2021年のEコマースの5つトレンド ~2020年のホリデーシーズンにおけるオンラインショッピングの傾向から分析 #AdobeDigitalInsights ~

by Adobe Comms

Posted on 01-20-2021

2020年のホリデーシーズン(11月から12月)では、米国におけるオンライン消費の比率が記録的な高さを示しました。

米国の大手小売業者100社のうち80社の1兆件の訪問者数と1億個のSKU(在庫管理単位)をAdobe Analyticsで分析したAdobe Digital Insights(ADI)によると、2020年は新型コロナウイルス感染症の流行がオンラインでの購買行動に多大な影響を与えたことが分かりました。昨年のホリデーシーズンのEコマースの売上高は通常の2年分の伸びを見せ、前年比32%増の1,882億ドルに達しました。

「ADOBE 2020 HOLIDAY SHOPPING WRAP-UP REPORT」の詳細はこちら(英語)

アドビのデジタルインサイト担当ディレクターであるテイラー シュライナー(Taylor Schreiner)は、次のように述べています。「パンデミックの影響で、人々がつながり、仕事をし、楽しみ、買い物をするための主要な手段がデジタルとなったことが、ホリデーシーズンのオンライン支出の記録更新を下支えしました。加えて、早期割引やモバイルショッピング体験の向上により、ホリデーシーズンに突入する前からオンラインショッピングは活発でした。感謝祭の週には収益レベルがさらに上昇し、ブラックフライデーやサイバーマンデーの記録更新へとつながりました。現在、COVID-19の感染拡大により再びロックダウン対策がなされているため、オンラインでの支出は、少なくとも2021年の前半までは高水準で推移すると予想されています。」

以下に、昨年のホリデーシーズンに観測された傾向をご紹介します。2021年のオンラインエンゲージメントとEコマース戦略の指針となるものです。

1.オンラインショッピングは今や当たり前

クリスマスイブを含む2か月間のホリデーショッピング期間中、1日あたりのオンライン消費額が初めて10億ドルを突破しました。さらに、サイバーマンデーが100億ドルを突破したことで、1日あたりの平均オンライン消費額は初めて30億ドルを突破しています。

ADIによると、ホリデーシーズン中のサイバーウィーク(感謝祭からサイバーマンデーまでの5日間)のインパクトは、早期割引と駆け込みセールの両方によって相殺され、シーズン全体の32%の伸びと比較すると21%の伸びに留まっています。とはいえ、サイバーマンデーを含む2020年11月は1000億ドルの大台に達し、単月でこの高値を記録したのは初めてです。

また、通常最大のモバイルショッピングの日であるクリスマス当日では、スマートフォンからの収益が52%を占め、初めて半数を突破しました。

シュライナーは、こう述べます。「パンデミックの影響により、ホリデーシーズン中に消費者がオンラインサイトを訪問した際、それが実際の購買につながる傾向がより多く見られました。この行動変化により、訪問回数が増えただけでなく、訪問の価値も上昇しました。ホリデーシーズン中の訪問1件あたりの収益は実際に前年同期比で10%増加しました。一般的にコンバージョンが最も低いスマートフォンでさえ、前年比で15%の増加を記録したのです。」

2.ホリデーシーズン中のトレンドは非接触型ショッピング

パンデミックが始まって以来、消費者はオンライン注文した商品を店頭で受け取るBOPIS(Buy Online, Pick up in Store)オプションを利用するようになりました。総注文数におけるBOPISのシェアは、パンデミックが始まった当初の15%から25%へと65%増加しています。2020年のホリデーシーズン全体を通じてBOPISは4件に1件の注文(25%)を占め続け、2019年のホリデーシーズン(約18%)に比べて40%の増加となりました。

「BOPISの利用は予想通り、通常配送や特急配送では間に合わない駆け込みの買い物でピークを迎えました」とシュレイナーは述べています。

また、BOPIS利用のピーク日は、2019年と2020年の両方で、クリスマスの2日前の12月23日でした。

3.今年は無料配送の普及率がやや低下し、消費者の配送料負担は上昇

アドビのeコマースプラットフォームMagento Commerceのデータによると、消費者は特にサイバーウィーク期間中に商品の無料配送を活発に利用し、シーズン中、12月13日までの注文の57%は無料配送のものとなっていました。この数字は、サイバーウィーク中には64%にまで達しました(12%増)。

「今年のサイバーウィークで送料無料の対象とならなかった注文については、COVID-19が出荷インフラに与えた負荷のため、出荷コストが昨年よりも高くなりました」とシュライナーは説明します。

発送にかかる費用(有料の場合)は、10.51ドルから12.21ドルへと前年比12%増加しました。また、観測された最低注文額も20.16ドルから22.86ドルに増加しました。サイバーウィーク全体でみると、無料で出荷された注文は、2020年に70%から64%に減少しています。

4.検索流入が小売業者のサイトトラフィックと収益の大部分を牽引

ホリデーシーズン中の訪問と収益は、どちらもその45%を検索からの流入が占め、収益を生む効果としては、有料検索がオーガニック検索をわずかに上回りました。有料検索の収益シェア(25%)は訪問シェア(23%)よりも高く、オーガニック検索の収益シェア(20%)と訪問シェア(22%)はそれぞれ効果として有料検索に及んでいません。

検索に次ぐのは、ブランド力やロイヤルティと関連が高いダイレクト流入です。具体的には、アフィリエイトおよびパートナーからの誘導が訪問の6%と収益の14%を占め、引き続き有力な収益の源となっています。多くの場合認知度を高める手段とされるソーシャルネットワークとディスプレイ広告の収益シェアは5%未満で、訪問シェアは10%でした。

ADIの分析によれば、オンライン収益の増加を牽引した要因に突出したものはありません。訪問数およびコンバージョン率の増加は売上の増加に貢献しましたが、平均注文単価は昨年から変化していません。

5.小規模小売業者と大規模小売業者との明確な傾向の違い

小規模小売業者(年間収益1,000万ドルから5,000万ドル)においては、パンデミック初期にオンライン販売の伸びが大きくなっていました。しかし、大規模小売業者(年間売上10億ドル)がホリデーシーズンにおける購買を支配し、その優位性はホリデーシーズンの間に消失しました。

しかし、今年のホリデーシーズンにおける売上高の伸びに注目すると、大規模小売業者が110%、小規模小売業者が104%で、昨年の107%対84%に比べて大幅に近接していることが分かりました。それぞれの増加率の差は、サイバーウィーク期間中では感謝祭に最も顕著に現れており、大規模小売業者の売上高の伸びは小規模小売業者を50%上回りました。大規模小売業者が小売業者よりも感謝祭の割引セールに力を入れていたことが伺えます。

サイバーウィークでは、大規模小売企業が早期に売上を伸ばしたのに対し、小規模小売企業は週の後半に売上を伸ばしました。スモールビジネスサタデーとサイバーマンデーの両方では、売上の伸びは小規模企業がわずかに上回っていました。さらに、買い物時間当たりの収益を上げる効果は大規模小売業者の方が44%高く、大規模小売業者では1分当たり1.20ドル、小規模小売業者では1分当たり0.83ドルとなっています。

小規模小売業者と大規模小売業者の間で類似していた指標に、注文金額が含まれています。消費者は小規模小売店でも大規模小売店と同様の額の注文をしており、それぞれ163ドルと167ドルでした。また、スマートフォンを使った買い物については、店舗の規模に関わらず同じ傾向が見られ、小規模小売店への来店の63%、大規模小売店への来店の64%がスマートフォン経由でした。

とはいえ、大規模小売業者には注文プロセスの開始において若干の優位性があり、カート完了においてはかなり大きな優位性を持っています。サイトを比較しながらのショッピングや信用レベルその他の観点を含め、大規模小売業者(5.1%)は、小規模小売業者(3%)と比較して、最終的なコンバージョン率がはるかに高くなっています。

シュライナーは、こう述べています。「COVID-19がいつまで実店舗での顧客エンゲージメントを制限し続けるのか先が見えないなか、私たちは引き続き2021年のオンラインショッピングに注目していきます。小売業者の成功の鍵は、オンラインの買い物客にどう働きかけ、購買者に転換させるかです。その点で、溢れる競合の中から目を引くためのパーソナライゼーションはこれまで以上に重要になってきています。なぜなら、COVID-19以降に消費者が身につけはじめた習慣は、パンデミックが去ったとしても少なくともその一部は残ると考えられるからです。」

※本記事は、2021年1月12日にアドビのエンタープライズソートリーダーシップ エグゼクティブエディターのジゼル アブラモビッチ(Giselle Abramovich)が投稿したブログの抄訳版です。

Topics: デジタルトランスフォーメーション, デジタルコマース, 顧客理解とデータ活用, 戦略/組織/プロセス

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