと考えられているため、「中国ウイルス」や「武漢ウイルス」と呼ぶジャーナリストもいました。報道が他の多くの国にも広まり、人種差別を引き起こす可能性に気が付かなかったのです。政府関係者の中には、中国に対して否定的な公式発言をする人物もいる状況です。
ニュースや公衆衛生キャンペーンに使用する画像の選び方ひとつが、見る側の脅威の捉え方、ひいては特定の集団や民族に対する不当な非難にも大きく影響する可能性があります。アジア系アメリカ人ジャーナリスト協会(AAJA)は、COVID-19を報道する際、「アジア人とアジア系アメリカ人に対する正確で公正な描写に努め、問題化している外国人排斥感情や人種差別を煽らない」よう、ジャーナリストに冷静な対応を求めました。
Adobe Stock / Santypan
Tracyは、中国人や中国とは関係がない画像に対して、「中国」というキーワードでタグ付けされた画像がAdobe Stockで最近増加していることを指摘しています。マスクを着用している画像や手を洗っている画像、診察を受けている画像をはじめ、ウイルス細胞の画像やイラストなどにも、こうした傾向が見られます。
Tracyによると、このような場合、「中国」、「隔離」、「武漢」などのキーワードタグは正確とは言えません。「ユーザーが探しているものを見つけられるように、キーワードは正確に指定する必要があります。COVID-19の細胞の画像に「中国人」を入れても、表示結果には影響しません。まったく無関係なキーワードです」
関連のないキーワードは検索結果に表示されるノイズを増やし、検索する人が本当に求めている素材を見つけにくくなります。日頃から使わないように心がけましょう。
例えば、次の画像をご覧ください。メインの被写体は寝室でパソコンを見ているヒスパニック系の10代の少女です。背景に地球儀やスタンド照明がかすかに見えます。「ヒスパニック」、「10代」、「少女」、「パソコン」などのキーワードはすべて、メインの被写体を客観的に説明しており、このような画像を探している人が検索語句として選ぶ可能性が高いでしょう。しかし、「地球儀」や「照明」はどうでしょうか。確かに画像に写り込んではいますが、メインの被写体ではありません。地球儀や照明の画像を探しているクライアントが検索したときに、検索結果としてこの画像が出てきたらがっかりするのが想像できますね。
Adobe Stock / Hero Images
COVID-19関連の画像を検索する場合、特定の人種を対象にした無関係なキーワードを使用すると、アジア人に対する差別と偏見を助長し、さらに状況が悪化します。たとえ意図したものでなくても、キーワードを見たクライアントが不快に感じ、そのアーティストのコンテンツの購入を避けることも考えられます。
キーワードは数を絞り、慎重に語句を選びましょう。少しでも関連性があればキーワードに含め、検索結果に表示される頻度を増やす作戦もありますが、実際は作品と無関係な検索に表示されるだけで競争力もなく、むしろ逆効果です。キーワードの作成に関しては、提供するクリエイティブアセットの種類を問わず、ベストプラクティスを心がけましょう。できるだけ客観的で正確に。クライアントの期待通りに検索結果が表示されれば、コンテンツ販売の促進にもつながるはずです。
キーワードについて詳しくは、こちらのオンデマンドオンラインセミナー(英語版のみ)も_ご覧ください。Tracyが、Adobe Stockエバンジェリスト、フォトグラファーのMat Hayward氏と共に解説しています。_
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いかがでしたか?Adobe Stockで作品を販売してみたい方は、今すぐコントリビュータープログラムに参加ください。皆様の素晴らしい作品をお待ちしております。
この記事は2020年4月10日にAdobe StockのIrene Malatestaにより作成&公開されたSmart Keywording Without Biasの抄訳です。