Adobe Sparkで教室でやりたいこと伝えたいことが見えてくる!!
「すべての子どもたちが学びたいときに学べる環境を!」。奈良県では小・中学校へのパソコン1人1台配備が進み、ICT(情報通信技術)を活用した教育が本格化している。「使いながら慣れるのが重要」と話す奈良県立教育研究所主幹の小﨑誠二氏に、Adobe Spark(アドビ スパーク)を使った授業の様子など、熱い現場の状況を聞いた。
奈良県立教育研究所主幹 小﨑誠二氏に聞く
宿題はオンラインで
県内の学校では、紙でなく、オンラインで課題を出すことも多いようです。子どもたちは家に持ち帰ったパソコンを使ってクラウドにアクセスし、課題に取り組んでいます。オンラインを使えば、提出を待たずに教師が確認することができ、適宜アドバイス可能です。宿題を集めたり、宿題のチェックで教師が追われるといった負担が減っているようです。
―授業の進め方は変わりましたか。
ICTを活用している学校では教師と子ども、子ども同士のコミュニケーションが劇的に変化し始めています。例えば、課題に対するクラス全員の意見が共有できるので、今まで以上に一斉指導が可能になり、授業中に子ども同士で教え合う姿も当たり前になりました。またインターネットにつながることで、知らない、分からないことも、その場で調べられるので、自分のペースで学ぶ幅が格段に広がりました。
子どもたちが自ら学びたいことを学びたいときに学べる環境が整いつつあります。決まったパターンにとらわれず、自由に学習できる。いま学校教育に必要なことは自由度を高めることです。
Adobe Sparkを使った授業。自分たちで設定した課題は「お気に入りの文具を紹介する」だ。子どもたちは熱中するあまり、休み時間に突入。(御所市立大正小学校)
教えるプロから学ぶプロへ
―ICTの活用を促進させるため、教員支援に力を注いでいるそうですね。
教師って本当に勉強する時間の余裕がないんです。新しいものを取り入れられないもどかしさを多くの教師が感じています。そこで奈良県教育委員会では放課後の30分に限定するなどして、オンライン研修を受けやすくする仕組みを構築しました。
―「先生応援プログラム」ですね。
短い時間なので受けやすいことに加え、パソコンの操作方法からアプリの高度な使い方までレベルに合わせたプログラムを用意しています。10月から受講状況に合わせた獲得スター制度を導入したら、人気に拍車がかかりました(笑い)。
―研修を子どもたちに見えるところで受けるように指導されているとか。
教師が学ぶ姿を見せることで、学び方を教えられると同時に、大人になっても学び続けているんだという当たり前のことに気付きます。情報があふれかえるいま、教師は教えるプロというより、学ぶプロになるべきだと考えています。
創造力をかき立てるツール
―先生応援プログラムの中で、アドビの「Spark」活用研修の人気が高いそうですね。
毎回定員超えです。私も初めて使ったとき、クオリティーの高さに衝撃を受けました。Webベースなので、簡単に共有でき、情報は常に最新で、端末も選ばない。難しい操作は必要ないので、自分も講習を受ければ機能をフルに使えるようになります。先日行った研修でアイコンを作成してもらったのですが、力作ぞろいでした。
小中高等学校の先生が研修でAdobe Sparkでロゴ作りに挑戦!〜奈良県の「GIGAスクール構想 先生応援プログラム」
―授業ではどんな使い方をされているのでしょう。
これまでプリントを用意したり、模造紙で張り紙をつくったり、ものすごい労力と時間が必要だった準備作業が、Sparkを使えば、めちゃめちゃ楽。授業では電子黒板や子どもたちの手元の端末に表示して使うのですが、動画も組み込めるし、クリエーティブ性が一気に高まり、カッコイイ。作業が楽になった分、子どもたちとのコミュニケーションに時間を使えるので最高です。
―子どもたちはどうですか。
驚くほど上手に使っています。例えば、小学5年生がSparkを使って好きな文具の紹介に取り組んだときには、定規や筆箱など、思い思いの文具を撮影して取り込んだり、使い方や特徴を書きつづったり、熱中していたそうです。これからどんな使い方をしてくれるか、ワクワクします。
―教育現場でどんな変化が起きているのでしょうか。
やりたかったこと、伝えたかったことがSparkを使えばできると、教師や子どもたちは気付き始めています。使いながら慣れることが重要。どう使えばいいか、教師も子どもも自分で考え、活用の仕方を覚えていくことが大切です。これからもどんどん使ってもらいます。
教育機関向け無料 Adobe Spark
(企画・制作=日本経済新聞社 イベント・企画ユニット)
2020年11月26日 日本経済新聞朝刊にて掲載