アドビが実践するクリエイティブでエンゲージメントを高めるヒント #AdobeLife
コロナ禍で日本でも多くの企業が引き続きテレワークに取り組んでいますが、一方で様々な課題も言われるようになってきました。たとえば「エンゲージメント」もそのひとつ。バラバラの場所で働きながら、どのようにコミュニケーションを実現し、チームとしての一体感や企業文化を醸成していくか、今、多くの企業が悩みながら歩みを進めていることと思います。
アドビではグローバルでオフィスが閉鎖となった3月下旬以降、テレワーク下でどのようにコミュニケーションを図り、エンゲージメントを高めていくか具体的なビジョンを示したプランを作成するとともに、様々な新しいことにチャレンジしてきました。今回はその中でも、アドビ社員が自らのクリエイティビティを発揮し取り組んでいる、離れていてもみんなが同じ方向を向いて進むためのコンテンツ作りについてご紹介します。
1つ目のコンテンツは「社内報」です。アドビジャパンには社内報編集部があり、これまで四半期に一度のペースで雑誌装丁の冊子を発行してきました。企画会議から取材、原稿の執筆やその管理に至るまで、様々な立場で働くメンバーが、オンにオフにコミュニケーションを取りながら進行。集められた原稿は「Adobe Acrobat」による文字校正を経て、デザイナーが「Adobe InDesign」を用いてレイアウトし、冊子へと仕上げられています。
DXマーケティング&セールスディベロップメント本部セールスディベロップメントリプレゼンタティブ龍崎拓人
このように従来は紙の冊子として発行されてきた社内報ですが、社員の多くが在宅ワークとなって以降は、そのメディア形態をWebコンテンツに変えています。発行サイクルも四半期に一度から一週間に一度へと大幅に短縮され、あわせて編集体制も様変わりしました。きっかけはアドビジャパンの社長であるジェームズ マクリディから直接相談を受けたことだったと、編集長の龍崎拓人は振り返ります。
「テレワークで社内のコミュニケーションが制限される中、社員のエンゲージメントを高めるためにメッセージを届けたいと相談され、すぐにそれなら社内報でやるべきだと思いました。社内報は社内に知らない人がいないメディア。そのブランド力と僕らのコンテンツ制作力をバランス良く織り交ぜてメッセージを発信すれば、より多くの社員にメッセージを届けられると考えたからです。グローバルで作成されたプランに基づき、メッセージ発信の頻度をあげるためにオンラインでやろうということになり、『Adobe Spark』を使ったオンライン版社内報のプロジェクトがスタートしました。」
「Adobe Spark」では豊富なテンプレートを使って、誰もが簡単にWebをデザインできます。またプロジェクトを共有することで、編集部員が個別に変更や修正を加えることも可能になります。「Adobe Spark」の活用によって、コンテンツ制作の作業工程が大幅に短縮されたと龍崎は説明します。
「編集会議はビデオ会議になりましたが、元々バラバラの部署にいる編集部員がオンラインで連携しながら作業にあたっていたので、原稿作成までのフローは従来と大きく変わっていません。大きく変わったのはその後の行程。『Adobe Spark』では直感的な操作できれいなレイアウトが簡単にできるし、校正などの修正作業もSpark上でできるので、短期間でのコンテンツ配信が可能になりました。」
そのコンテンツには、オンライン版ならではの工夫も加えられています。「紙の冊子はじっくり読んでもらえるように文章量も多めでしたが、オンライン版はスクロールして見ることを前提に、さっと目を通してもらえるボリュームを心がけています。文章量を減らす一方でクリエーターのポートフォリオサイト『Behance』にある作品や『Adobe Stock』も活用して写真やイラストを多め配置するなど、見てもらうためのビジュアルにはかなりこだわっています。」
オンライン版となったことで「読者の反応がダイレクトに返ってくるようになったのも、大きな変化」だと話す龍崎。「毎回楽しみにしているとか、家族で見ていると言ってくれる読者もいて、メッセージが着実に届いていることを実感しています。紙には紙の良さもあるので冊子も引き続き発行していきたいですが、コンテンツを届けられるチャンネルが増えたのは良かったですね。」
一方グローバルでは、社内向けに配信されているある動画が、アドビ社員のエンゲージメントの向上に大きく貢献しています。
社内向けの動画サイト「Inside Adobe TV」で、毎週月曜日に配信中の「TAKE 5 with Adobe」は、その名の通り5つのトピックスを取り上げる5分間のニュース番組です。COVID-19の最新情報から、アドビの主要な取り組みや今後のイベント、専門性にフォーカスを当てた社員紹介など、幅広い情報をトピックスとして紹介。テンポの良い進行、クレジットの入れ方、ワイプ処理など、その仕上がりは本物のニュース番組さながらです。
番組を手がけているTAKE 5チームは米国本社の社内広報部門のメンバーで、実は今回のパンデミックの前からビデオを含むさまざまなメディアを通じて、社員とのコミュニケーションチャネルを多様化する計画を立てていました。「TAKE 5 with Adobe」がニュース仕立ての番組になったのは「自然な流れだった」とのこと。番組内でキャスターを務めている社員は元放送ジャーナリストで、彼女の専門知識と持ち味を生かしたニュース番組は今、世界中の社員に情報を、簡単かつ素早くクリエイティブな方法で届ける役割を担っています。
これを受け、TAKE 5チームは「週の初めに社員がアドビについて知っておくべき、5つの重要なことを伝えるために番組を配信しています。COVID-19の影響に関するアップデート、新製品の発表、近日開催予定の社員イベント、在宅勤務に役立つヒントなど、アドビファミリーがクリエイティブでインスピレーションに満ちた自分になるために必要な情報を提供していきたいと考えています。ただ情報を提供するだけでなく、楽しいものにしたい。真面目なコンテンツでありながらも、アドビのクリエイティブな伝統に敬意を表すような、バランスのとれたトーンにすることを心がけています」とコメントしています。
今は本格的な機材やスタジオを使った撮影ができないため、撮影はiPhoneなど身近な機材を使用して行われているとのこと。撮影された動画をプロデューサーが自宅で「Adobe Premiere Pro」を使って編集し、本格的なニュース番組に仕上げています。「世界中のチームからも動画を提供してもらい、自分たちで編集していますが、4人のメンバーが自宅のリビングルームでこれをすべて行うのは大変な作業」とのこと。そうした苦労の甲斐もあり、動画には多くの同僚から非常にポジティブな反応が寄せられていて、グローバルの様々な部門から番組に参加してイベントを宣伝したいといったオファーも相次いでいると言います。
現在アドビは在宅勤務が続いていますがオフィスに戻っても引き続き、「TAKE 5 with Adobe」を通じて新しいチャレンジを続けていく計画であり、TAKE 5 チームは「私たちの目標は視聴者をさらに増やし、より多くの社員が番組に参加することで、より深い連帯とエンゲージメントを促進すること。多様な製品やサービスを持つグローバル企業の精神を、世界中の仲間に真の意味で捉えてもらいたい」との思いを語っています。