2020年、「コロナ禍の今」を写す。若手フォトグラファー・金本凜太朗氏が撮り下ろす「From Me to We」の解釈 #AdobeStock
Adobe Stock ビジュアルトレンド
Adobe Stockに作品を提供する、人気フォトグラファー達によるブログシリーズ。写真撮影における心構えやポイントを、各フォトグラファーが独自の視点で語ります。今回はWEB媒体を中心にグラフィカルな作品を発表する、若手フォトグラファーの金本凜太朗さんにインタビュー。Adobe Stockが提案する2020年のビジュアルトレンド「From Me to We」をテーマに制作いただいた作品をご紹介します。Adobe Stockの初投稿の手ごたえ、メリットについてもお話しいただきました。
はじめに
中学生で一眼レフを購入。望遠レンズが広げたカメラの世界
Photo by Rintaro Kanemoto
初めてカメラを手にしたのは小学生の頃。自然観察が好きだったため、家族のコンパクトデジタルカメラで、野鳥や花の写真を撮っていました。小4の時には野鳥の会に入会して、野鳥を撮影していましたが、当時はあくまでも記録のための撮影。他の参加者の方の望遠鏡にコンデジのレンズを近づけて撮影させてもらったこともありました。
中学に入学した頃、野鳥をよりキレイに撮るのが目的で、お年玉で一眼レフカメラを購入。一眼レフに付属していたズームレンズを使うことで、見える世界、撮影できるスケールが変わったんです。
Photo by Rintaro Kanemoto
そこで写真自体に興味が湧き、食べ物や光など、普段目にする、さまざまなものを撮るようになって。一眼レフの説明書や初心者向けの入門書を参考に、三脚を立てて光を流したり、ボカしやブラしなどを行ったりと、撮影技法をひと通り試していきました。
Instagramで写真愛好家達とつながり、撮影依頼が来るように
Photo by Rintaro Kanemoto / Adobe Stock
その頃から、Instagramを通じて、地元・広島の写真好きの方達と交流するようになりました。20代~40代と、幅広い年代の方達と一緒に撮影に行く中で、中学生の自分が一番年下だったこともあり、撮影方法をマネしたり、さまざまな作品を見たりと、教わることも多かったです。
高校生の頃には、地元のモデルさんやバンド活動をされている方から、 Instagram経由で撮影の依頼が来るようになりました。当時は仕事として撮影していた訳ではありませんが、将来的に写真を続けていくことは決めていたので、高校卒業後に上京し、東京綜合写真専門学校に進学したんです。
何気ない「日常」を、独自のグラフィカルな世界観で捉える
Photo by Rintaro Kanemoto / Adobe Stock
中学生の頃から作風自体は変わっておらず、日常生活の中で、自分の興味がある対象を撮り続けています。ただ、次第に、目で見たままの風景を撮るのではなくて「自分なりの世界を撮りたい」という意識を持つようになりました。専門学校でさまざまな作品を見て、知識を得たことで、自分の作風を理解できるようになったと思います。
Photo by Rintaro Kanemoto
最近は新宿・歌舞伎町の風景や人物インタビューの撮影など幅広いジャンルのお仕事をいただくようになり、新鮮ですし、楽しいですね。今はWEB媒体での活動がメインですが、今後は紙媒体にも挑戦したいですし、さまざまな被写体の撮影をしていきたいです。専門学校の頃から撮影の仕事はしていましたが、まだフリーランスとしては活動しはじめたばかりで、学ぶことも多いのでコツコツ頑張っていきたいです。
ビジュアルトレンド「From me to we」をテーマに、「コロナ禍の今」を写す
Photo by Rintaro Kanemoto / Adobe Stock
今回は、Adobe Stockのビジュアルトレンド「From Me to We (“私”から“私たち”へ)」をテーマに、作品を撮っています。飛沫防止用シートをイメージしたビニール越しの人物撮影で、COVID-19(新型コロナウイルス)の世界における、あいまい、かつ複雑な現代の人間関係を表現しています。
撮影前から、コロナ禍で飛沫防止対策として設置されている、レジのビニールに違和感があって。ビニールでお互いの顔もよく見えないですし、コロナ前と「世界の見え方が変わった」感覚があり、「撮影技法として使えないか」と気になっていました。
それから、今年はレジ袋の有料化も話題になりました。自分の中で「消費したら見えなくなるもの。消費を抑えたら見えてくるものがある」と考え、コロナとレジ袋、2つの観点から「人の前にビニールをたらす」撮影を行いました。撮影技法ではなく、ビニールで顔をぼかすために、レジ袋と同じポリエチレンのビニールを使用しています。
Photo by Rintaro Kanemoto / Adobe Stock
ビジュアルトレンドの解釈により、フォトグラファーが作品で問題提起できる
Photo by Rintaro Kanemoto / Adobe Stock
Adobe Stockにはいくつかのビジュアルトレンドのテーマがありますが、フォトグラファーがこうしたテーマで制作することで、コロナにしても、環境問題への取り組みにしても、さまざまな世界的な課題について、作品を通じて伝えることができると思います。
僕自身も、テーマの解釈から撮影方法、演出までをイチから考える今回の取り組みは勉強になりましたし、得たものも大きいです。ほかにも「All Ages Welcome(世代を超えたつながり)」といったテーマもありますが、こちらも機会があればぜひ撮影してみたいです。
Adobe Stockの投稿は初めてでもスムーズで安心。作品の幅を広げる新しい挑戦に
Adobe Creative Cloudは以前から学生プランで使っていますが、Adobe Stockに作品を投稿したのは初めての経験。実際に投稿してみると、簡単に登録できてビックリしました。フォトグラファーからすると、作品を販売するのは大きな出来事。Adobe Stockは投稿時に審査があるので、安心して投稿できます。また、画像が粗い、ノイズが入っている作品は審査を弾かれてしまうことなどもわかりました。
Adobe Stockに作品を投稿するメリットとしては、多くの人に自分の作品を見てもらう機会を作れることではないでしょうか。パソコンの中にあるだけでは誰にも見てもらえない作品も、Adobe Stockに発表することで、見つけてもらえる可能性が生まれます。自分の写真が、知らないうちにどこかの媒体に使われているのを見つけたら、不思議な感覚になるでしょうね。
今回、ビジュアルトレンドの撮影では、新しい手法を試すことができました。今後は、作品の幅を広げて、もっとストックフォトサービスに適した、商用利用で求められる作品にもチャレンジしてみたいです。
Photo by Rintaro Kanemoto / Adobe Stock
【プロフィール】
金本凜太朗
広島県出身。2020年に東京綜合写真専門学校卒業、現在は研究生として在籍する。日常生活の中にある、見過ごされがちな感動をグラフィカルな構図でとらえた写真を得意とする。東京と神奈川を中心に 、WEB媒体でのスナップ撮やインタビュー撮影、ZINE(小冊子)の制作、写真展の開催など、精力的に活動中。
https://www.rintarokanemoto.com/
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