#DesignJimoto Conference 2020「世界で影響力を持つクリエーションとは?」イベントレポート

連載

#DesignJimoto event series

雨の日が続き梅雨明けが待ち遠しい今日この頃ですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか? Creative Cloud Community Mgr. の武井です。情報過多の現代社会、否が応でも毎日世界中で発信されるあらゆる情報の中で私たちは生活をしていますが、全てを知ることは出来なくても、自分の頭で考えることはやめずにいたいですね。
去る7月5日「世界で影響力を持つクリエーションとは?」を考えるDesign Jimoto Conference 2020 を世界で活躍中のクリエイター3名をお迎えして実施しました。

背景:社会課題に声を上げにくい日本社会

世界中で向き合う新型コロナのパンデミック状況下では、平常時も存在していた社会課題が、更に激しく浮き彫りになることを改めて肌で感じる日々です。BLM人権問題のムーブメント、SNS誹謗中傷問題、幼児虐待問題、貧困問題など、コロナ禍で更に浮き彫りになった社会問題に対して、世界中のクリエイターが恐れず声をあげる中、日本では声を上げにくい空気が作られてしまっている現状を目の当たりにしました。クリエーションとは、そもそも「自分の声」を持つこと。#OurVoiceMatters この現状に対して私たち自身が、立ち止まり、改めて考える、この場を設けることが今回のカンファレンス実施の目的でした。

イベント映像で閲覧したい方はこちらから↓

現状把握のため、参加者には事前アンケートに答えてもらいました。

上記の状況を把握した上で、今回のテーマとなるこちらを考えます。

ゲストスピーカー

今回のカンファレンス実施の重要性を感じ始めた頃、私の頭の中には既に関わってもらいたい人たちの顔ぶれが揃っていました。それからすぐ連絡をとり、コンセプトを説明するとすぐに快く承諾してくれました。クリエイターとしてクリエーションの社会的影響力を認識した上で素晴らしい活動をされている、世界で活躍中の3名。今回は、ニューヨーク・カリフォルニア・東京を繋げてお届けしました。(時差調整が大変だった!)

Creative Talk 1:「目指せ!世界市民クリエイター」

**Yuko Shimizu 清水裕子 Instagram / Website / **Behance
米国ニューヨーク在住21年のイラストレーター。School of Visual Arts イラスト修士取得後、同校講師。主なクライアントは、Apple、Microsoft、Adobe, The New York Times, Harvard University, DC Comicsなど他多数。クライアントの9割を米国および日本国外に持つ。2009年ニューズウィーク日本版の「世界が尊敬する日本人100」に選ばれる。

Creative Talk 2:「迷って迷って辿り着いた今のぼくのクリエーション」

**Dice Tsutsumi 堤大介 Twitter / **Instagram
東京都出身。スクール・オブ・ビジュアル・アーツ卒業。Lucas Learning、Blue Sky Studioなどで『アイスエイジ』や『ロボッツ』などのコンセプトアートを担当。2007年ピクサー入社。アートディレクターとして『トイ・ストーリー3』や『モンスターズ・ユニバーシティ』などを手がけている。2014年7月ピクサーを去り、トンコハウスを設立した。初監督作品短編『ダム・キーパー』は2015年のアカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされる。71人のアーティストが一冊のスケッチブックに絵を描いて、世界中に回したプロジェクト『スケッチトラベル』の発案者でもある。

Creative Talk 3:「スロージャーナリズムと言うコミュニケーション」

**Shiori Ito 伊藤詩織 **Website
1989年生まれ。ジャーナリスト、ドキュメンタリー映像監督。主に海外メディアで映像ニュースやドキュメンタリーを発信している。国際的メディアコンクールNew York Festivals 2018では制作したドキュメンタリー『Lonely Death』(CNA)と『Racing in Cocaine Valley』(Al Jazeera)が2部門で銀賞を受賞。性暴力被害についてのノンフィクション『Black Box』(文藝春秋社)は本屋大賞ノンフィクション部門にノミネートされる。第7回自由報道協会賞では大賞を受賞し、5ヶ国語で翻訳される。2019年ニューズウィーク日本版の「世界が尊敬する日本人100」に選ばれる。2018年ロンドンにGenderーBased human rights に光を当てるドキュメンタリー制作をモットーにするHANASHI FILMSを共同設立。

パネルディスカッション・Q&A

参加者からの事前アンケートでもらっていた質問はトピックカードで用意し、イベント実施中にリアルタイムでチャットルームにあがってきた質問については、運営チームが Xd fileにリアルタイム共同編集で書き起こしを質問内容を見える化しました。(Xdは、ブレスト用のホワイトボートとしてもオススメです!)とはいえ、限られた時間の中、あまりにもたくさんの質問をいただいたためカバー仕切れませんでしたが、チャットルームでも積極的な質問や感想のやりとりが参加者同士でもなされていたのがとても印象的でした!

Xd はブレスト用のホワイトボードとしても使えるのでオススメです!

参加者のみなさん

Design Jimotoでは、社会課題にデザインの力で向き合うために必要なCross-Community (様々な業種のコミュニティーを掛け算する)の場作りを大切にしているため参加者のバックグラウンドも様々です。今回は、いつも以上に国も人種も超えた多種多様な方々に参加いただきました。

参加者からの感想

などなど。ここでは、一部しかご紹介できませんが、本当にものすごい量の感想が寄せられました。登壇者の方々にも、参加者からの感想は全て共有させてもらいました。イベント中に、素敵なグラレコを描いてシェアしてくれた方もいました!

📝世界で影響力をもつクリエイションとは?
堤さん(@tonkohouse )の好奇心が世界を変えるきっかけになること、Yukoさんの伝えるためのリサーチの話、Sioriさんのスロージャーナリズム。自分が何のためにに作品を作るのか、改めて考えるきっかけになりました..!#DesignJimoto pic.twitter.com/D74bkrcyph

— **nanae🐷🦊 (@nakumaro) July 7, 2020

Design Jimoto Community Team

今回のDesign Jimoto Conference実施にあたり、運営チームはこちらのメンバーでお送りしました。所属企業も業界もバラバラですが、社会課題にデザインで向き合うという軸で繋がっています。縁の下の力持ちとしてサポートしてくれた運営メンバーのおかげで今回のConferenceを無事にお届けすることができました。これからも自分たちの時代を自分たちでデザインしていきましょう!

おわりに

世界中で巻き起こる社会問題に対して、何ができるのか思い悩み手探りで企画した今回のカンファレンスでしたが、登壇者の方々、運営チーム、そして参加者のみなさんと本質的な対話の時間を持つことが出来たことを嬉しく思います。最後まで「思いやりのある対話」を一緒にしてくれて本当にありがとうございました。話しづらいトピックだからこそ、対話をすることから逃げるわけにはいかない時代ですね。では、また次回お会いしましょう!