GE Digital、Adobe Stockを活用してリブランディングを推進 #Adobe Stock
GE Digitalは今年の初頭から全面的なリブランディングに踏み切りました。3月の時点で最初のメッセージングドキュメントと社歌動画ができあがっており、新しいブランドキットの作業も半分ほど完成していました。ところが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の爆発的な感染拡大によって、事情が一変します。まずチームの活動がリモートワークに切り替わりました。そして本年度のキャンペーンの全撮影スケジュール、イベント主体のあらゆる企画、また出張や物理的な人員派遣を伴う業務がすべてキャンセルになりました。
クリエイティブ的な観点からいうと、このような事態はいずれも大問題です。特に、現場へ撮影に出掛けていくことで写真、動画、マーケティングコンテンツを作るというスタイルを長年続けてきた会社にとっては死活問題ではないでしょうか。私たちが撮影をおこなう場所は、工場、発電設備、水道設備など、アクセスが困難な産業用立地がほとんどです。そのような場所に出向くことが不可能になったいま、変化への適応、しかも迅速な適応を余儀なくされたのです。
ストック素材を活用して非常事態を乗り切る
GE Digitalでは大規模な高品位画像ライブラリを自社で保有しているため、弊社は比較的恵まれた環境に置かれているのですが、新しいコンテンツの制作規模を拡大していくためには、画像を追加投入して既存のアセットを増やし、補強する必要がありました。
そこで注目したのが、Adobe Stockです。GE Digitalにふさわしい画像はどのような画像か、それについてはチームとして非常に明確な考えを持っています。しかしCOVID-19の状況下とはいえ何度も同じビジュアルを使えば見る人に飽きられてしまうため、画像を使い回すわけにはいきません。弊社のビジョンと現実との間に、うまく落とし所を見出す必要があったのです。Adobe Stockでは当ブランドにぴったりの素材を見つけることができたので、幅広い用途への対応力と一貫性を備えたコンテンツエンジンを構築するのに役立ちました。
代わりではなく、補完する存在
もちろん悩ましい部分はありました。GE Digitalには産業写真の豊かな歴史があります。通常は立ち入りが許されないような施設の舞台裏を垣間見せてきた実績から、ある意味、GE Digitalこそ本物の情報源であるというような信頼感ができあがっています。
施設のフロアを実際に歩き、仕組みを理解したうえでのデザイン、それが私たちのデザインに対するアプローチでした。撮影スケジュールのあらゆる要素、中心に据える題材選び、あらゆる制作手法、すべてにおいてその考え方が軸になっていました。そのため、Stockを利用するにあたっては「本物」の信頼感を保つことが肝心です。GE Digitalならではの要素の代わりとして利用するのではなく、本来のGE Digitalらしいイメージを補完する目的で、ストックであることを感じさせない素材、狙った形でストーリーを伝えられる素材を利用するのです。
弊社では大規模な高品質画像ライブラリを保有しているため、どのようなものがGE Digitalのために役立つかをきわめて明確に認識しています。その認識があれば、GEの写真をAdobe Stock素材と組み合わせて提供しても、見る人に真実を伝える、説得力のあるコンテンツを提供し続けることができます。例えば、演出感のない自然な雰囲気の画像に、弊社のソフトウェアを現場で使用するオペレーターが遭遇しそうな状況を表した画像を組み合わせるような使い方が考えられるでしょう。
GE Digitalの基本的な狙いは、弊社のテクノロジーが稼働している環境の様子を伝え、テクノロジーを使う人の様子を紹介することです。ただし、その映像は、生々しい事実の冷徹さを感じさせるものでもあります。弊社のお客様がソフトウェアを使う場所は、コーヒーショップではなく、石油掘削の現場であり、生産ラインであり、制御室ですので。そのため現場とかけ離れている画像や、運用状況とのつながりがないテクノロジーだけを取り上げた画像は避けなくてはなりません。
あらゆる産業環境には、それぞれの状況における安全確保の側面もあります。オペレーターは細心の注意を払いながらすべての操作をこなしています。私たちの映像も、その点が伝わるものでなくてはならないでしょう。最近は、ビジュアルにデータオーバーレイを重ねる手法により、美しい映像と関連情報を組み合わせて提示するスタイルがお客様に好まれるようになりました。データを豊富に含んだ画像では、構成にある程度柔軟性を持たせることが重要です。
制約のないリモート環境
Stockを利用するようになって、私たちの作業効率は向上しました。チームのメンバーは安全な状況で職場に復帰できる日を心待ちにしていますが、コンテンツ作成の新しいアプローチが失われることはないでしょう。以前よりもすばやく、しかも品質はそのままにビジュアルアセットを作成する方法を知ったからです。
私のチームは、高いスキルを持つライターと広報エキスパートで構成されており、ニュース編集室と同じように週単位のサイクルで活動しています。制作物は、弊社の従業員、テクノロジー、リーダーシップに主眼を置いた社内向け連載コンテンツです。それに加え、私たちのお客様、製品、サービス対象業界を取り上げた社外向け記事も提供しています。
こうした続き物コンテンツ向けの作品には毎回、画像が必要ですが、従来は写真を撮影してからその画像を完成させるまでに3〜4週間の日数をかけていました。画像ができた後は、様々な顧客、製品、業界向けの幅広いコンテンツで使用することになります。この最後のカテゴリー向けではAdobe Stockが非常に効果的で、1つの特定業界に訴求する画像を、数週間もかけて作るのではなく数時間で見つけることができます。
工業関連のAdobe Stock素材をご覧ください。
もちろん、撮影という作業はGE Digitalのクリエイティブプロセスに欠かせない要素ですが、Stockは、私たちのクリエイティブ活動を維持するために役立ち、このチームにとっては安心材料となり、現場で働く従業員にとっては負担を軽減する存在になっています。
検索をスマートに活用
Adobe Stockギャラリーでは、産業環境のシンプルな画像から、テクノロジーを使っている場面のクローズアップ写真まで、何百万枚という膨大な数の写真を閲覧して選ぶことができます。つまり大量の素材が手元にあるということです。しかし、このような環境では完璧な画像を探すために時間を費やしすぎてしまい、コンテンツ制作自体がおろそかになってしまう危険があります。
ところが、Adobe Stockには他のライブラリにない高度な検索機能が備わっているため、対象を非常に狭い条件に限定して素材を探すことができます。ソフトウェアに直接組み込まれたAdobe SenseiのAI機能で、画像ベースの検索やカラーパレットの抽出などを使ってパラメーターを微調整することにより、求めている画像がすばやく見つかります。私のチームでは、テキストオーバーレイに適した画像を探せる機能が多大な時間節約効果を発揮しました。オーバーレイ向きの素材を支援機能なしで探すことは非常に大変なのです。しかも、そうして画像を見つけた後は、必要なテキストを乗せるスペースが十分にあるかどうかを「切り抜きをプレビュー」機能で即座に確認できます。
Adobe Stock/Before sunrise solar power plants by 一飞黄
基本への回帰
私たちはCOVID-19のために仕事のやり方を変え、さらにリモートワーク環境に特有の問題とも向き合うことになりました。一方で、この状況はGE Digitalと私たちチームのストーリーテリングにとって何が最も重要なのかを今までにない視点から見つめ直すきっかけにもなりました。
マーケターの立場でいえば、これは自社ブランドにとって一番重要なことに改めて意識を集中する機会です。見る人の差し迫ったニーズを満たさないコンテンツを制作している時間はありません。とはいえ、幸い手元には優れたソース素材が山ほどあります。私たちは、会社にとって有意義な形でそれらを組み合わせればいいのです。
GE Digitalにとって、今回の変化は、基本に立ち返りストーリーテリングの効果を倍増させる機会になりました。自社が保有している最高のリソースと、Stockの戦略的な活用法を組み合わせて、私たちは状況に適応する態勢をとり、目標に忠実な姿勢を保つことができたのです。ブランドとしても組織としても。
詳しくは、ウェビナー『Content Velocity Without Creative Compromise(クリエイティブの妥協なしでコンテンツ提供をスピードアップ)』をオンデマンド配信でご覧ください。
GE DigitalのシニアクリエイティブディレクターであるPhilip Stockton氏が、「巣ごもり」状況下でチームを巧みに指揮して迅速なコンテンツ提供の問題を乗り切った経験と、現場へ出掛けて撮影することなく最高の写真を手にする方法について語っています。
Adobe Stock/Offshore oil and gas rig platform by JT Jeeraphun
この記事は2020年5月28日にPhilip Stocktonにより作成&公開されたHow GE Digital Kept Its Rebrand on Track with Adobe Stockの抄訳です。