今求められるコンテンツ:多様な家族のカタチ

様々な文化、宗教、年齢、人種、性別の人たちがいるが故、私たちの社会はカラフルで豊かな世界になっています。そういった多様性を反映した真の家族像を捉えた作品をAdobe Stockを通じて紹介ください。

イメージ:Adobe Stock / Cavan + Adobe.

By Adobe Stock Japan

Posted on 04-09-2021

「家族」といえば核家族をイメージする方も多いと思いますが、実際には様々な形態があります。そう、今も昔も。

近年では、同性婚の合法化や、ひとりの子どもに対して3人以上の親に法的な親権を認めるなど、画期的な出来事がありました。しかし、実際のところ昔からどの地域にも多用な家族形態は存在していました。とはいえ、現代社会においては、社会的公正さを追求する運動が一定の成果を挙げたこともあり、どんな家族でもありのままに暮らせる環境、何者にも怯えることなく快適に生活できる環境が整いつつあります。

イメージ:Adobe Stock / Cavan Images.

主要メディアは、クリエイティブチームの協力を得、様々な手を使ってここ数年の動向を把握すべく努めてきました。しかし、最近では、2020年に世界中を席巻したBlack Lives Matter運動をはじめ、多様性に関する私たちの意識を急速に変える出来事があったのは記憶に新しいところです。

私たちの過去の姿は、映画のスクリーンや携帯端末の画面、雑誌のページをはじめ、ヘッドホンから聞こえる音楽にも投影されていますが、その姿は以前よりずっとリアルに感じられるようになってきました。例えば、日産TideNabiscoなどの一流企業は、民族の多様性、世代の多様性、LGBTQ+的な家族を前面に打ち出した広告を作るようになってきています。アートや手芸のマーケットプレイスEtsyは、2018年に初めて全米規模のCMキャンペーンを展開して注目を集めましたが、2020年ホリデーシーズンに打ったテレビCMの中には、男性がボーイフレンドに「きっと仲良くなれるよ」と言い、初めて家族に引き合わせるというものもありました(ネタばれになってしまいますが、その後家族には歓迎されるというストーリー展開です)。Booking.comが2019年に展開したCMにも、女性が男性にプロポーズするという珍しいシチュエーションを取り上げたものがあります。

多様な家族のあり方を正確に描こうとする取り組みは、紆余曲折を経て現在に至っています。2013年には、少女と両親のかわいいやり取りを描いたCheeriosのCMに対し、インターネット上に人種差別的な反応が相次ぎました。理由は、子供の両親が異なる民族だったからです。

Cheeriosブランドを保有する親会社General Millsは、ネット上の人種差別的な反応に歯止めをかけるためYouTubeでの映像公開を中止。ただしCMの出稿は継続し、2014年のスーパーボウル中継では続編CMをオンエアする形で改めて姿勢を貫きました。

イメージ:(上)Adobe Stock/Kristen Curette Photography LLC/Stocksy、(左下)Adobe Stock/MaaHoo Studio/Stocksy、(右下)Adobe Stock/Roberto Westbrook/Blend Images

当事者のあり方を正確に反映した家族描写が求められている理由

様々な家族の暮らしをありのままに描こうとする動きは、いまや「トレンド」の枠を超え、必須要素です。これは現在のムーブメント、守るべき約束ごとであり、非常に重要視されています。特にこれまでメディアではほとんど取り上げられなかった人々にとって、ことの大きさは計り知れません。COVID-19のパンデミックにより、多くの人が同居家族との巣ごもり生活を強いられましたが、家族と会うことすらできない環境にいる人の数はさらに多数に上ります。安心して人と触れ合える日を誰もが待ち望む中で、本物のつながり、本物の共同体を切実に求める人々のニーズの高まりはとどまるところを知りません。

若い世代を対象とする場合、ありのままの家族像を描くことは特に重要です。若者は現代のメディア消費者のうち最も熱心な(そして目が肥えた)層に属しているだけでなく、歴史上かつてない多様性を内包した世代だからです。Pew Research Centerの調査で、Kim Parker氏とRuth Igielnik氏は次のように述べています。「非ヒスパニック系の白人は辛うじて過半数を占める程度です(52%)。これは2002年時点にミレニアル世代の中で非ヒスパニック系の白人が占めていた割合(61%)と比べても、非常に少ないといえます。Z世代では4人に1人がヒスパニック系、14%がアフリカ系アメリカ人、6%がアジア系、5%がその他の人種または複数種類の人種に属しています」

コンテンツの格差が今もなお存在することは、Z世代がよく認識しています。

「私たち自身に近い人たちを映してほしいと思います。『まるで自分のことみたい』とか『これと同じことを知ってる』と言いたくなるようなものが見たいんです」。ニュージャージー州の高校生Sonali Chhotalalさんは、2019年にPBSで放送された番組『Student Reporting Labs』の中で、デジタルプロデューサーのRawan Elbaba氏にこのように語りました。

カリフォルニア州の学生Kimore WillisさんがElbaba氏に語った「そういうのを見ると『私みたいな人がどこにもいないのは、どうして?』と思うし、自尊心が失われるような気がします」という言葉も、Chhotalalさんの発言の裏返しといえるでしょう。

アリゾナ州のDazhane Brown氏は、多様な人々のあり方を描くことはプラスの効果を生むと考え、次のように述べています。「人は自分に似た人、自分と同じような振る舞い方をする人、自分と同じように話す人、自分と同じようなバックグラウンドをもった人を見ると、刺激を受けるものです」

イメージ:Adobe Stock / Rawpixel.com.

現実から目をそらさず、未来に目を向ける

多種多様な家族のあり方を印刷物や映像の中で表現したいというニーズは、いまだかつてないほど高まっています。この課題に対応するため様々なコンテンツが大量に必要です。一方で、これを実現するのも容易な状況でないことも認識しています。そのため、安全を配慮した撮影を常に意識していただきたいと思います。ご存じのとおり、COVID-19の世界的な蔓延により、すべての人が精神的に大きな負担を負っただけでなく、感染拡大を防ぎ人命を守るために欠かせない行動制限により、コンテンツ制作者は根本的な発想の転換を迫られています。そんな中、慎重な安全策を講じながら何とか制作を続けている方もあれば、制作活動を完全に諦めてしまった方もいらっしゃると思います。また、撮影プランを組む際も、プロセスのあらゆる段階において、適切な安全対策が欠かせないように配慮し、これまで以上に注意深く行われていると思います。

ガイドラインの内容は米国内でも州ごとに異なりますが、カリフォルニア州ロサンゼルス郡の公衆衛生局では、音楽・テレビ・映画業界の安全な業務遂行を目的とした総合ガイドラインを提供しています。アドビでも、パンデミック下でクリエイティブプロセスを円滑に進めるために役立つ情報を公開しています。詳しくはオンデマンドウェビナー「The State of Creativity Right Now」をご覧ください。これ以外に、各ローカルごとにルールが設定されていると思いますので、くれぐれも安全性を優先した撮影計画をおねがいします。

次に、コンテンツ制作の重要性と同じくらい、コンテンツのもつ適切さを意識する必要があると考えます。私たちはビジュアル表現におけるコンテンツの格差を解消すべく努める一方で、こうしたコンテンツづくりには重大な責任が伴うことも認識しておかなければなりません。

たとえば、Visaのグローバルイノベーションマーケティング担当シニアディレクターであるMatt Story氏は、World Advertising Research Center(WARC)の2020年の記事で、このことの重要性を端的に語っています。「マーケターである私たちがメディアやコンテンツの中で誰かを取り上げるときは、その行為が未来の世代の考え方に影響することを十分に意識すべきです。彼らは私たちの取り上げ方を参考にしながら『自分たちは何者でありたいか、何者になれるか、何事を成し遂げられるか』を検討することになるのですから。私たちの多くがきわめて重要な力を持っているからこそ、軽々しくその力を行使すべきではありません。このことをすべての人に知ってほしいですね」

イメージ:Adobe Stock / MaaHoo Studio/Stocksy.

とはいえ、自分がわかっていないことをどうやって知ればいいのでしょうか。

幸い、そのために役立つ資料はいろいろあります。例えば、NGO団体GLAAD(Gay and Lesbian Alliance Against Defamation)は、LGBTQ+に該当する人やコミュニティ全体に関する正当・不当な描写の仕方について、クリエイターを啓蒙する目的でメディア用のリファレンスガイド策定しました。また、体が不自由な人々の権利保護活動をおこなうNPO団体Center for Disability Rightsや、人種問題を扱うRace Forwardも同様のガイドを提供しているほか、ポリアモリー(複数恋愛)コミュニティを支援するNPO団体Loving Moreでは適切な用語とその意味をまとめたリストを公開しています。こちらも各ローカルごとにNGOやNPO団体が情報を配信しているとおもいますので、そちらを参照するなどし、配慮ある対応をするようお願いいたします。

今年は誰にとっても特別な意味を持つ一年だと思います。クリエイターとして、そしてこの世界に生きる人間として、現在はこれまでになく大きな変化のときではないでしょうか。皆さんには、これまでとは違う姿、違うストーリー、違うものの見方をAdobe Stockを通じての世界に発信していただきたいと思っています。誠実さと正確さを期してこの機会に臨み、すべての人が「自分」らしくいられる世の中を一緒に描いてみましょう。

Adobe Stockが求めている多様な家族の姿について詳しくは、クリエイティブブリーフ英語版)をご覧ください。このブリーフを制作する過程で、創造性をかき立てる魅力的な作品たちに触れることができ、私たち自身にとっても非常に刺激となりました。日本の方々も身の回りにある様々な家族の姿を切り取る参考としてご活用ください。

いかがでしたでしょうか? Adobe Stockでは様々なアーティストの作品を広く募集しております。くわしくはこちらのサイトを御確認いただき、様々な家族のあり方を描写した、写真やイラスト、ビデオを投稿ください。

また、私たちが多様性に富んでいることを世界中の多くの人たちに気づいてもらえるよう、Adobe Stockのコントリビューター向けの支援プログラムもご用意しております。こちらも(英語での対応のみとなりますが)是非ご応募ください。

この記事は2021年2月23日にSarah Casillasにより作成&公開されたThe importance of us: A more inclusive picture of family lifeの抄訳です

Topics: クリエイティブ, フォト, トレンド&リサーチ, メディア&エンターテインメント,

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