「心に響く写真」を生み出す、フォトグラファー・岩松晃一氏が伝える、 「想いを表現する作品作りと、Adobe Stockの魅力」#AdobeStock
Adobe Stockで作品を販売しよう!
Adobe Stockに作品を提供する、人気フォトグラファー達がおくるブログシリーズ。写真撮影における心構えやポイントを、各フォトグラファーが独自の視点で語ります。今回はInstagramで3.8万人、Twitterでは3.9万人のフォロワー数(2020年5月時)の、フォトグラファーの岩松晃一(koichi)さんが登場。カメラとの出会いや独自の世界観、Adobe Stockの魅力をお話ししてくれました。自分らしい作品作りに悩んでいる方、チェックしてみてください!
はじめに
風景と人を被写体とした写真を撮影する、岩松晃一です。今から5年ほど前、大学2年生の頃に、中古の一眼レフカメラを購入したことから、本格的に写真を撮りはじめました。尊敬するフォトグラファーさんが風景写真を専門にしていたこともあり「自分にもこんな風にキレイな写真が撮りたい」という憧れから、身の回りの風景を撮るようになりました。
Instagramの“バズ”が、写真の投稿意欲を高めた
現在はフリーランスのフォトグラファーとして活動していますが、仕事は全て、SNSのつながりから生まれています。転機になったのは、大学3年生の時に撮影した、土浦全国花火競技大会のフィナーレに打ち上がる花火の写真がInstagramで「バズった」こと。この写真がInstagramで拡散され、一気にフォロワーが増えたんです。当時はまだフォロワーが1000人もいない状態でしたが、沢山の人に見てもらえたことで写真を撮ることへの気持ちが高まり、投稿が習慣化するようになりました。
お台場の夏。
大学卒業後、1年間は準備期間として、地元の飛騨高山を拠点とする家具店の東京支店に就職し、社会人2年目からフリーランスになりました。将来的には、写真で地方創生を行い、地元に貢献したいと考えています。教員免許を持っていることもあり、新型コロナウイルスによる自粛の間は、地元の市役所の方と連携して、出身校の写真部で課外授業のプロジェクトを計画していました。こちらは状況が落ち着いたタイミングで実行する予定です。フリーランスとして自由に動けるからこそ、やりたいことに挑戦できるのが嬉しいですね。
仕事でも、世界観を表す作品を提案
仕事として撮影する作品では、クライアントの意向に沿い、打ち合わせを重ねて作り上げるのが大前提。私の場合は「世界観を表現した作品を」という依頼が多いこともあり、依頼通りの作品に加えて、ロケ現場でのオフショットやスタッフさんを映しこんだ作品をその場で提案することもよくあります。そんな風に驚きや意外性のある作品は喜ばれますね。
仕事ではデジタルカメラを使用していますが、プライベートな作品撮りは勉強も兼ねてフィルムカメラを使用しています。フィルムカメラは20台位持っていますが、現在、愛用しているのはPentaxの67。作品撮りでは地面スレスレにカメラを構えたり、土砂降りの中で撮影したりと、失敗を恐れず、常に新しいことを試すようにしています。
水族館。エイとの遭遇。
カメラは「#時間を切り取る魔法の道具」
SNSでは、思い入れのある作品には「#時間を切り取る魔法の道具」というタグをつけています。このタグを使いはじめるようになったのは、2年ほど前から。祖父母の家に、自分が生まれてから成長するまでを撮影したアルバムが大量にあるのを見て、「カメラは時間を止める道具なんだ!」と感動したことから作りました。写真を撮ってくれた祖父への感謝の気持ちもありますし、自分の中でカメラに対しての愛着が増したんです。カメラが「#時間を切り取る魔法の道具」であることに共感していただいた方、使ってみたい方は、SNSでの投稿作品につけてみてください。
カメラを通して、自分の感情を表現する
私にとって写真を撮ることは感情を表すこと。悲しみや喜びなど、感情が揺さぶられたタイミングで撮影することにより力強い作品が生まれるので、感情が動く時には必ず写真を撮るようにしています。
空色に染まる2人。
大学3年生の失恋を元に撮った作品です。大学と自宅が荒川に近く、荒川を行き交うシルエットは自分にとって日常的に目にする風景でした。失恋による悔しさや悲しさがピークに達した時に、カメラを手に土手を駆け上がって写真を撮っていたところ、たまたま高校生のカップルがいたのでモデルをお願いして撮らせてもらいました。今では名刺にも使用しているほど、思い入れがあります。
Adobe Stockで自分の作品を振り返り、深める
今回、Adobe Stockに作品を投稿して感じたのは、SNSとは異なり、高画質の作品を発表できるということ。InstagramやTwitterでは、どうしても投稿時に画質が劣化してしまいます。Adobe Stockでは、自分が最も見せたい、キレイな画質で作品を投稿できるのが魅力です。それから、世界中の方に作品を見てもらえるのもメリット。SNSにも海外のフォロワーの方はいますが、SNSは基本的には自分の興味のある作品が流れてくるもの。Adobe Stockは自分の作品を世界に向けて発表する場所でもあり、様々なアート作品を見て、刺激を受ける場所でもあります。
また、投稿時には作品ごとのキーワードに優先順位をつけますが、この作業により、作品に込めた想いや感情を振り返ることができました。今はSNSに作品を投稿している方も多いですが、見返す機会は意外と少ないのではないでしょうか。投稿により、過去の作品を振り返ることができ、成長を感じるきっかけにもなります。編集をする方は、投稿時にもう一度編集し直してみるのをおすすめします。それから、作品が購入されることにより、どのような作品がニーズにマッチしているのか知ることができます。もし、偶然、街中やホームページなどで自分の作品が使われているのを見つけたら嬉しいでしょうね。
ビジュアルトレンド「Express Yourself」と重なる、無邪気にはしゃぐ子どもの表情
Adobe Stockの提案する、2020年のビジュアルトレンドに「Express Yourself:ありのままの感情表現」があります。僕がこのトレンドにピッタリだと思うのは親せきの幼稚園児を撮った作品です。お正月に家族で集まった時に団地近くにある小さな公園で、被写体の子どもとサッカーをしながら撮りました。彼は当時まだサッカーチームに入ったばかりで、ルールすらわかっていません。それでも、ボールを追いかけるのが『楽しくて仕方ない!』という気持ちに溢れながら、無邪気に走り回る姿を見ていたら、思わず一緒に遊ぶのを家族や親せきに任せて撮影に集中していました。
あえてサッカーボールを入れない構図にしたことで、彼がこれから作っていく自分の未来を一心不乱に追いかけ、つかもうとしているように見えてくるのがポイントです。こういったストーリーの浮かび上がってくる作品がこれから求められていくのではないかと思います。
憧れの人を真似しつつ、「+α」を加えて、世界観を構築する
最近、フォロワーさん達から「自分らしさが見つからない」「作品がマンネリ化してしまう」という質問を受けることがよくあります。そんな時は、沢山の作品を見て、好きな写真家さんを見つけ、そこに近づけられるように、試してみることをお伝えしています。ただ真似をするだけでなく、「+α」として好きな表現を組み合わせることで、新しい表現が生まれるのではないでしょうか。
私自身も作品がマンネリ化して悩んでいた時期がありました。その時、尊敬している写真家さんに「視点を変えて、一歩引いて撮ることが大事」とアドバイスをいただいたんです。これを実践したことで、風景写真に人が写りこんだ、臨場感のある作品を撮影することができました。この経験は「風景と人」を組み合わせることで物語性が生まれるという、現在の作風にもつながっています。写真を好きだという気持ちを大事にして、コツコツ写真を撮っていけば、きっと、自分らしさにたどり着けるはずです。
写真をはじめ、アートや映画などで感性を磨き、アイデアを見つける。そういった意味では、幅広い作品が掲載されているAdobe Stockは、自分の作品の振り返りはもちろん、インスピレーションを得るためにも活用できると思います。
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いかがでしたか?Koichiさんのように素敵な作品を投稿してみませんか?コントリビュータープログラムの詳細は**こちら**からご確認ください。皆さんからの作品をお待ちしております!
【プロフィール】
岩松晃一/Koichi Iwamatsu(@Kfish1882)
岐阜県高山市出身。東京を中心に、風景とポートレートをメインで撮影。風景の中に人を入れた写真、Photoshopを使ったアート写真を主に発表する。3年間NikonのAPS-C機の限界に挑戦し、2019年からフルサイズへ。フィルムカメラやオールドレンズも収集し、常に新しい写真の楽しみ方を模索している。『心に響く写真』をコンセプトに、日常を切り取る作品はSNSでも注目を集めている。