Adobe Illustrator 2020年6月アップデートのご紹介 -どこからでも作業を可能にするクラウドドキュメントとその他機能-
Illustrator 24.2の新機能
Adobe Illustratorの最新リリースでは、数々の改善点に加え、どんな環境にいても素晴らしい制作を可能にするクラウドドキュメントがサポートされます。ドキュメントの自動保存からバージョン管理まで、クラウドドキュメントはIllustratorでの作業をシンプルで迅速にしてくれます。また、これまでのアップデートと同様、デザインスペースの拡張、エフェクト類の即時レンダリングなど、Illustratorをさらに使いやすくするための強化を実施しています。
その他の今回のアップデートの内容をご紹介します。
クラウドドキュメント:保存の高速化とバージョン履歴
Illustratorがインストールされていれば、どこからでも簡単にドキュメントにアクセスできるのがクラウドドキュメントのメリットですが、それだけではありません。まずご紹介したい特徴が、その速度です。ファイルサイズに関わらず、クラウドドキュメントは作業中に自動的に保存され続けるため、ローカルのコンピューター上にドキュメントを保存するよりもずっと速く作業を実施できます。最大のメリットはバージョン履歴で、Illustrator内で直接、作品の任意のバージョンを確認し、ラベル付けや復帰をすることができます。
これはIllustratorのクラウドドキュメントでできることのほんの一部に過ぎません。近日中に、他のユーザーとドキュメントを共有してアプリ内で直接編集やレビューができるようになります。また、近日リリース予定のIllustrator iPad版からもクラウドドキュメントを利用できるため、iPadでも場所を問わず作業ができるようになります。
クラウドドキュメントの使い方は簡単で、Illustratorで開いた任意のファイルを保存する際に「クラウドドキュメントとして保存」メニューコマンドを選択するだけです。クラウドドキュメントは、今日からお使いいただけます。
より大きなカンバス:100倍のスペース
もっと場所を広くとってデザインをしたい場合でも、プロジェクトに必要なアセットをすべて1箇所にまとめたい場合でも、カンバスのスペースをさらに拡張できるようになりました。「新規ドキュメント」の設定できるドキュメントのサイズの上限はこれまでの100倍、つまり500万平方インチ(3千225.8平方メートル)以上にもなります。50m×50mの大きさも作れますよ。
リアルタイムの描画と編集:デザインのライブプレビュー
最新バージョンではコンピューターのGPUを最大限に活用し、デザイン作業中のグラフィックをライブレンダリングします。これまでは、オブジェクトの拡大・縮小、回転、あるいは描画のいずれでも、作業中にはアウトラインしかレンダリングされませんでした。このオプションをオンにすると、グラデーション、効果、線スタイルを適用したオブジェクトであってもリアルタイムでそのままレンダリングされます。
リアルタイムの描画と編集を有効にする方法については、こちらをご覧ください。
ご要望の多かった改善点
ドキュメントをまたいだアートボードのカット&ペーストが可能になりました。
「新規ドキュメント」ウィンドウ表示の高速化<u>
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新規ドキュメントウィンドウの読み込みが10倍高速化され、これまでよりも早く作業を開始できるようになりました。
「環境設定/一般…」にあった「すべてのドキュメントで定規を表示 / 非表示」が英語版のラベル名の変更に伴い「定規を表示・非表示」チェックボックスに変わりました (*1)。このオプションをオンにし、かつ「表示メニュー/定規」から「定規を表示」を選択すると、以降はすべてのドキュメントが定規を表示した状態で開かれます。(*1) 次リリースで元の翻訳に戻す予定です。
「ファイル/書き出し/書き出し形式…」または「ファイル/書き出し/スクリーン用に書き出し…」でファイルを書き出す際、元のIllustratorファイルと同じフォルダ、または直近でそのファイルから書き出し保存したフォルダがデフォルトの保存先になります。
Illustratorの次のリリースに含めたい改善点のアイデアがあればぜひ、IllustratorのUserVoiceページに投稿してください。Illustratorの未来がどうあるべきか、皆さんのご意見をお待ちしています。
この記事は2020年6月16日に公開されたAdobe Illustrator Summer Releaseの抄訳です。