より良い製品づくりに貢献するパブリックベータの役割と、最新アップデートにおけるパフォーマンス強化について #PremierePro #AfterEffects
Adobe Creative Cloudビデオ&オーディオアプリケーションの継続的な改善を支えるプログラム
最近アドビが導入したパブリックベータプログラムは、リリース手法を含め、これまでの私たちのソフトウェア開発のあり方を変えつつあります。今回Adobe Premiere Pro、Adobe After Effects、Adobe Audition、Adobe Character Animatorに実施したアップデートに含まれる200近くにのぼるバグ修正とパフォーマンスの向上は、パブリックベータプログラムの成果です。
パブリックベータ版でより迅速な検証が可能に
まず、アプリケーションのバグ修正の仕組みをご説明します。アプリケーションに問題があれば、発見したユーザーまたはアドビのエンジニアがバグレポートを提出します。それを受け取った開発チームがまず取り組むのは、同じ現象の再現です。再現ができれば、何を修正すればいいかが分かります。今回のアップデートでは、After Effectsで特定のサードパーティ製プラグインを使っている場合にのみ起きる、コンポジションでDynamic Linkを使うときの不具合が修正されていますが、これは同じ条件を揃えて初めて再現ができます。Premiere Proで編集ワークスペースを切り替えるときに不具合が出るという問題も同様に、開発チームが再現できたために修正することができました。こういったバグ修正は、Premiere Pro(英語)とAfter Effectsそれぞれに「修正済みの問題」として公開しています。
次に、パブリックベータの仕組みについてですが、バグを修正するコードが完成すると、初期検証のために内部テストにかけます。内部テストに合格すると、それはベータビルドに組み込まれます。その間、ベータユーザーからのフィードバックに注視しながら、私たちも並行してテストを継続します。これにより、従来よりも迅速に、より高い信頼性をもって修正コードが検証できるようになりました。より多様なシステム構成のもとでベータビルドをテストできるだけでなく、ベータユーザーからのフィードバックを毎日受けられるのも利点です。
すべてのユーザーがパブリックベータプログラムに参加する必要はありませんが、このプログラムの恩恵はすべてのユーザーにもたらされます。アドビのパブリックベータへの取り組みを率いるデイヴィッド シモンズにジェイソン ラヴィーンがインタビュー(英語。日本語字幕対応)をしていますので、ぜひご覧ください。
今回のアップデートにおけるパフォーマンス強化点
今回のアップデートには、Premiere Pro(14.3)の起動の高速化など、いくつかのパフォーマンス強化が含まれています。Premiere Proがプラグインのレジストリを読み込む方法を最適化し、macOSでの初回起動を最大6倍高速化しました。
最新バージョンのPremiere Proにおける起動時間の高速化を示すグラフ
今回は、Audition(13.0.7)のオフラインメディアの再リンクの改善など、ワークフローの強化も実施しています。リンク先が見つからないメディアは「ファイル」パネルに一覧表示され、ユーザーはそこですべての再リンク作業をおこなえます。プロジェクト内にたくさんのファイルがある場合、タイムライン上でクリップを個別に右クリックしていくよりも速く作業できます。
Auditionの「ファイル」パネルですべてのオフラインメディアをリンクできます
Apple Afterburnerカードのサポートを追加
新しいテクノロジーのサポートと、そのテクノロジーに合わせたアプリケーションの最適化が、私たちの開発の指針となり、将来にわたって最高のパフォーマンスの確保につながります。その一環として、Apple ProRes 422とProRes 4444メディアのハードウェアデコードと再生を提供するグラフィックカード、Apple Afterburnerのサポートを追加しました。このような専用ハードウェアの再生能力を活用することでCPUサイクルを解放し、Premiere Proの作業をより効率的におこなえます。
Apple Afterburnerのサポートにより、CPU負荷が軽減され、全体的なパフォーマンスが向上します
新しいリリースは今すぐダウンロードできます
Premiere Pro、After Effects、Audition、Character Animatorの最新バージョンは、Creative Cloudデスクトップアプリからダウンロードできるようになっています。いくつもの新機能が追加されていますが、そのうちの1つ、Adobe Premiere ProとAdobe Stock Audioの統合についての記事もあわせてぜひお読みください。
最新のビルドと機能をテストできるパブリックベータにご興味をお持ちいただけましたら、Creative Cloudデスクトップアプリから直接、アドビ ビデオツールのデスクトップ版のベータビルドをインストールするだけで、簡単にプログラムへご参加いただけます。
私たちアドビは、すべての人が敬意をもって扱われ、平等な待遇を受けるべきであると信じており、ヘイト、不寛容、人種主義に反対するブラックコミュニティを支持します。アドビは、従業員、クリエイター、お客様、パートナーの皆さんすべてを含む私たちのコミュニティを通じ、多様な人々の声を引き続きサポートし、高め、広めていきます。アドビには、すべての人々がそれぞれに社会に帰属し、その一員であると感じられるように、変革を推進する責任があります。私たちは、人種間の不平等や不正に対し、立ち上がって声を上げなければなりません。この記事(英語)では、アドビが社内外で変化を起こすために取り組んでいるアクションについてご紹介しています。ぜひお読みください。
また、私たちの思いは、現在もCOVID-19の危機の影響を受けている多くの皆さんと共にあります。アドビチーム一同、このような状況下で私たちを勇気づける作品を作り続けている世界中のクリエイターの皆さんに感謝の意を表したいと思います。
この記事は6月16日に発表されたHow Beta is Helping Us Build Better Productsの抄訳です。